いろいろ毒吐いてますが、yukkun20はRANK99(MAXは100)だし、累計ログイン日数は535日だし、課金も多少はしているので、毒を吐くくらいはお許しください。あと何かと「魔法使いと黒猫のウィズ」(黒ウィズ)と比較してます。
ストーリー
- 罪を犯した人間が「ビジョンオーブ」という装置に投影され、それを見た人々の祈りにより断罪が行われる世界。ダーチア村に暮らす少年カナタは、同じ村で暮らす少女ミゼラにほのかな恋心を抱いていた。そんなある日、カナタは村で尊敬されている自分の父親が、子供たちの人身売買に関わっていることを知ってしまう。その犠牲になろうとしていたミゼラを救うため、カナタは罪を犯し、そんなカナタを救うため、ミゼラもまた罪を犯す。ビジョンオーブによって人々から死を望まれた二人は、断罪を行う「執行者」から逃亡する旅に出るのだった―
- ストーリーは割と好評だったようですが(もっとも、ストーリーが嫌いない人は早々にプレイをやめているので、残っている人はストーリーに好意的な人が多いのだと思いますが)、yukkun20は全く受け入れられませんでした。この世界を支える「ビジョンオーブ」は人々が全員所持しているカメラのようなもので、自分が見たものをビジョンセントラルという街頭テレビのようなものに映し出すことができます。人々はそれを見て、そこで行われている悪事を行っている人に断罪の祈りを捧げることができます。祈りが一定数集まると、その人は咎我人となり、執行者という超常の存在によって断罪されます(この世から消滅する。消滅後どうなっているかは不明)。要するにSNSの炎上をモデルにしてるシステムですね。
- 問題なのは、ビジョンオーブに記録された映像は、改ざんや編集が可能と言うところにあります。そのため無実の人間とか、罪人の親とかが断罪されることもしょっちゅうなのですが、この世界の人々はそのことに対して全く疑問に思わず、それどころか喜んで受け入れている人が大半です。道徳退廃しすぎ。しかも世界観はいわゆる中世なのですが、こんなシステムが存在する世界で王政や貴族制が維持できる訳ないと思うんですけど…(スキャンダルひとつで処刑されると思う)
- 主人公のカナタはそんなビジョンオーブ大好き人間の一人で、悪人は断罪された方がいいといっているくせに、自分が咎我人になると(しかもカナタは冤罪ではなく、現代刑法で言えばふつうに殺人罪が適用される事件の犯人)特に過去について反省することもなくビジョンオーブ否定派になったりして、全然感情移入できませんでした。
- 起こる事件も、そんな人間の醜さを見せつけられるものが多いので気が滅入りますし、それを主人公たちが解決しても「お前がそれを言う資格あるか?」と思ってしまうので(yukkun20の心が狭いからかもしれませんけど)、カタルシスも感じませんでした。しかもメインストーリーは未完である。
- あと月に2度ほどサブイベントが開催されるのですが(主にメインストーリーに登場した歴代キャラの話が多い)、その内容が毒にも薬にもならないものばかりで辟易しました。
システム
このゲームも他のソシャゲと同じくキャラ育成とバトルの2本柱なのですが、そのキャラ育成の手間がかかりすぎて苦痛以外の何物でもないです。育成要素は以下の通り。
完全に育成がすんだキャラ。
レア度SSRのキャラは、最初はレベルの上限が50です。限界突破素材(ストーリークエストクリアでランダム入手。入手自体は簡単だが、このゲームはストーリーのスタミナ消費が多いので、自然回復に頼ると結構集めるのに時間がかかる。全部で41種類)を大量に消費しながらレベル上限を100まで上げる必要があります。後述の真限界突破で上限を120まで上げられるようになるので、最終的にはそこまで上げます。
キャラのレベルを上げるには経験値が必要です。経験値入手にはクエストをクリアしてもいいんですが、クエストクリアで入手できる量は雀の涙ですので、秘薬という経験値加算アイテムに頼ります。秘薬は強化クエストで手に入ります(入手は簡単だがやはりスタミナ消費が多い)。
レベル上限を100まで上げ、レベルも100になると、限界突破ボードが解放され、そこにある28のパネルを獲得していくことで、キャラクターの能力を上昇させることができます。パネル獲得にはさらに大量(それまでの比ではない)の限界突破素材と、クリスタル(全5種。限定マルチバトルで獲得できる)が必要になります。特にクリスタルは後述するマルチバトルで獲得する以外の入手方法がほとんどないため、非常に時間がかかります。
