2013-01-06
なんで今さら1年半前の本をレビューなのだという声が聞こえてくるような気がしますが、仕方ないだろ昨日読み終わったんだから。TOファンブックのレビューです。B5版224ページ。
TACTICS OGRE LOVER’S VOICE タクティクスオウガ 運命の輪 ファンブック
- コラボレーションイラスト
総勢11名の作家によるコラボイラスト。このサイト的に言えば、シュタゲのキャラデザhuke氏、狼と香辛料の絵師文倉十氏あたりがポイントでしょうか。
huke氏は「タコに追われながらたこ焼きを食べるデネブ」と「ニバスと愉快な仲間たち」、文倉氏は「バルマムッサでヴァイスと決別するデニム(Lルート)」と「ゼノビアご一行」のイラストでした。
- ストーリープレイバック
この本のメインと言ってもいいコンテンツ。書くルートごとに、あらすじ、主要登場人物の動き、勢力図、簡単な登場人物紹介(基本的に固有名ありのキャラはほぼ全て網羅)はもちろん、戦闘中に条件を満たすと見られる戦闘会話を全文掲載。(ちっ、個人的にメモを取っていたのに…)
これを読むだけでメインストーリーを理解できるので、すっかり記憶から抜け落ちていたあんな場面やこんな場面が懐かしく甦ります。
- キャラクターガイド
登場人物(固有名ありのキャラ)についての人物紹介。簡単な人物紹介のほかに、仲間になるキャラについては負傷、死亡、除名、離脱時などの一言コメントも記載。
デニム、カチュア、ヴァイスについてはそれぞれ2ページ、仲間キャラのうち主要な人物は1/2ページ、その他の仲間は1/4ページ、敵キャラのうち主要な人物は1/3ページ、その他の敵は1/8~1/16ページずつとなっています。
- ラバーズボイス
業界関係者やファンからのコメントもありますが、なんといってもファンからの質問に開発者チームが答えるコーナーがすばらしい。「カノープスの方についているモフモフは自分の毛を集めて作った飾り」「ハボリムとオズマは政略結婚」「Lルートでシスティーナはケガしたか死んだかしている」「デニムとヴァイスはジーンズのデニムとリーバイスに由来」など、裏話満載です。
- 設定用語集
人物、地名、ウォーレンレポートニュースなどの用語集。テイルズのようなネタではなく割と真面目。
- スペシャル
松野泰己×宮部みゆき×米沢穂信の特別鼎談、オリジナル版の企画概要書、コラム(「若きセリエがヴァレリア解放戦線を指揮できた理由を考察してみる」「タインマウスの丘で殺戮王グアチャロと出会うわけは?」など独自研究が豊富)など。
という感じで、非常にいい出来でした。
あえて文句があるとすれば、
- カーテンコール、死者の迷宮についての言及がほとんどない
- キャラクターガイドの人物紹介がやや薄い
というところでしょうか。まだAmazonにもあるみたいなので、ファンの方はぜひどうぞ。
2013-01-05
ナディアな人々を更新しました。塩沢ボイスを堪能できる回です。
ナディアな人々:第37回 ネオ皇帝
いよいよあと2回で終わりです。次回は空中戦艦どうしの熱い戦闘シーンが見物ですよ。
2013-01-03
電車に乗っている途中に読んだこの小説のレビュー。…これも買ったのは去年なんだからねっ!
Steins;Gate 変移空間のオクテット①
著者:明時士栄
レーベル:富士見ドラゴンブック
あらすじ
本編終了後、岡部倫太郎がたどり着いた世界線「シュタインズゲート」の世界。ある時岡部はリーディングシュタイナーの発動を感知する。それと共に届く1通のメール。それは15年後の自分から届いたDメールだった。この時代でナイトハルトなる人物がIBN5100を入手したことにより、世界中の基幹産業が「萌え」にすり替わったことで世界恐慌が発生し、未来は悲劇的な状況になっているらしい。それを阻止するため、未来の岡部はIBN5100の入手を指示してきたのだ。しかしこの世界線は、これまでのどの世界線とも違う、狂気と理不尽の支配する世界だった。
果たして岡部はIBN5100を手に入れることが出来るのか。そしてナイトハルトは何をしようとしているのか。
感想
通称シュタゲ8bitこと変移空間のオクテットのノベライズです。これがノベライズとかどんな判断だ。と思って読み始めましたけど、なかなか面白かったです。
この小説は1巻ということになっていますが、ゲーム中のシナリオはほぼ全て網羅されています。ただラストシーンのみが変更されていて(岡部がIBN5100を入手する直前、世界線の変動が再び起こり、「機関」によって世界恐慌が発生する世界線へ迷い込んでしまう)、次巻に続く、となっていました。
作者の方はこれがデビュー作のようですけど、癖のない文章で読みやすかったです。ただ芝村節や森岡節に調教されている身としてはちょっとあっさり風味の気もしましたが。なお「光学迷彩ライト」「橋を塞ぐ黒騎士」「特定のアイテムがないと開かない扉」などのゲーム的ギミックをそのまま現実に落とし込んでいるせいで、かなりカオスな展開になっているのが笑えました。あと岡部の空回り感も絶好調で、台詞を脳内再生できるとより楽しめます。
ラボメン達の出番はやや少なめ(特にルカ子とダル)ですが、助手は相変わらずチョロい子です。
「橋田やまゆりだっているのに、どうして私に助けを求めてきたの?」
「それは…」(中略)これは返答を間違えると確実に地雷だぞ……答えは慎重に選ばねば。
「それはお前が、俺の助手だからだ!」
「……はぁ」
まずい、ため息をつかれた! ちぃ、答えを間違ったか?
