2013-03-04
時雨沢先生のアリソンシリーズ(アリソン、リリトレ、メグセロ)の最新作が今月出るみたいですね。うぅ…去年買ったメグセロ6もまだ積みっぱなしだ…
それはさておき、それと同時期に購入したロボノ小説のレビューです。こちらもロボノ本編の派手なネタバレがあるので畳みます。

ROBOTICS;NOTES 瀬乃宮みさ希の未発表手記
著者:海法紀光
レーベル:電撃文庫
価格:630円
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あらすじ
瀬乃宮みさ希が、それを見つけた「誰か」宛てに書いた手記の体裁をとった作品。
みさ希がある日拾ったスマホ。そこには人工知能を持つAR「アイリ」がいた。アイリに導かれるように、みさ希は一人の青年に出会う。その青年は君島コウと名乗り、友人のいないみさ希と交流を深めていく。みさ希も次第に君島に惹かれていくが、同時に君島の目的にも深く関わっていく。その頃、島では謎の事件が多発していたのだが―
感想
とりあえず、ゲーム本編をプレイした人は読むべき。というかプレイしていないと完全に置いてけぼりな内容なのでそこは注意です。
ストーリーとしては、上に書いたとおり、みさ希がアイリやコウと出会ってから、みさ希がコウを○○するまでです。コウは(マイルドに言うと)人たらしという設定ですが、それがうまく表現されてました。このコウならみさ希がほれるのも仕方ない。
作品は一人称形式で描かれていますが、オチは結構ホラーで、しかも最後まで読んでから再度作品全体を考えると、二重に怖い作品でした。
ただ、本編で余り語られなかった「みさ希と瑞榎の出会い」「みさ希がロボット研究同好会を作った理由」「タネガシマシン3の『3』とはなにか」「エレファントマウス症候群をあき穂達が発症した理由」、そして、作中ではコウと無関係に描かれていた2つの事件の背景など、本編をより深く楽しむには必須の作品です。
それから、若かりし頃のみさ希、瑞榎、ミッチー、カイ、あき穂、淳和などの書き下ろしイラストがあることも見逃せません。というか瑞榎が普通に美少女過ぎて吹いた。
結局、私は正義の味方にはなれなかった。正しい資質がなかったのだ。
私は正義に味方するのではなく、私自身が正義になろうとした。正義を騙ったのだ。
それが私の最も大きい過ちだ。
※253~254ページより引用
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2013-02-26

一番の見どころはハサハの新規イラストかもしれない。サモンナイト小説の感想です。
サモンナイト ─受け継がれし炎─
著者:都月景/飯塚武史/かわく
レーベル:JUMP j BOOKS
価格:798円
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あらすじ
軍学校の夏休み、ナップは忘れられた島へ戻ってきた。再開したアティ先生がイスラを構っていることに軽い胸の痛みを覚えるナップ。
そんなある日、島を謎の船団が襲う。それは、夫の仇を討とうとするツェリーヌ率いる無色の派閥だった。ツェリーヌに忠誠を誓う呪殺の専門家アブドゥーグ、ウィゼルが生み出した魔剣の使い手サラトガの魔の手が島に迫る。しかしアティは、自己のトラウマを掘り起こす悪夢に苦しんでいた。そんな中、イスラが行方不明になってしまう。果たして島の運命は―
感想
SN3のしばらく後を描いた小説です。一応主人公アティ、生徒ナップのイスラエンドを正史として物語は展開しますが、その他の生徒たちにも出番があったりして、著者曰く「エピソード全てをいいとこどりした」物語になっています。
SN3の主人公は、作中で一度どん底を経験していてそこから這い上がってきているので、正直どうやってピンチを演出するのかと思っていましたが、トラウマという原作でも触れていて、なおかつあまり話題には取り上げなかった要素を使って話をふくらませていて、プロのシナリオライターはさすがだなぁと思いました。さほど長くはないですが、それぞれのキャラにもうまく見せ場があって、ファンとして充分楽しませてもらいました。
もちろん、SN3番外編最大の謎「不滅の炎≪フォイアルディア≫」の出自についてもはっきりと描かれているので、そこが気になる人はぜひ手に取ってみてください。
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2013-02-11
ようやく去年の年末に購入した小説を半分程度消化。時雨沢作品か榊ガンパレの新刊が出るまでに頑張らねば。というわけで今日はこちら。
マグダラで眠れⅡ

