2021-11-07
【ゲーム】DUNGEON ENCOUNTERS レビュー
ゲームをシステムに全振りするとこうなる。
DUNGEON ENCOUNTERS
プラットフォーム | PlayStation®4/Nintendo Switch™/Steam® | |
ジャンル | ダンジョン探索RPG | |
価格 | 3,520円(税込) | |
公式 | DUNGEON ENCOUNTERS | SQUARE ENIX | |
プレイ時間 | 28時間(本編クリア) +2時間(トロコン) |
ストーリー
- 以下の通り。
- あと仲間になるキャラごとにフレーバーテキストがありますけど、それもフレーバー以上の意味はありません。本編ラスボスの直前と直後に挟まる僅かなメッセージを除いて、ストーリーは本当にこれだけです。なんという潔い構造。でもいつも言っているとおり、DRPGでストーリーは飾りです!
- とはいえあまりに飾りっ気がなさ過ぎましたかね。なんとなくダンジョン飯(マンガ)にも似た深い設定があるんじゃないかと思わされるんですけど、与えられる情報があまりに少なすぎて考察しようがありませんでした。もうちょっとヒントが増えるだけでぐっと面白くなる気がします。
システム
- 上記の通りシナリオはありません。目の前にあるダンジョンをひたすら歩いて埋めていき、レベルを上げて地下に潜っていく…の繰り返しです。
- マップはマス目と2桁(16進数)の数字だけで構成されています。白い数字はイベントマスで、DRPGにある拠点も店も、アビリティ(探索時や戦闘時に効果を発揮するスキル)のセットも、全て数字です。
- ダンジョンにある黒い数字は戦闘マスで、このマスに侵入すると戦闘が発生します。基本的に数字が大きいほど敵が強くなっています。数字から、出現する敵もある程度読み取れるようになっています。また敵の配置は階層を移動するたびに変わるので、強い敵が道を塞いでいる場合、階層を移動して出直すか、マス目を飛び越えるアビリティを使ってスキップするか、はたまた戦闘に突入して即逃走するか(逃走しても戦闘マスは消滅する)、色々な戦略を採ることが可能です。
- 迷宮探索中に時折不慮の事故が起こることもありますけど、そのたびに心を折る仕掛けが満載です。なおオートセーブなので、やり直しは出来ません。
- キャラが戦闘不能になった→戦闘中にアビリティを使って回復するか、拠点や迷宮内にある戦闘不能回復ポイントに行くしかありません(回復アイテムはない)。ちなみに死亡したくらいでオタオタしているようでは、この先生き残れません。
- キャラが石化した→迷宮内にある石化回復ポイントに行くしかありません(拠点にすら回復ポイントはない)。ちなみに石化した人間を持ち運べるわけがないので、そのキャラは置いていき、石化回復ポイントから遠隔で回復して、また迎えに行く必要があります。ちなみに石化させる敵の出現の方が、回復ポイント出現より早いです。
- 全滅した→拠点に戻…りません。ウィザードリィよろしく、その場に置き去りです。救出には、新たなパーティを組んで全滅地点まで行き、死体を回収して、戦闘不能状態を回復しなければなりません。ちなみにパーティ編制出来るのは、死体含めて4人までです。あとは分かるな。
- 死体回収パーティも全滅した。→ゲームオーバーです。キャラのレベルのみ引き継いでニューゲームするか、最後に拠点を出た所からやり直してください。言っておきますけど、やり直しってりっても最後の探索パーティが出発した時に巻き戻るだけですよ?
