2012-11-08
今年もキノの旅のシーズンがやってきましたね。毎年こうやってコンスタントに作品が出せるのはすごいなぁ。
今回も若干のネタバレ感想です。
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今回はキノがメインの「転がっている国」「死人達の国」「飲酒運転の国」「血液型の国」「恋文の国」,シズがメインの「育てる国」,フォトがメインの「見えない真実」「残されたもの」,キノ・師匠・シズが登場する「昼と夜がある国」の9編でした。
今回はいつにもまして風刺的な話が多かったですね。一番面白かったのは,国を捨てた男性が故郷に向けて送った恋文を巡る騒動を描いた「恋文の国」でした。最近ネットでもこういう話を見るけど,結局一番恐ろしいのは死んだ人じゃなくて今生きている人だということですね。
あと「死人達の国」は話自体が結構ホラーだったけど,むしろエルメスの方が怖かった。そういえばあまりに異常すぎて逆にスルーしてたんですけど,エルメスっていったい何者なんでしょうか。なんでモトラドなのにしゃべれるのか,確かなんの説明もされてないですよね?
それからまさか再登場すると思わなかったフォトの話。「見えない真実」は時雨沢先生らしい話でよかった。登場人物達がみんな他の人のことを大事に考えていて,お互いが幸福になろうと懸命に努力していて,そして奇跡は起きなかったけどみんなが少し幸せにになれた,そんな話。「残されたもの」もストレートに写真の持つ力を描いたいい話でした。思い出を形にすべき時というのはあるんですよね。
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2012-11-02
マージナル・オペレーションの最新巻を購入しました。同作者の「ガン・ブラッド・デイズ」も購入してますがまだ読めていません。榊ガンパレは読んだんですけどまだ感想書けていません。すべてサモンナイト3が面白すぎるのが悪い。
今回もネタバレあり。
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あらすじ
アラタは中央アジアで生死を共にした子供達を引き連れて、日本にやってきた。これからどうやって子供たちを世話していこうかと思案していたが、空港でいきなり通り魔事件に巻き込まれる。そこで出会った政府機関の一員を名乗る「イトウさん」は、アラタたちに、とある宗教組織の教祖の護衛を依頼する。日本という国の枠組みの中で、懐かしい戦場に身を投じるアラタたち。不幸な行き違いから武装組織や宗教組織の過激派と全面戦争になってしまう。戦いに決着を付けるためにアラタが選んだ方法とは。ジブリールの淡い恋心の行方は、そして日本にやってきたかつての同僚・エルフ耳のソフィアがアラタに迫る(恋愛的な意味で)!
感想
今回はわりとアクションメインでしたね。でもアラタ視点なので、戦争はあくまで手段に過ぎないこと、そして始め方より終わらせ方が大事だというところが結構丁寧に描かれています。あと日本で軍事組織が活躍する余地があるのかという部分もなかなかにリアルに描かれていて面白かったです。
キャラクター的に言えばやっぱり正ヒロインのジブリール(表紙の少女)は可愛いですね。今回は浴衣イラストもあったりとかなり優遇されています。 ソフィアもエルフ耳なんだからもっと耳出せばいいのに。
その他
03巻は2013年2月発売予定とのこと。予告を見ると、裏切り者が登場してそのせいで人が死にそうな感じ…これまではなんだかんだで主人公サイドは人が死ななかったんですけど…次巻も気になります。
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2012-10-22
ようやく比翼連理のアンダーリン3巻の感想が書けました。読んだのは旅行中だから…1ヶ月前か。なんで時間がかかったかというと、非常に難しい解釈の終わり方だったので、考察サイトとかを見ていたからです。結局よく分からなかったので遅れたくせに見切り発車状態です。
表紙は見ての通りフェイリス。オカリン辺りかと思ってたけど意外でした。やっぱりhuke先生はフェイリスを集合イラストからハブハブしたことを後悔しているのだろうか。
なお帯は「フェイリスのスク水が世界を救う!?」ですけど、例によって帯詐欺です。
