2024-01-19
ポケモン竜王戦(ポケモンSVの全世界大会)の挑戦者決定戦(予選のこと)が始まりましたね。yukkun20も参加しています。これまでも同じルールで行われる仲間大会に参加しながらパーティを調節してここまで来たのですが、なんとか納得のいくパーティを組めるようになりました。自分のやりたいことを通す…というよりは、相手のやりたいことを邪魔してなんとなく勝つ…というコンセプトです。3日連続開催、1日15戦限定なので、初日で負け越したら撤退しようと思っていたのですが、なんとか9勝6敗と目標は達成できたので、明日も参戦しようと思います。
さて、ポケモンSVのウェブ小説を読了したので簡単なレビューです。
きみと雨上がりを
レビュー
ポケモンSV発売一周年を記念して公開されたWeb小説です。ゲーム本編のライバルの一人・ネモを主人公に、彼女が転校生であるアンナ(本編での主人公)と出会ってから、アンナがチャンピオンになるまでが描かれています。
本編ではバトルジャンキーとして仲間からもやや引かれ気味のネモですが、彼女がライバルを求めている理由や、主人公をライバルに選んだわけなどが爽やかに描かれていて、ゲームの世界観を優しく広げてくれるいい小説でした。ネモのいつもはめているグローブの秘密も分かりましたしねwまたターン制ではなくアクションたっぷりで描かれるポケモンバトルも(アニメを見ていない自分には)新鮮で面白かったです。ゲンガー育てたくなっちゃった。
2021-03-28
サモンナイトの最終章が始まってから早8年弱。完結を見届けることが出来て本当に良かった!電子書籍化もされたので、これから読まれる方も安心ですよ!
サモンナイトU:X ―響界戦争―
著者:都月景
レーベル:JUMP J BOOKS
価格:900円(税別)
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あらすじ
「狂った界の意志」と化した界のエルゴたちの攻撃は激しさを増す。制錬者として共闘するレイとミコトの激しい抵抗に、界のエルゴたちは怒りの姿―界竜と化すことを決意する。しかし界竜が顕現したその時、行方不明になっていたシャリマが戦場に姿を現し、レイを冥土堕竜に変化させて界竜たちを攻撃させる。メイメイの術でなんとか冥土堕竜を一晩封印することに成功し、痛手を負った界竜たちもひとまず引き揚げていった。
そして翌日。最終決戦が再び幕を開ける。ハヤトたちは異世界からの侵略者たちは大規模な送還術により追い返し、界竜と冥土堕竜をぶつけ合わせ、レイを救出する隙をうかがう。クレスメントに執着するメルギトスと戦う超律者たち、誓約者としての力を分割して承継したハヤトたち、島を守るため、全ての魔剣を承継し、核識となった抜剣者、世界で起きている人間と召喚獣の争いを止めて回る越響者たち。しかしシャリマの悪意は、その全てを飲み込もうとしていた―
レビュー
SRPG「サモンナイト」のゲーム中で描かれなかった時代(4と5の間)を描く、U:Xシリーズも今回で最終回です。そして作者の方も明言なさっているとおり、サモンナイトの物語も、これで完結を迎えたことになります。ゲームが発売されてから20年、小説が始まってから8年、あっという間でした。
前巻までは、これまでシリーズに登場したキャラたちが総出演しにぎやかな感じでありながらどこか悲劇を予感させる雰囲気でしたが、今回はレイとミコト、4人の勇者たち、そして彼らを取り巻く世界の謎に近いキャラたちがよってたかってハッピーエンドに持っていくという、怒濤の展開でした。オルドレイクやメルギトスの内面も深く描かれて、彼らにすら救済が与えられたのは都月先生らしい展開だなーと思いました。そしてU:Xの話はもちろん、これまで都月先生が書かれた他の小説や短編やCDドラマなどの伏線も回収し、SN6やセイクリッドブレイズ(ですよね?)みたいな直接関係ない作品も絡めつつ、この世界線では勇者ではない他の主人公たちの見せ場も十分にあって(唯一出番すらなかったアルカは泣いていい)、本当に大満足の最終回でした。yukkun20の推しのパッフェルさんは…でしたけど、それもまた彼女の長い旅路を考えれば、十分受け入れられるものでした。うっ、涙が…
そういえば以前SN5のプレイ日記に、MNさんという方が「千眼の竜って○○○が至竜になった存在な気がする」とコメントくださっていましたが、その慧眼に脱帽です。
yukkun20がサモンナイトに触れたのは、ゲームショップでSN2を偶然見かけ、飯塚先生のパッケ絵に一目ぼれして衝動買いしたのがきっかけなのですが、それから約20年、こんなに長い間楽しませていただいて感謝しかないです。都月先生がリィンバウムという世界について深い設定をきちんとしてくださっていて、そしてその設定を小説という形で表に出すことを許してくださったバンナムなど関係者の方々のご尽力あってのものだとおもいます。ありがとうございました。Twitterで都月先生や、当時のスタッフの方と繋がれたのもうれしかったです。まだ先生が、最終巻に関する質問企画を用意してくださるみたいなので、それも楽しみに待ちたいと思います。
あとうちの人物図鑑も鋭意更新していきますので、合わせてよろしくお願いいたします。それでは、最新ハードでシリーズがリメイクされることを願いつつ…(ベタ移植でもいいのでSteamとかには来ないのかしら。スクショが撮影出来るだけでも再プレイのモチベーションが出るんだけど…)
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2017-01-10
ベルセリアのLaLaBit限定版に付属していた特典小説のレビューです。ネタバレ成分が若干あるので、少なくとも中盤辺りまでゲームをプレイしてから読んだ方がいいです。小説もこのレビューも。
限定版はまだ購入可能ですよ!