著者:支倉凍砂
レーベル:電撃文庫
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あらすじ
戦争の最前線が、今いるグルベッティの街からカザンに移動しようとしていることに気づいたクースラとウェランド。それは2人の工房が技術の最前線から離れてしまうことも意味していた。そんな折、伝説の金属「ダマスカス鋼」の話を聞いた2人は、それを再現することで入植者に同行する権利を得ようとする。どうやらその鍵は、若き鍛冶屋組合の組合長イリーネが握っているようなのだが、イリーネはその秘密を明かそうとしない。クースラはフェネシスを連れて街の記録の精査に取りかかるのだが―
感想
うーん、つなぎの話という感じでちょっと盛り上がる感じではなかったですかね。なんというか、「よく分かるこの世界の錬金術」みたいな感じ。
クースラは1巻から、「目的のためには手段を選ばない」人物として描かれているんですけど、1巻ではウェランドが割とキツイ性格で描かれていることもあって気になりませんでした。でも2巻はちょっと感情移入が難しくなるようなエピソードがあるのでうーん。
それに狼と香辛料では、ロレンスとホロはほぼ同格だったんですが、クースラとフェネシスは完全に保護被保護の関係で、クースラにブレーキをかける役がいないというのもクースラの暴走に拍車をかけている感じ。今回出てきた新ヒロイン?のイリーネもうまく手玉に取っちゃいましたしね。
とはいえ、これからはおそらく物語が大きく動きそうですし、イリーネもクースラたちに付いてくると思うので、人間関係にもちょっと変化があるかも知れませんね。そういう意味では次巻に期待です。フェネシスはもっと前に出て!
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2013-02-06
購入してからだいぶ立ちましたが、ようやく読了したのでレビュー。核心に迫るネタバレはないように書いていますが(あらすじも書いていません)、気になる人は読んでからどうぞ。
初回限定版同梱のドラマCD「人工械機のパンデミア」の感想はまたいずれ。→3/15追加しました
前巻「閉時曲線のエピグラフ」の感想はこちら。
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Steins;Gate 永劫回帰のパンドラ
著者:たきもとまさし
今回も面白かったですねえ。オカリンが中鉢論文の意味に気づいたシーンはゾクゾク来たし(しかし今回はオカリンの名探偵ぶり半端ないな)、萌郁が登場したシーンはゲームでピンチの時に流れるBGMが脳内で流れっぱなしでしたよ。そんな中でクリスマスパーティとかクレーンゲームとか、心温まるエピソードも盛り込まれていたりして、本当に緩急の付け方が美味いなぁと思いました。
そして最後の展開は以外でした。今作では最後の最後まで「これ」は起こらないと思ってましたから。これがどう本編につながるのか、次巻が楽しみすぎます。
さて、現在残っている大きな伏線として○○○の行方がありますね。こういうもののセオリーとして、①既に登場したキャラの誰かである②既に敵方に寝返っている、あたりが王道だとは思うのですが…現時点では①で思い当たるキャラいないしなぁ。
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2013-01-03
電車に乗っている途中に読んだこの小説のレビュー。…これも買ったのは去年なんだからねっ!


Steins;Gate 変移空間のオクテット①
著者:明時士栄
レーベル:富士見ドラゴンブック
あらすじ
本編終了後、岡部倫太郎がたどり着いた世界線「シュタインズゲート」の世界。ある時岡部はリーディングシュタイナーの発動を感知する。それと共に届く1通のメール。それは15年後の自分から届いたDメールだった。この時代でナイトハルトなる人物がIBN5100を入手したことにより、世界中の基幹産業が「萌え」にすり替わったことで世界恐慌が発生し、未来は悲劇的な状況になっているらしい。それを阻止するため、未来の岡部はIBN5100の入手を指示してきたのだ。しかしこの世界線は、これまでのどの世界線とも違う、狂気と理不尽の支配する世界だった。
果たして岡部はIBN5100を手に入れることが出来るのか。そしてナイトハルトは何をしようとしているのか。
感想
通称シュタゲ8bitこと変移空間のオクテットのノベライズです。これがノベライズとかどんな判断だ。と思って読み始めましたけど、なかなか面白かったです。
この小説は1巻ということになっていますが、ゲーム中のシナリオはほぼ全て網羅されています。ただラストシーンのみが変更されていて(岡部がIBN5100を入手する直前、世界線の変動が再び起こり、「機関」によって世界恐慌が発生する世界線へ迷い込んでしまう)、次巻に続く、となっていました。
作者の方はこれがデビュー作のようですけど、癖のない文章で読みやすかったです。ただ芝村節や森岡節に調教されている身としてはちょっとあっさり風味の気もしましたが。なお「光学迷彩ライト」「橋を塞ぐ黒騎士」「特定のアイテムがないと開かない扉」などのゲーム的ギミックをそのまま現実に落とし込んでいるせいで、かなりカオスな展開になっているのが笑えました。あと岡部の空回り感も絶好調で、台詞を脳内再生できるとより楽しめます。
ラボメン達の出番はやや少なめ(特にルカ子とダル)ですが、助手は相変わらずチョロい子です。
「橋田やまゆりだっているのに、どうして私に助けを求めてきたの?」
「それは…」(中略)これは返答を間違えると確実に地雷だぞ……答えは慎重に選ばねば。
「それはお前が、俺の助手だからだ!」
「……はぁ」
まずい、ため息をつかれた! ちぃ、答えを間違ったか?
「い、いや! つまりだな、俺が頼れるのは、いつだってお前だということだ! どんなときでも俺を支えてくれるのは、紅莉栖、お前しかいないと思っている……!」
「えっ」(中略)「あ、そ、そうなの? ふ~ん。それはこ、光栄というか……悪い気は、しないわねっ」
※179~180ページより引用
2013-01-02
舌の根も乾かぬうちに小説感想ですが、これ去年買ってた本だからセーフだよね。

