2019-04-18
【ゲーム】ネルケと伝説の錬金術士たち~新たな大地のアトリエ~ レビュー
KH3ですが、ついに明日からアナ雪のワールドに入れそうです!超楽しみ。
今日はネルケのアトリエのレビューです。最近のアトリエではアーシャの次くらいに面白かった。
2019-06-02追記:エクストラストーリーの感想を追加しました。
ネルケと伝説の錬金術士たち~新たな大地のアトリエ~
プラットフォーム | PlayStation®4, PlayStation®Vita, Nintendo Switch™, Steam® | |
ジャンル | 街作り×RPG | |
価格 | 【PS4】 通常版/ダウンロード版 7,800円 ダウンロード版 販売価格 7,300円 プレミアムボックス 希望小売価格 10,800円 アトリエ20周年ボックス 希望小売価格 26,100円 ほか |
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公式 | ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~ | |
プレイ時間 | 1周目:86時間(プラチナ) |
ストーリー
- 錬金術師に憧れながら、その能力がなく夢を諦めた貴族令嬢「ネルケ」は、辺境の村・ヴェストバルトの管理官を命じられ、村の発展のために尽くすことになる。彼女には新たな夢があった。ヴェストバルトを発展させること、幼馴染で行方不明になっている「ソルト」という男性を探すこと、そしてかつてグランツヴァイトの賢者と呼ばれた偉大な錬金術師の遺物を探すこと。ある日、一人の錬金術師との偶然の出会いが、彼女の運命を大きく変えていく―
- 20周年記念タイトルとして作成されたアトリエシリーズ最新作です。今回は上記の通り3つの大きな目標があり、それを達成するために細かく設定された目標を一定ターン内に達成していくというストーリーになっています。
- メインストーリーは割と単純で薄めですが、今回は後述するとおりRPGというよりSLGなので、ここはあまり気になりませんでした。とはいえ単調とか言うことはなく、それなりに事件があったり意外な展開もあったりで決して悪くなかったです。
- 今回はちょっと恋愛色が強いってどこかで言われてましたけど、そんなことないと思いますよ?まあアトリエ作品にしては若干そんな感じのイベントもありましたけど、むしろネルケ淡泊すぎない?エスカとロジーの方がよっぽどイチャイチャしてたわ。
- 過去の主人公が全員登場するお祭りゲーですので、キャラクター同士の掛け合いは大事です。今回もサブイベントは半端ない数用意されていて、一応100ターンでエンディングを迎えるゲームであるにもかかわらず、1周目で見られるイベントをコンプしたのは159ターン目でした。
- ただ、サブイベント自体はあまりいい出来ではなかったです。ほとんどのイベントが、各主人公たちが自分たちの出身世界の似ているところや相違点なんかを話しているところに、ネルケが「何の話をしているんですか?」と混ざっていく感じになっていて、ワンパターンな感じがします。話の内容も過去作の振り返りになりがちなので残念。もっと新しい人間関係を築けるような切り口のイベントを充実させてほしかったですね。
システム
- 従来のアトリエ作品は、主人公が錬金術師として、アイテムを作ったりモンスターを倒したりしながら、課題や目標を達成していくという普通のRPG形式でした。しかし今回は、錬金術師たちを束ねて指示を出していくという、経営シミュレーションになっています。限られたリソースをうまく管理して、人口と資金を増やしていくのが目的です。
- 1ターンは休日と平日に分かれています。
- 休日はキャラクターとのイベントが発生したりするADVパートと、フィールドを探索してモンスターと戦う戦闘パートが融合しています。どちらかだけ行うこともできますし、両方をバランスよくこなすことも可能です。
- 平日はSLGパートになっていて、街の建設、仕事の割り当てなどを行います。ターンを終了すると自動的に住民が割り当てられた行動を取り、その結果が表示されます。
- お金を増やすにはまず仕事。住民たちを採取地に派遣したり、畑や林で農作物を栽培してもらったりしてアイテムを集めます。それから錬金術師たちがその集めたアイテムを錬金術で商品に加工します。最後にショップに配置された住民たちが商品を販売しお金を稼ぎます。稼いだお金で新しい建物や農地を設置し、さらに効率よく生産ができるようにします。増えたアイテムを素早く加工するためにアトリエを拡張し、作ったアイテムが余らないよう店を増やし、そうしているうちに町が発展して人口が増え、増えた人口をさらに派遣や栽培に回して…という繰り返しです。中盤辺りは1ターン回すのに30分くらいかかったりするんですが、これが本当に楽しい。
