2021-02-27
【ゲーム】アライアンス・アライブ HDリマスター レビュー
昔ながらのRPGが好きな人には断然お勧め。
アライアンス・アライブ HDリマスター
プラットフォーム | PlayStation®4, Nintendo Switch™ | |
ジャンル | RPG | |
価格 |
|
|
公式 | THE ALLIANCE ALIVE ~アライアンス・アライブ~ HD Remastered | |
プレイ時間 | 1周目:43時間 2周目:7時間 トロコン:+9時間(計59時間) |
ストーリー
- 1000年前。突如この星に侵攻してきた魔族たちにより、世界は分断され、青い空は失われ、人類は魔族と、魔族に従う妖魔の圧制に苦しんでいた。そんな中、魔族たちに対するレジスタンスの一員である少年ガリルと、幼馴染みの少女アーシュラは、好奇心から封鎖された遺跡に入り込んでしまい、そこでかつての青い空が描かれた絵画を見る。彼らの冒険は、やがて世界の構造を大きく変える戦いへ導かれていくのだった―
- 世界のあちこちを旅しながら、仲間を集めて、強大な敵に挑む、というわかりやすいストーリーラインですけど、決して単調でも陳腐でもなく、世界設定自体がおもしろいので最後までだれずに進めることが出来ました。ネットの評判だと、終盤が駆け足すぎる!という評価が多かったですけど、個人的にはそう感じませんでした。長すぎず短すぎず、いい長さだったと思います。
- 主人公達は9人います。概ね3つのグループに分かれていて、それぞれの視点から、この世界の構造や、各地域の特色などが語られます。目的も思想もバラバラの9人ですが、やがて全員の目的が重なって共に旅をするようになる流れは、「群像劇」と言って差し支えない出来だったように思います。
- サブイベントも多いのですが、メインキャラクターたちを掘り下げるイベントは少なめだったので、底がちょっと残念だったかな。もっとこの9人の掛け合いを見てみたかったです。
システム
- 街から街へ移動しながら、ダンジョンを探索したりイベントを発生させたりして進んでいく、オーソドックスなRPGです。
- 特徴的なシステムとして、「ギルドシステム」があります。この世界には5つのギルドがあり、物語中盤で、ギルドメンバーを集めるサブイベントが始まります。別に一人も集めなくてもクリアは可能なのですが、世界を巡ってメンバーを集め、ギルドに配属させると、戦闘時にバフデバフや敵にダメージを与えるなどの支援を受けたり、強力なアイテムや術を開発してもらったり、登場キャラクターの深い設定を見られたりと色々な特典があります。配属する人数によってギルドレベルが上がるのですが(最高レベルは10)、メンバーを全員集めても、全部のギルドレベルを10に上げることは出来ないので、バランス型にするのか、突出させるのか、センスが出るところだと思います。
- またストーリーを進めるに従って、オーニソプター(グライダー。上昇は出来ないが長距離を滑空できる)、船(海上を移動できるが砂浜にしか上陸できない)、飛行船(ほぼ全ての地形に離着陸できる)と乗り物が手に入り、行動範囲が広がっていくのはお約束ではありますがやはりわくわくしました。
キャラクター
- PCキャラは全部で9人、サブイベントをこなすとさらに3人追加されます。戦闘メンバーはそのうち5人を選んで出撃させることになります。
- 9人は人間、妖魔、魔族など色々な種族がいて、それぞれ独自の目的もあります。ギスギスするかと思いきや、みんないい人達で結構ノリが良く、最後の戦いに挑む理由も、「世界を救うため」というより、「ラスボスが仲間に掛けた呪いを解くため」、という側面が押されていて、それもなんかジーンときました。
- 特に魔族の女性ビビアンと、その執事(彼も魔族)のイグナスのコンビは良かったですね。ビビアンは比較的若い魔族で、人間に対する差別意識も低く、好奇心も旺盛で仲間たちともどんどん絡んでいく感じです。イグナスは当初は典型的な魔族で、人間を見下げてますし、ビビアンに振り回されている感が強いのですが、中盤の宴ではっちゃけて以降、完全に弄られキャラになってしまい、彼自身もそんなノリを受け入れてたりして、いい関係を築けて行けたのは良かったと思います。
- あとティギーも良かったですね。12歳の天才科学者というだけで期待するしかないのですが。彼女は口が悪いのですが、ほとんどのキャラとうまくコミュニケーションを取っていて、完全にリーダーポジションでした。頭もいい、口も立つ、リーダーシップもある、ご先祖様えらい人、と欠点が見当たらないですが、戦闘時は生身じゃなくてアヒルロボ(搭乗型)で戦うというのだけがちょっと…w