以下ネタバレ感想。
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- intermission*4
復讐のためタイムリープを繰り返す綯に、鳳凰院凶真が語るタイムリーパーの末路。
- chapter11
何度目かの8月9日。鈴羽は自分の正体を明かし、タイムトラベラーの可能性がある人物としてまゆりの名前を挙げる。ダルと紅莉栖はそれに疑問を抱くことなく、3人にしか分からない会話を始め、疎外感を感じるオカリン。
- chapter12
8月14日についに待望のプールイベント。こちらはほぼ原作通り。ダルニャンシールドも健在。
- chapter13
8月14日、萌郁がまゆりにモデルのアルバイトを打診。迷うまゆり。
- intermission*5
紅莉栖が語るタイムリープの根本的な問題点と、タイムリープマシンが壊れた時のリーディング・シュタイナーに関する考察。
- chapter14
8月16日。結局まゆりはオカリンに黙ってモデルの件を承諾。
- chapter15
まゆりのモデルイベントでまゆしぃ大勝利。
- chapter16
まゆりEND。ラボに帰って来たまゆりと紅莉栖は「よかったわね、まゆり」「次は紅莉栖ちゃんの番だよ」とまたもやよく分からない会話。紅莉栖は「自分は今後絶対にタイムリープしない」と言い残し、オカリンをタイムリープさせる。
- intermission*6
綯はついにタイムリープマシンを破壊。それにはどういう意味があるのか…
- chapter00
原作ゲーム(比翼恋理ではなく本編)の冒頭の場面につながる。
というわけで何だか完全に伏線投げっぱなしで終わりました。別に打ち切られたとかでもなさそうですし、当初からこれを想定して作ってたんだろうなぁ。でもなにか釈然としないものが。
結局ダル、紅莉栖、鈴羽達は何者だったんでしょうか。
僕はこの物語を文字通り本編前のストーリーと解釈しました。オカリンがタイムリープでリーディング・シュタイナーを失ってから、それを取り戻すまでの物語。ただそう考えてもよく分からない伏線が山ほどあるんですが。
作者の頭の中では全ての謎は矛盾なくつながっているのでしょうか。公式の解説本が欲しいところです。なんとなくこういう終わり方は残念。その他の部分は面白かっただけに、普通にノベライズしても良かったのではと思ってしまう。
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2012-10-05
メグとセロンの4巻感想です。今のところ読んでいるのはこの巻までなので、5巻以降の感想は少し先になるかも知れません。5巻は買ってるんですけどね。
※ゲーム一言日記
- サモンナイト3:プレイ日記第1話~第2話を追加しました。とりあえず1回でブレイブ条件を全部満たせたので一安心。
- アーシャのアトリエ:2年目に突入。ストーリーは光花の精油を錬金したあたり。攻略本片手にひたすらイベントを回収しています。
- イノセンスR:3週目メインシナリオクリア。クリア時のレベルは90前後。現在闘技場で称号回収中。
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あらすじ
写真部合宿を名目に、高級別荘地エアコ村にあるジェニーの別荘に集まった6人。ジェニーははりきってカメラの使い方を5人に伝授し、6人は3組に分かれて撮影に出かけることになった。友人達の計らいでメグと組むことになったセロンは無表情ながら浮かれる。しかしその途中、昨晩不審な事故があったことを聞いた一同。そしてその日の夜、今度は別荘の前で一人の少年が殺害される。エアコ村の不良集団の対立によるものかと思われた一連の事件だが、村にやってきたハートネットが、連続殺人犯が村に潜伏しているという情報をもたらしたことで、自体は急転直下することに―
レビュー
今回はこれまでと比べると話が大きくなっているような気がしますが、別に推理ものでも謎解きものでもなく、あくまでキャラクター達の合宿を見て楽しむのがメインです。登場人物もさほど多くないので犯人は容易に想像が付きますし。
そんなことより今回は髪を下ろしたメグミカさんですよ!イラストにも☆が飛んでますよ!そりゃセロンじゃなくても2階のベランダから飛び降りそうになるよ。