この空のまもり
著者:芝村裕吏
レーベル:ハヤカワ文庫
あらすじ
今から少しだけ先の未来。AR(拡張現実。作中では「強化現実」と呼ばれる)が普及すると共に、不適切な情報を表示した「悪性タグ」が問題となっている時代。日本政府はこれに対して有効な対策を取らず、国を憂えた若者達は自警組織として「架空政府」「架空軍」をつくり出した。
主人公田中翼は、現実世界ではニートであるが、架空防衛大臣の職を預かっている。現在架空政府は、架空軍に所属する人々を動員して、日本中の悪性タグを(ハッキングによって)除去する、という一大作戦を実行。作戦は成功し、国民からの支持も上々だった。しかしやがてその動きは暴走を始め、外国人を排斥しようとする暴動へと発展してしまう。
責任を感じる翼。翼が信頼を置く老婆バーセイバー。小学生ながら架空軍に身を置く翔とその母美都子。翼の秘書の棘棗。近所に住む大学生の三浦。そして翼の幼なじみの七海。立場も年齢も違う登場人物達が、暴動をなんとかしようと動き出す。
感想
面白かったです。世界設定はロボノと非常に似ていますね。ロボノをプレイした時にも、タグの管理って誰がどうやってしてるんだろうとか、バーチャル上の落書問題はどうしてるんだろうということを思っていたんですけど、そういうARの負の側面をリアルに描いています。
登場人物は主にバーチャル上のキャラクターとして描かれていると共に、実際の世界で生活している様子もきちんと描かれていて、それがどうつながっているのかが徐々に明かされていくところがスピード感があってよかったです。そして最後に問題を解決した手段も、なかなか考えさせられる(それでいて現実離れしていない)もので感心しました。
また「本当の愛国心とは何か」という昨今注目されているテーマを扱った作品でもあります。
愛国心は……誰かを傷つけなくても存在を証明できる。
真なる日本とやらは、折目正しく助け合う秩序だったいつもの我々であることを。
※286ページより引用
芝村氏の作品も色々読んでいますが、その中でもかなり楽しめた小説でした。
ところで最後に登場した、「新田良太という日本人傭兵」ってもしかするとマージナル・オペレーションに登場したアラタのことですかね。ファンサービス…というかミスリーディングかな。
2012-12-02


