2019-10-12
【ゲーム】蒼き翼のシュバリエ レビュー
PSVitaよ、永遠なれ!
蒼き翼のシュバリエ
プラットフォーム | PSV | |
ジャンル | 本格ファンタジー・ダンジョンRPG | |
価格 | 【パッケージ版】【ダウンロード版】6,800円 | |
公式 | Home | 蒼き翼のシュバリエ | |
プレイ時間 | 本編:26時間 プラチナ:+20時間 |
ストーリー
- 円卓の騎士と魔王、光と闇との衝突は、闇の勝利に終わった。円卓の騎士は敗北し、世界は魔王が支配する地獄と化した。それから100年。かつて円卓の騎士を率いていたエクスは、新たな命を得て再びこの世界に降り立った。魔王オル=オーマの力に対抗できるのは、円卓の騎士とその絆のみ。エクスは運命に呼び寄せられる次代の騎士たちと共に、再び魔王との対決を決意する。果たして勝つのは、光か闇か―
- デモンゲイズでおなじみエクスペリエンス(チームムラマサ)のDRPGです。デモンゲイズとは同じ世界観(デモンゲイズの時代よりかなり昔)を描いていますが、ストーリー的なつながりはないですし、むしろこちらの作品の方がオリジナルは古いくらいなので、デモンゲイズをプレイしてなくてもOK。
- DRPGなのでメインストーリーは薄めです。人類に遺されたわずかな拠点をめぐりながら、迷宮に潜り、魔王に対抗する武器や仲間を集めていくという感じです。ただ↑のあらすじにあるとおり、光の騎士を率いて魔王打倒を目指すという王道ド真ん中のストーリーはわかりやすく、それでいて演出が良いためあまりチープにもなっておらず、いい感じでしたね。
システム
- デモンゲイズ同様、オーソドックスな3DDRPG+ハクスラということで、現代のWizという感じです。宿屋を起点にダンジョンに潜り、お宝集めて次のステージへ、という繰り返しです。ダンジョンには謎解きやギミックもそれなりにありますが、あまり複雑なものはなく、誘導に乗っかれば処理できるようになっていますので、探索ものとしての難易度は低目です。
- 難易度は「ノーマル」と「イージー」があります。ノーマルといえども比較的難易度は高めで、ザコでも結構事故死するし、ボスはきちんと集中して戦略を練っても初見は倒せないことも多かったです。ただ計画的に育成したおかげで、本編クリア後の隠しボス以外はレベル上げをしなくてもどうにか乗り越えられる程度でした。難易度はストーリーにもトロフィーにも影響しないので、トロファーでも好きなように楽しめます。
- 1の不満点の一つだったオートパイロットはデモンゲイズ2準拠で使いやすいです。固定モンスターを回避する、回転床に乗っても中断しないなど、ほぼ任せて安心でした。今作は1ダンジョンが結構広く、相変わらず蘇生術が終盤まで(もしくはクリア後まで)使えないわりに仲間が事故死するので、結構頻繁に帰還するのですが、これのおかげで苦にはならなかったです。
- 今回は、仲間全員ユニークキャラになっています。が、キャラクターメイクの幅が広く、種族、職業、能力値全て自由に決めることが出来ますので、どのキャラを使っても好きなようにパーティが組めます。例えばメインヒロイン(自分的に)のエルサはエルフでいかにも術士的な外観ですが(設定もその通りなのですが)、別にドワーフのファイターとしてキャラメイクすれば、最前線で斧を振り回すことも可能です。キャラグラも、それぞれのキャラにつき「前衛型」「後衛型」「オリジナル版」の3種類が用意されているので安心。ただし各キャラには一つずつ固有能力があり、そこで差別化できています。ただそれも戦局に決定的な影響を与えるわけではないので、もう見た目と性格だけで誰を連れ回すか決めればいいと思うよ。
- 音楽はデモンゲイズのように尖ってはおらず、普通です。