セロン「み、み、み、見たか? 髪を下ろしたメグミカさんは世界最強だぞ!」
ラリー「ああ。ちょっとだけ見たよ。合宿ならでは、だな」(中略)
セロン「俺は、もう、死んでもいい」
ラリー「まあ急くな」
(84ページより引用)
と内心はこんな状態なのに、あくまで無表情にクールに振る舞うセロンが何だかほほえましいです。そしてそんなセロンを全力でサポートする友達のすばらしさ。これは素晴らしい青春ドラマですね。
その他
帯は「今回はこの6人が殺人事件に巻き込まれてハラハラドタバタ!さらにドキドキ♥ワクワクも!」とあります。
筆者あとがきはブログ風で4ページ。
絵師あとがきは筆者あとがきのパクリネタ。今回はジャージネタは自重してました。
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2012-10-03
Amazonからサモンナイト3発送のメールが来たぜ。これで明日からプレイできそうです。
「メグとセロン」の3巻を読みました。ネタバレありますよ-。
※既刊感想はこちらから
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あらすじ
先の事件で交友を深めた6人は、新たに新聞部を結成することになった。
それはそうと、演劇部の合宿は順調に進んでいた。そんな中、演劇部部長のアーサーに片思いしている副部長のソフィアは、何とかこの合宿中に思いを告げようと決心。以前アーサーが「どうしてもほしい」と話していた『五十の蜂』なるものをプレゼントして告白しようと考える。しかしその言葉に覚えがないソフィアは、新聞部にその探索を依頼する。6人はそれぞれの才能と知恵を武器に正体に迫ろうとするが、探索は遅々として進まずタイムリミットを迎えてしまう。落ち込むソフィアにメグミカがした意外な提案とは。そして『五十の蜂』の正体は。
感想
今回は1巻完結ですね。表紙折り返しに「サブタイトルにピンと来た人はかなりの時雨沢作品フリーク!」とあったので、一応時雨沢作品好きのプライドをかけてピンと来ないか脳内検索したのですが、結局だめでググりました。こんなん覚えてるわけないだろ。
ストーリーですが、今回は、いや今回もか、メグミカさん大活躍です。最後の大演説はかっこよかった。そしてその流れ弾で致命傷を負ってしまったセロンに全俺が泣いた。それを踏まえて181ページの挿絵を見ると、セロンの無表情が何とも言えず笑えます(オイ
しかし喉が渇いているジェニーのために少しぬるめのお茶を入れてあげたり、眠り込んだ男の子を見守ってあげたり、ホントメグミカさんは天使ですよ。
その他
帯は「個性豊かなこの6人が繰り広げるドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語―!!」でした。
著者あとがきは珍しく真っ当なあとがきで2ページ。あー、前回の絵師あとがきのジャージネタに乗っかった悪ふざけがあったか。
絵師あとがきは今回主役級の活躍だったアーサーとソフィアのラフイラスト。なおアーサーはこのラフイラスト以外のビジュアルはないのであしからず。
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2012-09-27
メグセロ2巻のレビューです。
※1巻のレビューはこちら。
今回の表紙は絵師の偏った性癖の表れであることが明らかに。
※サモンナイト2関係
プレイ日記第20話~第21話を追加しました。ハサハはほとんどATにボーナス振ってないのに、トリスと同程度のATがあることに驚いた。ハサハが強いというよりトリスが弱いよ…。
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あらすじ
倉庫の地下に潜入したセロンたちは、そこで隠し扉を発見する。奥に進むとそこには部屋があり、謎の男が一人潜んでいた。話を聞くとその男はスー・ベー・イルからやってきて、ここに隠れているのだという。セロンたちは外に出てしかるべき機関の保護を受けるよう促すが、男はそこを離れようとしない。その理由をいぶかしんだセロン達の後ろで、「殺してしまえ!そいつらは敵だぞ!」という声が響く。
地下に潜む男の正体と目的は?声の主は?ハートネットの正体は?そしてセロン達の選んだ結末とは?