限界突破ボードを全解放すると、真限界突破ボードが解放され、そこにある28のパネルを獲得していくことで、キャラクターの能力をさらに上昇させることができます。パネルは3種類あり、レベル上限を20上げるパネルには霊杯(全18種。高難度の霊杯クエストで獲得できる、1日に3種類しか獲得できない)が、術技のレベル上限を2上げるパネルには心珠(主に期間限定クエストなどで入手できる。かなり希少)が、その他のパネルには崩戒石(全18種。極マルチバトルで獲得できる。ただしこのマルチバトルは1日に3度しか自発では参加できない(他人のマルチバトルに参加する方法もある))が必要になります。
各キャラは通常攻撃のほかに術技を2つ持っており、その術技のレベルを上げることでダメージ係数などを上昇させられます。強化には術技指南書(常設マルチバトルで獲得できる。取得は簡単だが大量に必要)が必要です。
ガチャで同じキャラを獲得することで、キャラを覚醒させ、ステータスを上げたり秘奥義を強化したりすることができます。覚醒には同じキャラか、もしくはその代替となるアウェイクストーンが必要です。ちなみにこのゲームで狙ったキャラを引くのは極めて困難(後述)なので、アウェイクストーン頼みになりますが、これは月1~2個獲得できればいい方です。ちなみに覚醒は1キャラあたり5回できます(要するに同じ石が6個必要)。
上記で集めた素材を使用するには、金(ガルド)が必要ですが、これもすぐ枯渇します。ガルドクエストで稼げますが、消費スタミナの割りに獲得金額が少ないです。これまで一度だけ、大量にガルドを獲得できるクエストが開催されたことがあり、その際に全リソースを費やしてガルド集めに勤しんだので、それ以降ガルド不足に困ることはなくなりましたが、そうしなかった人の運命やいかに…
これで完成です。お疲れ様でした。yukkun20はこのゲームリリース以来毎日欠かさずプレイしています。微課金勢ですが、完全に強化できたキャラは1年半でわずかに2体だけです。
ちなみに黒ウィズの場合、育成要素はいくつかありますけど、普通にプレイしていれば素材はあり余るくらいです。なので育成でストレスを感じることはありません(まあごく初期は別でしたけど)。そもそも育成を楽しむゲームではないのに、キャラクターを使えるようにするために延々面白くもないクエストやマルチバトルを繰り返すのは苦行です。
このゲームのキャラにはSSR、SR、Rの3ランクありますが、SSR(とごく一部のSR)以外は戦力になりません(ダメージ係数の高い秘奥義を打てるのはSSRだけだからです)。ガチャは1回当たり250石(割引等を無視すれば価格は500円)でSSRの排出率は5%です。10連もありますが、SSRの排出率は同じです(SRの排出率が上がるだけ)。無課金でも、1ヶ月で50~80連程度出来る位の石は貯まりますけど、yukkun20は1ヶ月SSRが1枚も出なかったことが2度あります。ちなみに1つのガチャには通常20以上のSSRキャラが入っている闇鍋状態なので、目当てのキャラを引くのは極めて困難です。しかも前述の通りこのゲームには覚醒システムがあるので複数引かないと本当の強さは発揮できない…
ちなみに黒ウィズの場合、最強ランクのキャラの排出率は8%(しかもガチャ毎に3~6種類しかない)で、10連だとこの確率はもうちょびっとだけ上がります。ガチャは1回当たり5石(250円)で、無課金でも1ヶ月で60~80連程度出来る位の石は貯まります。ちなみに40連で1枚最強ランクのキャラ排出が保証されています。キャラは1つあれば十分です(覚醒というシステムはない。ただしごくまれに複数持っていると役立つキャラもある)し、同じキャラを3つ集めると別の同ランクのキャラと交換できる(交換先は指定できずランダムですが)のでムダも出にくいです。
全国のプレイヤーと協力して、強大な敵を倒すというマルチバトルが存在します。前述の通り、キャラ育成の素材を集めるには避けては通れません。ただしマルチバトルは、敵を倒した時点で、それまでに与えたダメージの多い順に報酬が配分される(とはいえ1位と2位以外の報酬は極めて少ない)ため、弱いプレイヤー(=これから育成を頑張らないといけないプレイヤー)ほど素材を集めにくいといういびつな形になっています。このゲームで一番ダメージを稼げるのは、敵を気絶させて(気絶状態だと攻撃が確定クリティカル)ダメージ係数の高い技を当てることなのですが、初心者だとこの状態に持って行くまで3ターンくらいかかります。しかし特定のキャラがいると、1ターンでこの状況まで持って行けるので、そもそも初心者と上級者では勝負にすらなりません。この結果、途中から参入したプレイヤーは相当苦労したのではないかと思います。
ちなみにマルチバトルでは「戦貨」というアイテムが手に入り、それ自体を貴重なアイテムと交換することができるのですが、1日に手に入る上限が決まっている(しかもすぐ上限に達する)など、マルチバトルをやらせたいのかどうかよく分からない仕様になっています。