- また街中のNPCたちもみな個性的です。そのうち半分以上(約160人)はギルドメンバーとして勧誘できるのですが、メンバーになって話しかけると、あ、この人あそこにいたあの人か!そういえば話がつながってるわーみたいなことが頻繁にあって、きちんとキャラ付けが出来てるなーと思いました。
戦闘
- シンボルエンカウント制です。敵は索敵範囲が比較的広くて足も速いので、当初はイライラすることもありますが、比較的早い段階で、敵に見つからなくなるスキルを取得できるので、それ以降は快適です。
- この手のRPGには珍しく、隊列というか陣形システムが結構しっかりしています。各キャラはそれぞれ前衛、中衛、後衛の3つのポジションと、「アタッカー」「サポーター」「ガード」の3つの役割を設定することが出来ます。ポジションは敵からの狙われやすさや、攻撃の射程に影響し(技ごとに適切な射程が設定されており、それに合わせると威力が上がる)、役割は与ダメージや被ダメージ、行動順などに影響します。陣形は複数登録できて、戦闘中に入れ替えることも出来ます。
- たとえばボス戦では、最初は前衛のガード1人、残りはアタッカー構成で始めて、途中でガードが状態異常などで機能停止になった時は、別のキャラをガードに出し、その間に回復力に優れたサポーターが機能停止したガードを回復、回復が済んだらまた元の陣形に戻す、といった戦い方が出来ます。
- 戦闘が終わるとHPは全快するので、難易度はぬるめかと思いきや、敵はかなり高火力なので、きちんとガードを置かないとすぐ全滅します。このゲームは戦闘不能になった仲間を戦闘中に復活させる手段はないので、ガードや回復役が死ぬと途端にじり貧です。また作中には何体か非情に難易度の高いボスがいて、きちんとキャラクターを育成しておかないとなかなか大変だと思います。反面ザコ戦は上記の仕様もあって連戦しやすく、4倍速戦闘も可能なので、ストレスがたまることはありませんでした。
- キャラクターにはレベルの概念がありません。パラメーターは基本的に初期設定値で固定されています。HPとSP(いわゆるMP)のみ、戦闘終了後に確率で上昇します。レベルがないので技もレベルアップで習得するわけではありません。ではどうやって修得するかというと、戦闘中に
閃く覚醒することで取得します。つまり敵に特定の技を当てると、確率で新しい技に派生し、その技を取得することが出来るわけです。新しいー。(ちなみに術はお金で買って修得します)
- ちなみに全技取得はトロフィー「戦技、極めました」取得の条件なのですが、以下の点に注意が必要です。
- 術技は誰が修得してもいい(ただし周回プレイ中、未加入のキャラが修得している状態だと、そのキャラが加入(一時加入でも可)しないと取得扱いにならない)
- 修得していても使用しないと、図書ギルドの技術一覧に記載されないものがある(特に風砲周り)ので注意する
- カウンター系の技は、派生元の技が(カウンター技ではなく)攻撃技の場合、敵より先に行動すると覚醒しないので、装備を重くするか、速度が下がる陣形に組み込むかする
- トロコン狙いの場合、ギルドレベルは1周目:印術10、鍛冶9、図書8で術と装備を充実させ、2周目は諜報10、戦術8、図書8、印術8がおすすめ。諜報10と戦術・図書は火力上げに役立つ。また鍛冶を上げるとギルド砲で敵のHPがゴリゴリ削られて、目当ての技を修得するまでに敵が死ぬことが多いので不要
総評
- 古き良きRPGが遊びたいなーと思って始めたこのゲームでしたが、期待通りのものを楽しめた感じです。世界観は殺伐としていますが、キャラクターたちは暖かかったです。システムは複雑すぎず、それでいて古くさくもなく(ただ飛行船が手に入るまでフィールドをかなりの距離移動しないといけないのはやや冗長に感じました)、戦闘もテンポが良くほどよい難易度もあって、バランス調整が良かったと感じました。ギルドメンバーを集めて、飛行船がどんどん賑やかになっていくのも、そういうのが好きな人にはたまらないと思います。
- yukkun20はフリューのゲームは初めてです。過去作の中には叩かれているものもありますが、ことこの作品についてはすごく楽しめました。元は3DSのゲームで、それがHDリマスターされていますので、グラフィックも十分美しく、最近のゲームしか知らない層でも十分楽しめるのではないでしょうか。正直キャラクターボイスがない以外の欠点が見当たらないです。
- そんなわけで、昔ながらのRPGが好きな人、群像劇が好きな人、世界にまたがる仲間集めが好きな人にお勧めします。
こっちの関連記事もどうぞ
15:29 | レビュー > ゲーム > その他のゲーム | アライアンスアライブ | (2)