以上、1巻の続きのエピソードに加え、セロンとメグの出会いを描く短編「セロンの夢」、セロンとラリーの出会いを描く「ラリーとセロン」(書き下ろし)を収録。
感想
事件解決編です。中盤6人がそれぞれの能力を使って謎解きをしていく場面はドキドキしましたし、男の正体が分かった時は「なるほどなー」と納得させられました。話自体があまり大きくなりすぎず、学園ものの範囲で終わったのもよかった。何となく社会風刺も含んでいるような気がします。
メグが暴走気味なのと、メグに惚れているがゆえにそれについて行きたいけど、あくまで素知らぬふりを貫き冷静に推理するセロンの対比も面白かったです。そしてセロンの気持ちを知り、さりげなく押しつけがましくない程度に2人をくっつけようとする仲間達がかっこよい。次に新キャラが出るとしたら恋のライバルかな。ナンパな優男とか。
その他
帯は「個性豊かなこの6人が繰り広げるドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語―!!」とあります。
著者あとがきは「学園キノ」の木乃とエルメス(サモエド仮面も一応)の会話形式で4ページ(挿絵あり)。
絵師あとがきは黒星先生のジャージ愛が炸裂。「ジャージ+ひっぱり力」(表紙のメグの上着のような状態)でジャージの限界性能が180%アップされるとか先生キモイ。だがそれがいい!
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2012-09-25
昨日に引き続きラノベのレビュー。
今回は「キノの旅」「アリソン」「リリアとトレイズ」でおなじみの時雨沢恵一先生の最新作「メグとセロン」の1巻です(シリーズは最近完結しましたが、この本自体は2008年の本です)。アリソンの続編だったリリトレのスピンオフということになります。
相変わらず表紙の黒星先生のイラストを見ただけでテンション上がりますねー。サモンナイト5の追加情報はよ。
今回もネタバレにつき。
※サモンナイト2関係
プレイ日記第19話を追加しました。パッフェルさん強えー!
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あらすじ
ロクシェ首都に住む15歳の少年、セロンは、同級生のメグミカ(通称メグ)に一目ぼれをしていた。しかし生来の内気な性格が災いして、声をかけたことはなく、知っていることと言えば名前くらい。
ところが夏休み、親友のラリーに誘われて参加した演劇部夏合宿の手伝いには、メグも助っ人のコーラス部として参加していた。同じく助っ人として参加したオーケストラ部のナタリア、元演劇部のニックの5人は、演劇部からの疎外感もあって徐々に仲良くなる。
そんな中、デマばかり流すことで有名な新聞部部長のジェニーが、夏合宿の取材中、校内の倉庫で偶然謎の男を写真に収めてしまう。 ジェニーは近くにいた5人を誘い、その男の正体を探るべく倉庫へ潜入する。そしてそれを倉庫の工事に来た目つきの鋭い男、ハートネットがじっと見ていた―
感想
今回は2巻と合わせて1つのエピソードなので、主に人物紹介にスペースが割かれています。でも最初は全然顔見知りでも何でもない6人が(友人関係にあるのはセロンとラリーだけ)、合宿という学内イベントを通じて仲良くなっていき、そして一つの事件にみんなで立ち向かっていくという展開は学園ものの王道を行っていてサイコーでした。アリソンやリリトレと違って、物語がわりと読者にとっても身近な場面設定で動くので、登場人物達に感情移入しやすいです。
あと今回のヒロインはかわいい。リリアもアリソンも魅力的でしたけど、自分でガンガン道を切り開いていくタイプでした。しかしメグミカはどっちかというと保護欲をそそられる少女です。でも時折頑固なところを見せたりするのも魅力。あと川向こう出身なのでロクシェ語が怪しく、台詞の言い回しがちょっとおかしいところも愛しい。そりゃセロンも惚れるわ。