「い、いや! つまりだな、俺が頼れるのは、いつだってお前だということだ! どんなときでも俺を支えてくれるのは、紅莉栖、お前しかいないと思っている……!」
「えっ」(中略)「あ、そ、そうなの? ふ~ん。それはこ、光栄というか……悪い気は、しないわねっ」
※179~180ページより引用
2013-01-02
舌の根も乾かぬうちに小説感想ですが、これ去年買ってた本だからセーフだよね。
この空のまもり
著者:芝村裕吏
レーベル:ハヤカワ文庫
あらすじ
今から少しだけ先の未来。AR(拡張現実。作中では「強化現実」と呼ばれる)が普及すると共に、不適切な情報を表示した「悪性タグ」が問題となっている時代。日本政府はこれに対して有効な対策を取らず、国を憂えた若者達は自警組織として「架空政府」「架空軍」をつくり出した。
主人公田中翼は、現実世界ではニートであるが、架空防衛大臣の職を預かっている。現在架空政府は、架空軍に所属する人々を動員して、日本中の悪性タグを(ハッキングによって)除去する、という一大作戦を実行。作戦は成功し、国民からの支持も上々だった。しかしやがてその動きは暴走を始め、外国人を排斥しようとする暴動へと発展してしまう。
責任を感じる翼。翼が信頼を置く老婆バーセイバー。小学生ながら架空軍に身を置く翔とその母美都子。翼の秘書の棘棗。近所に住む大学生の三浦。そして翼の幼なじみの七海。立場も年齢も違う登場人物達が、暴動をなんとかしようと動き出す。
感想
面白かったです。世界設定はロボノと非常に似ていますね。ロボノをプレイした時にも、タグの管理って誰がどうやってしてるんだろうとか、バーチャル上の落書問題はどうしてるんだろうということを思っていたんですけど、そういうARの負の側面をリアルに描いています。
登場人物は主にバーチャル上のキャラクターとして描かれていると共に、実際の世界で生活している様子もきちんと描かれていて、それがどうつながっているのかが徐々に明かされていくところがスピード感があってよかったです。そして最後に問題を解決した手段も、なかなか考えさせられる(それでいて現実離れしていない)もので感心しました。
また「本当の愛国心とは何か」という昨今注目されているテーマを扱った作品でもあります。
愛国心は……誰かを傷つけなくても存在を証明できる。
真なる日本とやらは、折目正しく助け合う秩序だったいつもの我々であることを。
※286ページより引用
芝村氏の作品も色々読んでいますが、その中でもかなり楽しめた小説でした。
ところで最後に登場した、「新田良太という日本人傭兵」ってもしかするとマージナル・オペレーションに登場したアラタのことですかね。ファンサービス…というかミスリーディングかな。
2012-12-31
※前編はこちら。
それでは6~10本目の紹介。
サモンナイト2
- プラットフォーム:PS(ゲームアーカイブス)
- メーカー:バンプレスト(現:バンダイナムコゲームス)
- ジャンル:ファンタジックシミュレーションRPG
- 公式:サモンナイト・サモンナイト2 | サモンナイト オフィシャル ウェブサイト
- プレイ期間:8月~9月
- 総評:★★★★☆
- コメント:おなじくプレイ日記を書かせていただきました。やっぱり2はストーリーがいいなぁ。ハサハとパッフェルという2大素敵キャラもいますし。ゆかなさんありがとう。飯塚先生ありがとう。そして今は亡きフライトプランさんありがとう。
サモンナイト3
- プラットフォーム:PSP
- メーカー:バンダイナムコゲームス
- ジャンル:ファンタジックシミュレーションRPG
- 公式:サモンナイト3│バンダイナムコゲームス公式サイト
- プレイ期間:10月~12月
- 総評:★★★★★
- コメント:プレイ日記やってます。PS2版のリメイクですが、バランス調整とスキルシステムと傀儡ユニットの導入で、好きなキャラをトコトンまで愛してあげることが出来たのは、SRPGとして素晴らしいことだと思います。シリーズに対する愛がさらに強まりました。しかも5が発売予定とか…何年も待ってて良かった。いやほんとマジで。
テイルズ オブ エクシリア2
- プラットフォーム:PS3
- メーカー:バンダイナムコゲームス
- ジャンル:選択が未来を紡ぐRPG
- 公式:Tales Of Xillia2 テイルズ オブ エクシリア2 | バンダイナムコゲームス公式サイト
- プレイ日記:11月~(現在1週目)
- 総評:★★★★★+?