全国のプレイヤーが登録したパーティと戦える「闘技場」があります。闘技場にはランクがあり、勝利することでポイントを集めランクを上げると役立つアイテムがもらえたりします。ただし1週間で40回挑戦し、かつ70%以上の勝率をキープしないと降格されます(両方の条件を満たすと1ランク昇格)。闘技場には闘技場用のスタミナが別に存在し,1回挑戦すると1消費するのですが、このスタミナの上限は5です。つまり1日に1回しかログインしない人だと、40回挑戦の条件はクリアできないという微妙に不親切な仕様になっています。
yukkun20はもうずっとSSSランク(最上位)なのですが、昔はオートでもふつうにこの条件は達成できたので、寝る前とか暇なときに闘技場を起動して放っておけばよかったんです。でもいまは手動でないとほぼ勝てないので、勝率を維持するには毎日ちまちまプレイする必要があります。めんどくさい…。
アーチェさんを入れているyukkun20に出会ったら優しくしてください
全国のプレイヤーとコミュニティを作れるギルドというシステムがあります。単なるコミュニティスペースではなく、ギルドにアイテムやガルドを寄付することで、プレイヤーの役に立つサポートがもらえます。ギルド加入は任意ですが、サポートは唯一無二のものがほとんどなので、ギルドに入らないメリットはありません。ただしサポートを発動するにはギルドに高額のガルドが必要で、これは一人のプレイヤーではとても集められない額なので、ギルドメンバーが高い意識を持ってギルドを維持しないといけません。ギルド人数には上限がありますし…。なお発動するサポートはギルドマスター(ギルドを立ち上げた人)しか選択できないので、ギルドの選択を誤るとどうしようもないし、かといってマスターになろうとしてギルドを立ち上げると、メンバーの管理に時間をとられるし…(ギルド活動に貢献していないメンバーをクビにしなければならない)。
1人1日5万ガルドが寄付上限なのに、サポートは数千万単位で必要
当初このゲームは敵を気絶させて確定クリティカル状態にし、そのターンに秘奥義を全員で当ててダメージを稼ぐのが基本戦術でした。敵を気絶させられるのは3T目であることが多かったため、3T目に秘奥義を打てるかどうかが、強キャラかどうかの分かれ目になっていました(秘奥義を打てるサイクルはキャラによって違う。3T目に控えめ威力の秘奥義を打てる方が,4T目に高威力秘奥義を打てるキャラより使いやすい)。ごく初期に実装されたバルバトスは、秘奥義のダメージ倍率は高いものの、秘奥義を撃つまでかなりターン数を要していたので、一応バランスは維持されていました。
しかし真限界突破ボードが実装されたとき、バルバトスは弱体状態の敵を攻撃するとダメージが200%アップするという個性が与えられてしまいました。このゲームでは弱体を与えるのは簡単で、かつ状態異常抵抗を持っている敵は少なかったため、バルバトス無双になってしまいました。このゲームには6属性の相克関係があったのですが、バルバトスは闇属性(光属性に2倍ダメージ、その他の属性には等倍ダメージ)で与ダメージ半減属性がなかったため、「もうバルバトスだけでいいんじゃないか」時代がかなり長く続きました。
さらに1周年で、主人公5人の新キャラが実装されました。このゲームで高いダメージをたたき出すには、「高コンボを決めて」「バフ・デバフをかけ」「クリティカルを出せる状態で」「ダメージ係数の高い技を当てる」必要があるのですが、
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- 初手から33HITという異常なコンボ数をたたき出す新ミゼラ
- 初手から敵全体の防御力を44%も落とした上に弱体を付与できる新ヴィシャス
- 初手から敵を睡眠状態(睡眠中は次の攻撃が確定クリティカル)にできる新ユナ
- 初手からダメージ倍率が高い術技を撃てる上に弱体の敵へのダメージが120%増加する新カナタ
の4人の組み合わせが強すぎて、それまでのキャラをすべて地平線の彼方に置き去りにしてしまいました(カナタだけにな!)どれくらいかというと、ダメージの桁が2桁上がったくらいのバランス崩壊でした。カナタは火属性(地属性に2倍ダメージ、水属性に半減ダメージ、その他の属性には等倍ダメージ)なのですが、ダメージが2桁も違うならやっぱりカナタだけでいいわけで、これ以降、この4人を持っているかどうかで完全にプレイヤーが二極化してしまいました。
この結果、
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- マルチバトルではこの4人がいないと勝負にならない
- 闘技場ではカナタがいないと安定して勝てない
- カナタたちがいるとガチャを引く意味がない(それ以降のガチャでもカナタたちより弱いキャラしか排出されないため)