その他
帯は「『アリソン』『リリアとトレイズ』に続く待望の新シリーズ!! メグとセロンを中心に繰り広げられるドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語―!!」とあります。
著者あとがきは、「キノの旅」のキノとエルメスによる会話形式で4ページ。
絵師あとがきは、ジャージを着たリリアとメグ。ジャージの「素材」が好き、とのこと。
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2012-09-24
旅行中に読んだ本が溜まっているのでぼつぼつレビューします。
「狼と香辛料」の支倉凍砂先生の最新作、「マグダラで眠れ」です。
狼と香辛料はホロのかわいさと、商人がその知恵を武器に戦うというちょっと変わった設定で大成功した小説ですが(僕も好きです)、果たして新作は…
今作の絵師は鍋島テツヒロ先生です。
ネタバレがあるので注意。
※サモンナイト2関係
プレイ日記第18話を追加しました。計算上では今月末までに1週目が終わる…はず。だが2週目は…
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あらすじ
騎士団、教会、商工会が権力を3分する時代。
騎士団に雇われた有能な錬金術士クースラは、「マグダラ」と呼ばれる錬金術士の真理を追及したことが原因で教会から睨まれ、錬金術士ウェランドと共に、前線の町グルベッティの工房に送られる。
クースラたちは研究をしながら、不審な死を遂げた前任者トーマスの研究成果を探そうとする。そこに、教会から派遣された修道女フェネシス(表紙の少女)が現れる。彼女は監視者と名乗り、クースラ達の研究に同行するようになる。次第に交流を深めるクースラとフェネシス。フェネシスは自分の出自ゆえに教会のいいなりになっている自分に疑問を抱くようになるが、その間にトーマスの研究成果を狙う教会、そしてトーマスを殺害した黒幕の手がクースラ達に迫る。果たして3人の運命は―
レビュー
今回のヒロインもいいですねぇ。最初はホロに比べるとずいぶん影の薄いヒロインだなと思っていましたが、中盤以降はしっかり存在感を出してくれました。ただ、狼と香辛料ではホロが一番目立ってましたが、こちらはあくまでクースラが主役で、フェネシスは庇護される役割からはみ出ることはありません。最後は正統派ファンタジーらしく、王子さまがお姫様を救い出してハッピーエンド。やっぱりこういう王道ストーリーはいいものです。
とはいうものの、世界観の緻密さ、錬金術の設定の作り込み、そして終盤の大どんでん返しはさすがに支倉先生と思わせる展開でした。最後まで完全に作者の罠に振り回されてしまいました。
すでに二巻の執筆に入っているとのこと。今後も買っていきたいと思います。狼と香辛料が好きなら、間違いなくオススメできる一品です。
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2012-08-30
榊ガンパレの最新刊が3ヶ月ぶりに来たよー。待った待った。アンダーリンも買ってるけどこっち優先するよ。
※既刊の感想はこちらから。
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表紙ほか
表紙は壬生屋と来須。それに謎の機体。当時は何とも思いませんでしたが,壬生屋の服装(巫女装束…じゃないや道着か)は確かに目立ちますね。暗殺とかの格好の的になるような気がする。謎の機体は胸に国連?のマークが付いていてかなり細身の感じですけど…これ今まで出てきてましたっけ?