- コメント:プレイ日記やってます。スクリーンショット機能ってすばらしいよね。キャラが多くなりすぎたので散漫になるかと思っていましたけど、章立てで章ごとにパーティキャラが変わったり、キャラクターエピソードで各キャラの背景が掘り下げられたりとストーリーはよくできていると思います。前作の不満点はほとんどストーリー上のものに集中していたので、今作はかなりお薦めできるものになっています。とはいえ前作やってからじゃないとおもしろさはわかりませんけど。
ペルソナ4 ザ・ゴールデン
- プラットフォーム:PSV
- メーカー:アトラス
- ジャンル:RPG
- 公式:ペルソナ4 ザ・ゴールデン
- プレイ期間:11月~(現在1週目終了)
- 総評:★★★★★+★★★
- コメント:全くこのサイトでは取り上げていませんでしたが、実はプレイしていました。あちこちでPSVを持っているならプレイして損はないとのことでしたので…ペルソナシリーズは初プレイでしたが、メチャクチャ面白かった。ストーリーにここまで引き込まれたゲームは初めてといってもいいかも。キャラクター達も一人一人が魅力的で、あっという間に世界観に引き込まれました。主人公が喋らない系なのに、仲間達のリーダーにふさわしい存在感を示せていたのも、シナリオライターさんが非凡な方なんだろうなぁと思わせるに十分でした。音楽もいいし、難易度も絶妙。本当プレイして損はない作品でした。ファンタジーじゃないのにここまで面白かったゲームはないと思う。マジオススメということで★は8つです。
サモンナイト4
- プラットフォーム:PSP
- メーカー:バンダイナムコゲームス
- ジャンル:ファンタジックシミュレーションRPG
- 公式:サモンナイト4│バンダイナムコゲームス公式サイト
- プレイ期間:12月~(現在1週目)
- 総評:★★★★★
- コメント:プレイ日記やってます。すばらしいシステムを構築した3と同じシステムで作って面白くないわけないよね。3で登場した傀儡キャラが使えて、しかも4のキャラと戦闘会話が発生するとか泣かせすぎ。しかしこうやって間断なくサモンナイトシリーズをプレイしているのに、全く飽きが来ないのはなぜなんだ。
総評
- 去年は9本だったので、プレイ本数はほぼ例年通りです。
- 今年は当たり年でしたね。特にこれまで何年も言い続けていたサモンナイトシリーズの新作が発表されて、過去作も神リメイクされたことはまさに大ニュースでした。
- 10本中7本がバンナム作品でした。バンナムというメーカー自体が好きなわけではないんですけど、テイルズとサモンナイト握られてるからな…でも最近はあまり変な商売はしていないのでちょっと見直しています。
- ベスト3は、アーシャ、SN3、P4Gでいいと思います。
- 来年はTOH-R、延期されまくっている魔女と百騎兵、SN5が楽しみです。
今年の更新はこれでお終いです。また来年もよろしくお願いします。
2012-12-29
ナディアな人々を更新しました。宇宙戦艦ヤマトN-ノーチラス発進!