- 「アイテム倉庫」という、そのターンに予想されるアイテムの消費量と入手量を一覧できる表があるのですが、それをにらめっこしながら、入手数より消費が上回っているから、栽培や派遣に回す人間を増やそうか、いや人間が足りないから、アトリエに指示して一旦別のアイテムを作ってもらおう、あれ、そうすると今度は店の商品が足りなくなった、じゃお店の販売品は一旦製造コストが安いアイテムに切り替えて…ん?今度は安い商品に変えたせいで売り上げが下がって人件費とかで赤字になってる!赤字が続いたせいで住民からの支持率が…みたいな感じで常にリソースの配分には悩まされますが、経営がうまくいって、自分が計画した街作りを進め、そして増えていく貯金残高を眺める喜びは格別です。
- そんなわけで、アトリエと言えば調合ですが、今回はあくまでシステムの一つに組み込まれていますので、いつもの作品のように良質な素材を集めたり、パズルのような調合をしたりと言うことはありません。必要なアイテムを必要な個数用意していれば、指示したアイテムを同じクオリティで作成してくれます。時々調子がよく予定より多くの数を作成したり、あるいは逆に失敗して予定数を作れなかったりといったランダム要素もあり、それもまたいいアクセントになっていました。
- ターンの終わりにはそのターンの全体的な状況がわかりやすく表示されます。このターンの問題点が浮き彫りになるので、次のターンではこういうところに力を入れようとか、それを眺めながら計画を立てるのもまた楽しい。
- また、街作りもいろいろなアトリエやお店を好きなように配置していくことができて、ジオラマ的な楽しさもあります。建物を建てるのにもお金やアイテムが必要なので、あまり建てすぎると赤字経営になり、建てないと町が発展しないとこれもうまくジレンマを演出しています。ただ、建てた街の中を歩き回れる機能がないのだけは非常に残念(一応街を眺める機能はあります)
- 効率を求めた結果こんな街になりましたが、中央にネルケの像を建てて彼女の名誉を称えたり、飛行船発着場を置いて他の街区との流通をスムーズにしたり…と言った妄想も可能。
- 100ターンで一応エンディングを迎えますが、そのままプレイを延々と続けることも可能です。そもそもキャラを全員加入させるだけで140ターンくらいかかりますから。
- いつもどおり、各種図鑑(人物、モンスター、アイテムなど)、イラスト/ムービーギャラリー、サウンドテスト、キャストコメントも充実。あれ、今回サウンドテストにプリキュアネタがないぞ…?
キャラクター
- 今作品のオリジナルキャラは4人、過去作からは111人が出演します(それ以外にガストの他のゲームからのゲストもいます)。
- 過去作のキャラのうち、イベントがあるのは過去作の主役キャラ+αの32人だけです。それ以外に数人、メインやサビベントに絡むキャラもいますが、大多数は加入時に軽いイベントがあるだけで、あとはシステム的なセリフしかない(当然ボイスもない)です。もちろん残念なのですが、しかしこれ以上キャラの数を増やすとどうにもならなくなると思います。主人公キャラを全員出し、きちんと活躍させるためにはやむを得なかったのでしょう。ウィルベルさんだけは本当に残念だったので、ネルケには常に初回特典のウィルベルコスチュームを着させていましたが。
- 戦闘に参加できるのはさらに少なく、オリジナルキャラ4人と、錬金術師15人だけです(設定上は錬金術師でも、参戦しないキャラもいます)。とはいえ戦闘の比重も他のシリーズ作に比べれば軽いのでそんなに気にはなりませんでした。
- 今回のお気に入りキャラは主人公のネルケです。ネルケは非常に明るく前向きなキャラで、管理官に任命されるくらいですから随所に優秀なところを見せてくれます。こういう上司の下で働きたいなと素直に思わせてくれるキャラでした。そのほかのオリジナルキャラも、メイドの鑑のようなミスティ、村のために一生懸命働く村長のクノス、ネルケのお目付役でありながら何か秘密を抱えているようなロータスと魅力的なキャラばかりで、いつもののんびりした世界観で温かい人間関係を楽しめます。
- また過去作のキャラの活躍を再び見られるのもよかったです。yukkun20としてはやはり初代主人公のマリーが思い出深いですが、改めてこんな賑やかで前向きなキャラだったなぁと思い出せました。キャストもそのまま続投してくださっているのもうれしいですよね。でも松来さんのイリスだけ声が変わっていたのは(涙)
戦闘
- 今回は戦闘もあくまでSLGの一パートというポジションなので、過去作に比べると結構単純な作りになっています。
- パーティは5人です。オリキャラ4人はアタッカー、錬金術師15人はサポーターという役割があり、好きに組み合わせて(ただしネルケは固定)パーティを組みます。戦闘は素早い順に行動するいつものコマンドバトルです。
- アタッカーは基本的にプレイヤーが毎ターンコマンド入力で行動を指定します。行動には、通常攻撃と、毎ターン1ずつたまるゲージを利用したスキルがあります。アイテムの使用もスキルに含まれます。