帯は「なんの前触れもなく突如進路を変えた幻獣の群れ―幻獣はいったい何処へ往こうとしているのか!?」になってます。
巻頭付録はおなじみ戦局図と,新キャラが4名。ジュディ・コールドウェル,ケヴィン・マクベイン,ヘンリー・パーシバル,アーロン・バーナードと癖のあるおっさんばかりでした。戦局図の方は前巻のミスが修正されています。
あとがきやきむら先生のコメントは今回もありません。
あらすじ
レイクサイド奪還はその直前に幻獣からの執拗な波状攻撃を受け,頓挫していた。舞は迂回して洋上からレイクサイドに接近する作戦を立案し,5121はフェルナンデス特殊作戦郡を一時離れることとなった。この間,主戦線で米軍は苦戦しながら後退,前線はボストンに迫ろうとしていた。敗色濃厚となったその時,幻獣は突如退却を始めた。5121の抹殺をはかったバーナード国務長官は,退却した幻獣がレイクサイドに集結したことを利用し,レイクサイドにミサイル攻撃を行うことを大統領に進言し,72時間後の攻撃開始が決定。5121は上陸を急ぐが,幻獣は5121を殲滅しようと待ち構える。
感想
共生派が民間人を人間の盾にしたり,ののみが撃たれてしまったりとヘビーな展開に加え,長期間の籠城や戦闘からくるストレスで人間関係が壊されていったりと,読むだけで胃がきりきり来る内容でした。前巻とはだいぶ空気が変わってますね。
そんな中で空気を読まない整備班のマニアっぷりとかは相変わらず笑えます。靴下は言うまでもなく,士魂号用の水上バイクとか,浮きドックとか。そして巻末には特別短編「ソックスハンター列伝 ソックスギャルソーンの罪と罰」が。ちょwプラッターwwwそして相変わらず安心のオチ担当のギャルソーン。
あと気絶するほどの消耗状態から,フェレット人形一つでしあわせ光線を全身から放射できる舞に萌えた(立ち読みしている人は41ページの挿絵をどうぞ)。
舞「私はカード・ゲームは強いぞ。全て記憶できるからな」
フェルナンデス「そういう問題ではない…それはイカサマとみなされる。ネイティブ居留地のカジノでそんなことをしたら生きて帰れんぞ」
舞「その反対だ。その時は,居留地のカジノは廃墟と化している。」
…物騒すぎ。
※136ページより抜粋
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2012-08-13
シュタゲノベライズのReverseシリーズ最終巻「STEINS;GATE5 六分儀のイディオム:後編」読了しました。今週にはアンダーリンの3巻も出ますのでそちらもお楽しみに。
※既刊感想はこちらから。
4巻は鈴羽視点のストーリーでしたが、今回は表紙に描かれている3人+るかの4人それぞれの視点からのスピンオフになっています。なお萌郁のみ本編準拠ではなく完全オリジナルストーリーです。
以下ネタバレがあるのでたたみますね。
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- 虚像歪曲のコンプレックス:Reverse
フェイリスルート(Dメールでフェイリスの父親が存命する世界線に移動してから、そのDメールを取り消すまで)のフェイリス視点の物語です。TVでは尺の都合であまり描けず、原作でもさほど詳しくは描写されていなかった、「なぜフェイリスは親友のためとはいえ、父親を失うことを受け入れられたのか」というところがじっくり描かれていて泣けます。
- 自己相似のアンドロギュノス:Reverse
るかルートのるか視点の物語です。こちらも「なぜるかは岡部に告白できたのか」というところがしっかり描かれています。だが男…ではないか。
- 陰陽双月のピスティス
完全オリジナルの萌郁ルート。本編とは全く違う世界線の物語と考えるべきでしょう(一番近いのは比翼恋理のだーりんの世界線)。ストーリー自体は階段から落っこちて妙な体勢になったオカリンと萌郁をラボメンがからかったり嫉妬乙したりすると言う超王道ストーリー。王道すぎて逆にビックリした。
- 裏面境界のエンテュメーシス
α世界線からβ世界線に移る前後のまゆり視点のストーリー。なぜかReverseが付いていない。ちょっと唐突な感じがしたまゆりの「まゆしぃのこと、重荷に感じたら言ってね」という台詞に込められたまゆりの思いがこれでもかというくらいねっとりと描かれています。特にオススメ。あと紅莉栖ルートでのまゆりはオカリンにどういう感情を抱いているのかということについても一つの回答になっています。
余談だけど紅莉栖とまゆりのあのシーンもあるよ。「まゆしぃはとっても悲しいし、恥ずかしいのです」のシーンね。
丸1年続いたReverseシリーズもこれで終わりですかね。Steins;Gateのメディアミックスは上手く言っているものが多い印象ですが、この小説もとっても面白かったです。ストーリーをより深く楽しみたい人にはお勧め。特にアニメから入った人は補完という意味でも読んでおくべき作品です。
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