- モルモットに変身させられた→回復手段は地下97階(※全100階)までありません。そこに到達するまではいかなる手段を用いても回復出来ません。戦闘不能にして蘇生すればいいんじゃないかって?モルモット化した人間が死亡したら、モルモットの死体が出来るだけで、それを蘇生してもモルモットが生き返るだけですよね…?ちなみにモルモット化すると攻撃の命中率が著しく下がります。このゲームは敵も味方も高火力で、やられる前にやらないといけないので、モルモットをパーティに入れる余裕はありません。必中攻撃?ソンナモノハナイ。
- 戦闘から弾き飛ばされた→戦闘が終わったら復帰…しません。迷宮のどこか(※探索済みの迷宮のどこかとは言ってない)に飛ばされました。見つけてください。ちなみにこのゲーム、行方不明の特定のキャラを能動的に探す方法はありません(最寄りの行方不明キャラまでの距離だけは分かるが、序盤は行方不明者だらけなので探しようがない)。
- 戦闘中に敵に呑まれた→やはりパーティには戻ってきません。迷宮のどこかにいる同種の敵の胃袋の中にいるので、乱獲してください。運が良ければ出てきて、迷宮のどこかに配置されます。
- 落とし穴に落ちた→同じ座標に床が存在する、最寄りの地下の階に移動します。場合によってはものすごい敵が強い下階層まで落ちることがありますがどうにか頑張って戻ってきてください(このゲームには「拠点に戻る」みたいな機能はありません)。え?地下99階まで床が存在しない座標で落とし穴に落ちた?全員行方不明になるので諦めてください。こんな事態になったということは、おそらく最下層が近かったんだと思いますが、その時点での主力を全員失って大丈夫なんですかね…
- テレポーテーションしたら、テレポーテーション先に床がなかった→このゲームでのテレポーテーションは、転移先の座標を手動入力する方法で行います。そして移動先に床がなかった場合、*いしのなかにいる*…にはなりませんが、やはりパーティは全滅します。でも安心してください、先頭のキャラ1人だけ助かりますから落とし穴よりマシです。あ、落とし穴のところで言い忘れましたけど、行方不明になったキャラの装備ももちろんアイテム袋には戻りませんからね?ちなみにyukkun20もあれだけ慎重にプレイしていたのに、地下00階と地下50階を入力し損ねる凡ミスで一度全滅しています。
- そんなわけで、かなり緊張感のある迷宮探索となりました。
キャラクター
- 先ほど述べたとおりフレーバーテキストくらいしかありません。その他、キャラごとの専用装備とかありますけど、ステータス的には大差ないので、好きなキャラでパーティ組めばいいと思います。ただホクガクだけは専用装備が強過ぎるのでオススメです。
戦闘
- 前述の通り、迷宮の戦闘マスに進入すると戦闘になります。
- 戦闘は、各キャラクターの素早さに基づいて、リアルタイム(コマンド入力中も時間が流れるタイプと、止まるタイプを選択出来る)で敵味方が行動する、お馴染みATBです。それもそのはず、このシステムの考案者である伊藤裕之氏がディレクションしています。
- 敵も味方もステータスは、HP、物理防御、魔法防御、SPDの4つだけです。こちらのHPが全員0になる前に、的のHPを0にすれば勝利です。
- 攻撃には物理攻撃と魔法攻撃があります。物理攻撃は物理防御、魔法攻撃は魔法防御にダメージを与え、それぞれの防御が0になった状態で対応する攻撃を当てると、HPを削ることが出来ます。大抵の敵はどちらかの防御の数値が低くなっていることが多いので、弱点を狙って攻撃しましょう。
- こちらの攻撃力は、武器によって決まります。武器には物理攻撃と魔法攻撃の他に、近接攻撃(飛行している敵に当たらない)と遠隔攻撃(当たる)、単体攻撃と全体攻撃、固定ダメージとランダムダメージ(1~決められた値の中でランダムにダメージが決まる。同レベル帯の固定ダメージ装備の攻撃力よりダメージ上限値が高い)などの種類があり、パーティ内でうまくバランスを取りながら進めましょう。攻撃力1000の固定ダメージ武器を使うか、攻撃力2000のランダムダメージ武器を使うか悩みどころです。
- また各キャラには「装備ポイント」という概念があり、装備ごとに設定された装備ポイントの合計がその値を超えないようにする必要があります。いくら深層から偶然強い武器を手に入れても、低レベルのキャラに持たせて無双…みたいなことは出来ないわけです。
- 状態異常攻撃も豊富ですし、近接武器が当たらない敵、魔法を反射してくる敵、防御をすり抜けて直接HPを攻撃してくる敵など敵の種類も豊富で、デスペナルティが重いこともあってスリリングな戦闘を楽しむことが出来ました。前述の通りこのゲームではエンカウントをコントロール出来るので、出会い頭に強力な敵にぶつかり逃げる暇もないまま死亡、といった理不尽死は少なく、少なくとも自分の選択の結果だと受け入れることが出来るようになっていました。
総評
- 重厚長大な現在のゲームとは真逆を行くゲームデザインで、賛否両論ゲーだと思いますが、はまる人は本当にはまると思います。オートセーブなのでやめ時が見当たらず、また短い時間でも潜れるので、特に中盤までは暇さえあればプレイしていました。中盤からはゲームバランスを無視したプレイも出来るようになり(いきなり深層に潜ってアイテムを集めるなど)、戦闘が安定するとちょっと退屈になりましたが、それでも毎日プレイを続け、結局10日もかからずトロコンしてしまいましたね。
- そんなわけで、DRPGで一番大事なものはシステムである、ということを証明するとんでもないスルメゲーでした。DRPGでマップを埋めないと気が済まないタイプの方にはぜひプレイして頂きたいです。
- 裏技というほどのものではありませんが、PS+に加入するなどセーブデータのオンラインバックアップが取れる環境にある人は、こまめにセーブデータをバックアップしておけば、全滅してもバックアップから復帰させることが出来ますよ。ずるですが。
- 一つだけ苦言を。ゲーム中のイベントで、「数字問題を解き、その解答が示す座標に行くとアイテムが手に入る」というものがあります。…が、その数字問題がひどすぎる。
せめて閃きとか計算とかでなんとかなる問題にしてくれればよかったのに。特に最後の問題、ググることも出来ないし、最初に正解見つけたのは誰なんだよ。本当ありがとうございます。
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