ナディアな人々:第36回 万能戦艦N-ノーチラス号
個人的にはエレクトラさんのスペースコスは不評。
※ゲーム一言日記
- サモンナイト4…第8話更新。ポムニットさん関係が盛り上がって参りました。
- エクシリア2…Chapter14更新。ミュゼは何萌えを狙っているのか。
2012-12-28
というわけで毎年恒例の年間ゲームレビューです。僕がこの1年でプレイしたゲームの感想を総括します。今年の対象ゲームは10本です。今日は1~5本目。
去年までのゲームレビューはこちらからどうぞ→2011年/2010年/2009年/2008年
テイルズ オブ ザ ヒーローズ ツインブレイヴ
テイルズ オブ イノセンス R
- プラットフォーム:PSV
- メーカー:バンダイナムコゲームス
- ジャンル:RPG
- 公式:テイルズ オブ イノセンス R | バンダイナムコゲームス公式サイト
- プレイ期間:4月~10月
- 総評:★★★★☆
- コメント:10/18の日記に書いたとおり。なりダンXが微妙リメイクだったことからちょっと心配していましたが、思った以上の出来でした。ストーリーやキャラクターにも感情移入しやすく、やり込み要素も満載で、PSVでじっくりRPGをプレイしたい人にはいいと思います。TOH-Rにも期待。
ROBOTICS;NOTES
アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~
- プラットフォーム:PS3
- メーカー:ガスト
- ジャンル:旧約錬金術RPG
- 公式:アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~
- プレイ期間:7月~10月
- 総評:★★★★★
- コメント:7/24の日記をどうぞ。今年一番のほのぼのゲー。あとキャラ萌えから最近遠ざかっていた僕に昔の心を取り戻させてくれました。ウィルベルさんまじパヤパヤ。ライトファンタジーはこうあるべき。続編も楽しみだけどトトリも買おうかな。
サモンナイト
- プラットフォーム:PS(ゲームアーカイブス)
- メーカー:バンプレスト(現:バンダイナムコゲームス)
- ジャンル:ファンタジックシミュレーションRPG
- 公式:サモンナイト・サモンナイト2 | サモンナイト オフィシャル ウェブサイト
- プレイ期間:7月~8月
- 総評:★★★★☆
- コメント:プレイ日記を書くくらいの名作。DS版なんてなかったんや!12年前のゲームなのに、今でも十分プレイに耐えます。ライトファンタジーとSRPGが好きなら、このシリーズはプレイすべきです。PS版はちょっと…と思う方は、PSPで絶賛発売中の3からプレイすればいいんじゃないかな。
後編は大晦日の予定です。
2012-12-27
なんか随分長いことレビューを書いてなかったような気がするなぁ。というわけで「Steins;Gate 哀心迷図のバベル 1」の感想です。一応本編のネタバレがあるのでたたみます。
続きを読む(ネタバレ注意) »
あらすじ
世界線変動率0.571046。2010年8月12日。タイムリープマシンはついに完成した。紅莉栖は人体実験を行うか岡部に尋ねるが、岡部は実験はせず、マシンは公表してしかるべき機関に託そうと言う。それが自分の父親との関係を配慮していってくれた言葉であることに気づき、ちょっと嬉しい紅莉栖。しかし、岡部は掛かってきた携帯電話を受けた途端様子が一変、それがタイムリープによるものであることに気づいた紅莉栖と橋田は岡部と協力し、その原因となった最初のDメールを抹消する直前までこぎ着ける。
しかし、岡部はまゆりを救うことが紅莉栖を見殺しにすることに気づいてしまう。そのことを聞かされ、放心状態で街をさまよう紅莉栖。そこで出会ったフェイリスという少女は、若き日の自分の父親と、紅莉栖の父親が会話しているテープを聞かせてくれた。タイムマシンに並々ならぬ情熱を持って取り組んでいた父を否定したことが、父を怒らせた原因だったことを知った紅莉栖はとにかく謝罪しようと父の携帯電話にかけるが、父親からは罵られただけだった。
感想
同名のドラマCDαのコミカライズですね。わりと忠実にコミカライズされています。絵もかわいく、シリアスな場面での繊細なタッチと、コミカルな場面でのデフォルメキャラがうまく使い分けられていて個人的には好みでした。この人コマ割とか絵の構図とか上手だし、これからどんどん評価されるといいなぁ。どんな絵柄なのか気になった人は、ウルジャンを立ち読みするか、作者様のブログを見たらいいんじゃないかな。
ただある程度ゲームを知らないと、ストーリーはチンプンカンプンだと思います。というより本編ゲームのネタバレが満載すぎるので、本編プレイする予定のある人は決して読まないように。
てっきり2巻くらいで完結するのかと思ってましたが、どうも3巻辺りまで続く長編のようです。これからも楽しみにしています。
ちなみに、萌郁とルカ子は巻末おまけ漫画にしか出て来ないのであしからず。鈴羽?出ていると言えば出ている、出てないと言えば出てない。
« 続きを隠す
2012-12-22
ナディアな人々を更新しました。ただの説明回なのにこのクオリティ。
ナディアな人々:第35回 ブルーウォーターの秘密
結局エレクトラさんはアトランティス人の末裔じゃないって事でいいんですよね。
※ゲーム一言日記
2012-12-15
ナディアな人々を更新しました。久々にナディアのキャラソン聞いたら時代を感じた。
ナディアな人々:第34回 いとしのナディア♥
手抜きっぽいけど、意外と編集に手間が掛かっている…ような気がする。
※ゲーム一言日記
- サモンナイト3…ユニット感想を一部追加。そろそろ記憶が薄れてきたから急がないと。
- サモンナイト4…第4話/第5話更新。今回SP稼ぎが難しいなぁ。
- エクシリア2…Chapter13更新。ヒロインが離脱してしまいました。いつ戻ってくるの-!