- ほぼすべてのイベントがカナタたちに蹂躙され、カナタたちで突破できないようなイベントは普通のプレイヤーには到底突破できない
のように、ゲームバランスが崩壊してしまいました。正直これがサ終の一番大きな原因になった気がします。
- その他について
- リリース直後から致命的なバグが極めて多く、しかも全然改善されない。ちなみに現在でも「不具合一覧」には20個の不具合が記載されていて、そこに記載されていない不具合もたくさんあります。
- 期限が過ぎると使い道のなくなるアイテムの交換期限を知らせてくれない(黒ウィズは大体告知が流れる)
- キャラのインフレが進みすぎて、常設ガチャ(初期キャラしかいない)の存在意義がない(黒ウィズは定期的に常設ガチャの入れ替えをしている)
- 100キャラ強がプレイアブルキャラとして実装されているが、1人も実装されていないタイトルがあるのに、同一キャラで3パターン実装されているキャラもいるなど格差が大きい
- マルチバトルのスタミナは基本的に3ずつか6ずつ消費するのに、上限が10(3の倍数になってない)
- ゲームから問い合わせ画面を開いても、問い合わせ画面にたどり着けない(いまは改善されています)
- Google Playのプレイ実績が条件を満たしているにもかかわらず獲得できない
- 四属性の相克関係が、地水火風ではなく火地風水
キャラクター
- 主人公たちに感情移入できませんでした。
- カナタはストーリー序盤で大きな罪を犯すのですが、若干同情できる状況だったとはいえ、やむを得ないような状況ではなく、すごく短絡的な行動をしてしまった感が否めません。それなのにその罪と向き合おうとする姿勢が足りなかった気がします(その後も基本的に物事を物理力で解決していますし)。それでいて性格はナチュラルに上から目線で(そもそも罪を悔いているなら上から目線にはならないはずなのですが…ルーク参照)、歴代キャラとの関わり合い方もイラッとすることが多かったです。
- ヒロインのミゼラはカナタ至上主義で、カナタが言うなら何でも正しい路線です。ミゼラはカナタよりさらに罪が重い(カナタを救うため、結果的に罪のない子供を殺している)のに、これって反省してないってことだよな…
- この二人を導くのが、作中世界では「咎我鬼」として恐れられているヴィシャスです。ヴィシャスは世の中の人の反応などどこ吹く風、自分のやりたいようにやるというキャラなのですが、前述の通り世の中の人々の道徳が退廃しているのもあって、むしろヴィシャスが一番感情移入できるキャラでしたよ。
- 敵はほぼ全員サイコパスですが、主人公パーティがこんなメンツだから、そりゃサイコパスでもあてがわないと敵役にならないんだろうなぁ…という感じ。しかもその裏事情が全く描かれないうちに終わってしまったので、すごくモヤモヤします。
総評
- あれだけリリースが延期したのに、できあがったのがこれだったので、最初から不安いっぱいでプレイしてました。とはいえ黒ウィズもリリース直後はいろいろだめな部分もありましたし、すぐに見限るのはよくないと思ってたんですが、半年を過ぎたあたりからずっと「早くサ終すればいいのに」と思ってプレイしていました(yukkun20はゲームを自分からは投げ出せない性格なのです)。
- このソシャゲがあふれ、プレイ時間の取り合いになってきている時代に、ひたすら単調なクエストとバトルを鬼のように繰り返さないといけないゲームデザインが本気でウケると思ったんですかね…。しかもキャラ育成にものすごく時間がかかるのに、キャラのインフレスピードが早いと、育成が終わる頃にはこのキャラは時代遅れになっているのではないかと考えて、そもそも育成しようという気すら起きません。(ちなみに黒ウィズもインフレスピードは速いですが、育成に時間がかかりませんし、過去キャラにも時折てこ入れがなされるのでそういう問題は感じません。ちょっとでもいいと思ったキャラはとりあえず育成しておけばいいという気楽さがあります)
- ただ毒を吐くだけではなんなので、一応よかった点も上げておきます。ゲーム本体とは関係ない部分ばかりですが…
- キャラクターのモデリングやアクションはよく出来ている。過去の3Dモデルと比べてもかなりいい出来。秘奥義演出もしゃれている
- オープニングムービーのクオリティが高い
- アーチェ・リリス・リタのyukkun20的テイルズ3大ヒロインがSSRで実装されている
- SSRキャラクターイラストのクオリティが高い
- キャラクターや作品紹介が充実
※自称w
- というわけで、時折やばい作品のあるテイルズオブシリーズのなかでも、群を抜いてだめなゲームだったと思います。
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