- プラチナ獲得の難易度はやや低めです。一番面倒くさいのが「村正」「大村正」の入手でしょうか。yukkun20はコンプ時点で宝箱開封数が465でした。が、ネットを見ると900以上開封したけど割と早いほうだと思う、みたいな恐ろしい記述があったので、リアルLUCの高さで評価には差が出そうです。デモンゲイズなどと違って、ドロップアイテムの種類を指定できないのが辛い。とはいえ、トロコンを目指すのであれば、村正掘りの間にレベルも上がり、隠しボスたちも安定して倒せるようになりますので、めちゃくちゃ辛いという感じではありませんでした。
キャラクター
- 今回はパーティメンバーが主人公含め11人と多めです(円卓の騎士がモチーフなのになぜ11人…?)。しかしそれぞれキャラが立っていて、埋もれてしまうことはありませんでした。メインヒロイン格のエルサとルーミ(と最後の生徒)は出番が多めですが、それ以外のキャラもそれぞれにサブイベントが準備されていて見せ場がありました。
- 魔王のチャーム(魅了)攻撃に勝てるのは仲間との絆だけ、という設定に合わせ、各キャラクターには好感度がランク1から10まで用意されています。好感度は戦闘に同行し勝利することで上げられますが、拠点で一緒に食事をしても上げられるので、レギュラーとベンチでランクに大きな差が付くことはありませんでした。ランクが上がると獲得経験値倍率も上がるので、迷宮から帰ってきたら生徒たちを食事に招きましょう。先生の胃袋が心配ですが。
- また仲間たちと一対一で会話する「面談」というものもあります。主人公以外の生徒たちは、特殊な力や血統を有しているわけではありません(有している子もいますが)。運命に導かれて円卓の騎士になりましたが、それぞれ自分の実力や因縁、使命などで迷いを抱えています。それを少しずつ解きほぐして主人公と信頼関係を築く様子が丁寧に描かれていて、確かに「絆」を感じられる物語になっていました。
- ボイスがないのは残念。
バトル
- ランダムエンカウント+固定シンボルエンカウント方式です。要所要所には固定シンボルモンスター(特に強いわけではなく,一般のザコ敵と同じ)がいて、そこに接触すると戦闘になります。また迷宮内を歩いているときにもランダムで戦闘になることがあります。しかし固定モンスターは一度倒せば、こちらが撤退するまでは再出現しませんし、通常エンカウント率も低いので、あまりイラつくことはありませんでした。
- 「トラップポイント」という独特なシステムがあります。これは、指定される食材などをセットし、おびき寄せられた敵を倒すと、強力なアイテム(ほとんどは装備品)の入った宝箱をドロップするというシステム。デモンゲイズのようにセットするアイテムが不足気味になることはなく、ハクスラを楽しむことが出来ます。反面デモンゲイズでは、仕掛けたアイテムによりドロップするアイテムも決定されていましたが、本作はその関連性がなくなっているため、目当てのアイテムが出るまで延々トラップめぐりをすることも…村正、おまえの事だよ!
- ハクスラを重視しているだけあって、戦闘も非常にスピーディーです。前作もそうでしたが、△ボタンを押すだけで、前のターンに取った行動を繰り返してくれるショートカット機能はありがたいです。ただ、セーブデータをロードするとショートカットが初期化されるのだけはどうにかしてください…
- ショートカット戦闘をしていると、いきなりキャラが死んで「え?なんで死んだの???」になることもあるんですけど、戦闘ログがすぐ見返せるようになっていたのは良かったです。まあ読んでもなんで死んだのか分からないことがあるけど。
総評
- そんなわけで、いつも通り楽しませていただきました。デモンゲイズに比べるとストーリーは割とダーク寄りですけど、かといってドロドロしているわけでもなく、コミカルなシーン(や主人公の選択肢)も十分で面白かったです。DRPGが好きな方、特にマッピングよりも戦闘やキャラメイク重視の方にはおすすめです。
- また、本作の未来(デモンゲイズよりは過去)を描いた「新釈・剣の街の異邦人」も同梱されています。こちらも同じようなシステムのDRPGのようですから、いつかプレイしたいですね。その時までPSVとはお別れです(永遠の別れになる可能性が高そうな台詞