最近連続して作品を出している芝村裕吏氏の小説「ガン・ブラッド・デイズ」を読みました。これ発行部数が少ないのか一般の本屋ではまず見かけないんですよね…電撃ゲーム文庫なのに。ただ理由は分かる。
※ゲーム一言日記
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あらすじ
時に西暦2025年。アメリカ地方新聞の記者イーヴァは、オルトロスという企業による独裁政権が築かれた日本に民主主義秩序を回復させるために派遣された米軍「セイバー」に同行していた。軍の話によれば、既に日本は制空権を失っており、上陸にはなんの問題も無い…ということだったが、突如飛来した大量のミサイルにより部隊は壊滅、イーヴァは生き残りとともに、オルトロスと戦う反政府組織「日本解放戦線」に拘束された。
日本解放戦線はイーヴァがジャーナリストと知ると身柄を解放し、取材の許可を与える。日本解放戦線によれば、オルトロスは選挙により選ばれたものの暴走し、圧政を敷いているのだという。少年兵のナミや郁男、名目的なリーダーの立場にある桜子と友好を深めていくイーヴァ。
しかし、ある時再び乗機が撃墜され、重傷を負った上に今度はオルトロスに拘束される。手当をしてくれたのは、オルトロスを支配する速長家の次男裕次郎だった。彼によれば、現在の政府は正当な政府であり、日本解放戦線は選挙に負けて暴徒化したテロリストに過ぎないらしい。どちらが真実なのかイーヴァには分からなかったが、なぜか裕次郎には惹かれるものがあった。しかしそれを危惧した裕次郎の妹いすずにより、半ば強制的に米軍の元に送り届けられることになる。
無事基地へ戻ったイーヴァだったが、テロリストに協力した容疑で逮捕されてしまう。厳しい取り調べを受け、アメリカ軍が日本解放戦線の真実を情報封鎖していることを知る。日本解放戦線が基地を襲撃した際に、それに乗じて再び日本解放戦線に身を寄せるが、そこに正体不明の通称「ゾンビ」と言われる謎の生命体が現れた。
感想
まずこの作品についてですが、ブラウザゲー「ガン・ブラッド・デイズ」を元にしたものです。といっても僕はゲームの方は詳しく知らないのでスルーします。
この小説は舞台設定の紹介というところですかね。上のあらすじを見てもらえば分かるとおり、セイバー、オルトロス、日本解放戦線それぞれの主義主張や、メインキャラクター達の人となりを軽く説明している作品です。これを読めばゲームがより楽しいかもねという感じ。
芝村氏の地の文でぐいぐい読ませる作風は健在なので、単発で読んでもそれなりに楽しめます。氏の作品にしては珍しく、世界観がわりと普通です。いわゆる近代戦争物。ですがあくまでゲームのおまけなのでそう割り切った方がよいでしょう。
主人公のイーヴァがめんどくさい女だというのが印象に残る作品でした。
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2012-11-25


「Steins;Gate 閉時曲線のエピグラフ」を読みました。ドラマCDは未視聴なのでレビューは別の機会に。
詳しいことを書くとおもしろさ半減なので省略しますけど、すげー面白かったです。さすがオフィシャル。シナリオライターは原作ライターの林直孝氏ではありませんが(監修の立場で参加)、本編同様かなり話が練られているのが分かります。人物描写もうまい。
本小説は、β世界線の未来(といっても2010年末~2011年頃の話と思われる)を描いた物語です。絶望の淵に沈んだオカリンの新しい物語が始まるわけですよ。新しい脳科学ネタもふんだんに取り入れられていて、早くも第2巻が楽しみです。この世界線が森岡先生の「優しい煉獄」につながるんですね分かります。
ちょっと気になったポイントだけ抑えておきます。
- 冒頭のシーン(おそらく第1章以下の小説本編もこの世界線と思われる)の世界線変動率は1.129848%。これはドラマCDβ「無限遠点のアークライト」で登場した世界線です。オカリンが最後のミッションに失敗して戻ってきた時の世界線ですね。ドラマCDでは事件の約1年後に、○○○がタイムトラベルしたことで消滅したため、ゲーム本編でも登場しませんでした。
- ときどき世界線変動率1.130205%の世界線が登場しますが、これはオカリンが最後のミッションに失敗した時の世界線です。
- 第3章に登場する「もし、お前の手か足の一つが~ずっと幸いに違いないのだ」というのは、新約聖書中の一節。つまり男はキリスト教の原理主義者と思われます。
- 「ヒンノムの谷」というのは古代イスラエルがゴミ捨て場として使用していた郊外の谷で、常にゴミを燃やす火がたかれていたことから、一般的には地獄の比喩として使われています。ゲヘナも同義。
※ゲーム一言日記
- エクシリア2…Chapter9更新。秘奥義カットイン集も大幅に追加しました。
- サモンナイト3…ようやく最終階層に到達。あと6面。衛星攻撃αがこんなに便利だとは…アルディラ&クノンペアの魅力は留まるところを知りませんね。
2012-11-21