- サポーターは毎ターン自動で行動します。序盤は火力に優れていますが、中盤以降はアイテムの火力が高くなり、アイテムを仕えるアタッカーの方が優位になります。しかしサポーターには前述のゲージを4つ消費することで任意のタイミングで放てる大技があります。大技の追加効果はアタッカーでは真似ができないものも多く、そこで差別化がはかられていました。
- 戦闘はソシャゲのような感じで、制限時間内に進行度を100%にするとそのステージはクリアになります。キャラは歩くか走るかを選択できます。歩くと進行スピードは下がりますが、アイテムを拾ったり、戦闘を有利に行えたりします。走ると進行スピードは上がりますが、アイテムは拾えませんし、戦闘も不利になります。休日にサブイベントをこなすと制限時間がその分減らされるので、イベントを優先して走るか、イベントを犠牲にして歩くかと、ここもジレンマになっています。
- 戦闘の難易度はあまり高くなく、繰り返してレベルを上げ、戦闘アイテムをきちんと開発していればラスボスもスムーズに戦えると思います。
総評
- 20周年記念作品なのに、今までと全然違うシステムの作品をぶち込んでくるというなかなかの意欲作でした。SLGは好き嫌いがあるので人を選ぶ作品だと思いますが、個人的には非常に高評価です。これをアトリエのメインストリームにしろとはいいませんが、3年に1回くらい続編を出してほしいですね。
- でもよく考えると、初期のアトリエってこんな感じだったと思うんですよ。戦闘はあくまで添え物だったし、限られた時間でアイテムを作りながらイベントをこなすって言う、まさに「世界を救うのはもう飽きた」というキャッチコピーにふさわしい作品でした。最近のアトリエは、調合というシステムが乗っかった普通のRPGだからなぁ。もちろんそれがだめっていうわけではないのですが。
- いずれにせよ、個人的にアトリエに求めていたのは、今回のようなゲームだったことに気づかされました。なんだかんだで1ヶ月ほどでクリアしていることからも、熱中度をわかっていただけると思います。
- もし次回作があるとしたら、ジオラマパートの充実と、キャラクターイベントのフラッシュアップ、そしてフルボイス化をお願いしたいですね。あと台詞の自動送りね。
- ということで、経営SLGが好きな人は是非一度プレイしてみてください。アトリエプレイしたことがない人でも、十分楽しめる内容になってますよ(実際yukkun20もプレイしている作品は半分以下でしたし)。
エクストラストーリー
- DLCとして1000円で発売されている「エクストラストーリー」を導入すると、エンディング後のネルケたちの様子を知ることが出来ます。「グランツヴァイトの樹を発見」「100ターン目を達成後に任期延長を選択する」の両方の条件を満たしていれば、すぐにプレイすることが出来ます。
- まず、新規キャラが20人追加されます。全員イベントもいくつかついてきます。ほぼ知らないキャラだったのでちょっと残念でしたが…。ちなみにこの20人は、本編のサブキャラのように、毎ターン1人ずつ加入してくる形ではなく、DLCを導入すると全員一度に加入しました。
- 次に、クノスとロータスの会話イベントが追加されます。
- クノスのイベントは9回で、ミスティとの関係に焦点を当てた物語になっています。昔なじみの2人で、ミスティは憎からずクノスのことを思っていたようですけど、本編ではネルケへの愛が深すぎてほぼ関係が進展しませんでした。しかしこちらでは一つの事件をきっかけに…みたいな感じになっています。
- ロータスのイベントは11回で、ラストに簡単な分岐があります。こちらは当然ネルケとのラブロマンスになっています。お互い素直になれず、身分も違う二人が距離を縮めていき、最後はアトリエでそこまでやっていいの!?というシーンまで描かれています。アトリエでここまで濃密な恋愛模様が描かれたのは初めてなのでは…かなり衝撃的な内容です。
- さらに、パメラについての非常に深いストーリーがあります。これまでスターシステムがごとく過去作に登場しているパメラですが、彼女が何者なのか、なぜいろいろな世界に、そしてこの世界にいるのかというあたりが明かされ、アトリエシリーズの根本に迫る内容になっていました(まさかアトリエシリーズ終わるんじゃないだろうな…)。また賢者との関係、ネルケが錬金術を使えない理由、どうしてこの街には錬金術士が集まるのか、など、ふんわり残されていた伏線をきれいに回収し、最後はロータスとネルケのイベントと合流するその流れは見事でした。これだけで1000円の価値はあります。
- ということで、満足度の高いDLCでしたね。これがなくても本編の価値が下がることはありませんが、本編を楽しんだ人には是非こちらもプレイしていただきたいです。一つ難があるとすれば、ボイスが全くないってことだね…。サブキャラや歴代キャラはともかく、メインキャラの4人にはボイスほしかったよ…
- というわけで本当に楽しませてもらいました。ガストが今やってるアンケートで、「3年後くらいに続編お願いします」と意見するくらいに愛してます。
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