メグとセロンの5巻感想です。1ヶ月半ぶりのご無沙汰でした。
既刊の感想はこちらから。
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あらすじ
夏休みが明けて、秋学期が始まった。ある日、セロンの親友ラリーの元に1通のラブレターが届く。それは腕時計メーカーとして有名なホイットフィールド社の令嬢、ステラからだった。実際に告白を受けて,ラリーは彼女と交際することに。話を聞いた新聞部の面々も生暖かく見守る。
ステラとは家庭の事情で校内でしか会えなかったが、彼女は積極的にラリーにアプローチし、早くもカップルとして校内の噂になっていた。一方ラリーの依頼を受けた新聞部は、ステラの周りに見え隠れする一人の男性生徒ライナスのことが気になり、ステラの人間関係の調査を行っていた。ある者はステラはライナスにつきまとわれていると言い、ある者は二人は恋人同士だったのではないかと言う。またライナスが隠れるように腕時計制作の技術学校に通っていることも判明した。そうした事実から新聞部は一つの仮説を立てるが―
ステラの目的は。ライナスとの関係は。そして全てを知ったラリーの行動は。
感想
今回はこれまでと違い、メグとセロンではなくラリーが主役の物語になっています。これまでもさわやかな体育会系としていい感じでありながら、頭の回転はさほどでない(決して頭が悪いわけではなく、周囲のメンバーが賢すぎる)ため、謎解きではあまり活躍できなかった彼ですが、今回は主人公ポジションとしてふさわしい立ち回りを見せてくれます。セロンは主にメグの悪気のない発言に凹む役だったのが泣ける。謎解きも他の人に取られちゃったし。
しかし自分がラリーの立場だったらあんな大人な対応は無理だな。そこできちんと自分の役目を理解して、それにふさわしい行動を、しかもかっこよく演じて見せたラリーの姿は男の目から見ても素晴らしかったです。メグセロシリーズは登場人物みんなが人格者だから困る。
そんなわけで、最後にラリーの名言を紹介したいと思います。
いつぞやジェニーが言っていたな。”恋愛は戦いだ”と
ならば、オレは迎え撃とう。”ヘップバーンの騎士は最後まで逃げない”がウチの家訓だからな
―でも補足しておくぞ。”最後まで逃げない”ってのは,”いよいよ最後になったら逃げてもいい”ってことだからな!
※74ページ 第2章「ラブレター」より引用
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2012-11-14


榊ガンパレの最新刊が2ヶ月ぶりに来ました。今回で新大陸編は完結です。
※既刊の感想はこちらから。
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表紙など
表紙は瀬戸口と舞。帯は「5121小隊は不死身ではない 死闘決着!生き残れるのか!?新大陸シリーズ最終巻」となっています。
巻頭付録は市内戦局図。キャライラストは新大陸編で登場した人物の総まとめで、新規イラストはありません。
また作者、絵師あとがきもありませんでした。
あらすじ
降着した状況を打開しようと5121はレイクサイドヒル港への強襲を計画する。しかし一方フェルナンデス隊は国防長官から待機命令を受けていた。命令の正当性に疑問を持ったフェルナンデスは上官に意見具申するも、逆に反逆罪で拘束されてしまう。浅井と5121小隊スカウトの活躍でレイクサイドヒルに多数の市民が残存していることを対外的にアピールすることには成功し、大統領が味方についてことで形勢は逆転するが、黒幕である国防長官はミサイル発射を強攻しようと画策する。
5121はついに港に上陸するも、幻獣はそこに異常とも思える戦力を集中させていた。激しい攻撃に、軍人、民間人双方に多大な犠牲を出しながらもついに住民の避難に成功する一同。しかしついにミサイル発射スイッチが押されてしまう。最後に市内に残った速水と舞の運命は。
感想
いよいよ新大陸編も完結です。今回は幻獣が存在感を見せましたね。といっても最近の5121は強すぎて、久々に登場したスキュラでさえただの的扱い、幻獣が勝っているのは単なる物量のみというのは辛いところです。榊ガンパレも始まった頃はスキュラが1体出てくるだけで大絶望でしたからね。
ただ、今回は強い強いという5121もさすがに物量に押されてピンチを迎える場面も何度かありました。助けに来れそうな登場人物も使い切って、これマジどうなるんだ…と思ったシーンもありましたけど、意外なところから助け船が。なかなかに意表を突いた(といっても伏線は十分張っていたのだが)展開だったので、ぜひ読んで確かめてみてください。
エンディングは「僕ら、これからどうなるんだろう?」「我らは戦場で生き、戦場で死ぬ定めだ」という速水と舞のやり取りでしたから、まだまだ続いていくと思ってよろしいんですよね。榊先生、きむら先生、ひとまずお疲れさまでした。
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おお、本当ですね。新ハードの情報ももちろん楽しみですけど、ローンチタイトルがどう…