PS4 テイルズ オブ ベルセリア ララビットマーケット特装版 | ララビットマーケット(バンダイナムコエンターテインメント公式通販サイト)
魔女語り ~魔が満ちる世界~
著者:不明(株式会社バンダイナムコスタジオ名義)
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あらすじ
第一話「百年の平和」
十数年前。幼いベルベットと生まれたばかりのライフィセットを連れてセリカはリンゴ林を歩いていた。ベルベットはセリカがライフィセットにかかり切りになっていることが面白くない。へそを曲げたベルベットは、それをかばおうとしたセリカたちを巻き込んで崖に転落してしまう。なおいらだちをライフィセットにぶつける妹に、セリカは自分の幼い頃の姿を重ねて優しく諭す。そんな3人を救ったのは、不幸を呼ぶ呪いにかかった一人の聖隷だった。
第二話「地獄の門が開いた日」
10年前。エレノアとその母が暮らしていた村は、業魔に変じた野盗に襲撃を受けた。重傷を負いながらも母の手で何とか村を脱出したエレノア。母は業魔の狙いが村の宝玉であることを悟り、それを持って一人飛び出していった。エレノアに一つの約束を残して。
その数年後。ベルベットは義兄アーサーから狩りの手ほどきを受けていた。狩りを終え、アーサーはセリカが残した櫛をベルベットにプレゼントする。その直後、ベルベットは業魔に襲われる。自分一人で何とかしようとしたものの、結局アーサーに助けられることになる。それはエゴで、もっとも理から遠いものだ、というアーサーの声は、いつも暖かい彼の言葉とは違う響きを含んでいた。
第三話「降臨せし者」
3年前。ロクロウは出奔しようとしていた兄・シグレに上意討ちの戦いを挑む。とはいえ上意討ちというのはただの口実で、真の目的はこれまで負け続けてきた屈辱を晴らすことにあった。戦いはわずかにシグレ優位に進んでいたが、ロクロウには秘策があった。シグレの必殺技・三段突きの返し技「四段突き」である。しかしロクロウが3年かけて習得したその技を、シグレは瞬間的に繰り出した六段突きであっさり破ってしまう。恐怖・悔悟・嫌悪・そして怒り―その強い衝動が、ロクロウを業魔に変えた。
一方その頃。アイフリード海賊団を率いるバン・アイフリードは敵から逃げていた。アイフリードがいつも言葉を交わす「見えない男」。彼がその声と会話をしたあとに下す判断は、いつも正確だった。その時、奇妙な波動が船を包み、「見えない男」が突然姿を現す。砲撃を受け怪我をしたアイフリードは、船の指揮をその男―聖隷アイゼンに託す。乗組員達は、嬉々としてその指示に従うのだった。
第四話「救世主達」
数ヵ月前。テレサ・オスカー・エレノアの3人は、聖寮上層部の指示で「奇妙な物」の捜索に当たっていた。しかしそこに現れたのは巨大なドラゴン。恐怖を感じながらも三人の捨身の攻撃、そしてどこからか飛んで来た光弾により、ドラゴンはひるみ立ち去った。その光弾は、「奇妙な物」を一足先に入手していた、一人の風の精霊によるものだった。
感想
物語の前日譚を描いた小説ですね。マギルゥが牢獄で暇つぶしにしたお話、という語り口になっていますが、そもそもマギルゥが知っているはずもない話が含まれているので、これは単なる狂言回しの役をやっていると見る余地もありますし、彼女の特殊な生い立ちと役割を暗示しているのかもしれません。
お話も興味深かったです。特にロクロウの話が面白かったかな。業魔になる前からあんなにシグレに執着していたとは知りませんでした。しかし3年かけて貼った罠を一瞬で返されたロクロウの心境はいかばかりか。そしてそこまで実力の差があるのに、勝つことを諦めないロクロウの執着はそりゃ業魔にもなるわという感じでした。
またゲーム本編ではかなりあっさり触れられていたエレノアの生い立ちについてもしっかり語られていたのも良かったです。というかそういう事件が頻発していたというこの時代の厳しさを十分感じさせるものになってました。
あくまでゲームの中でさらっと語られているエピソードを深く掘り下げた内容になっており、これを読まないとゲームの中の描写がわからない、ということはないのですが、読んでおくとより深く世界観に浸れると思います。これからプレイする方はぜひ購入をご検討ください。そんな人はそもそもこのレビュー読んでない気もしますけど…
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2017-01-04
今日で正月休み終わりだー!でも2日頑張れば3連休が…ところで年末に、今年の年末年始の予定として、
- 年間ゲームレビューやります
- ダンガンロンパV3の体験版やります
- たまっているアニメを消化します
- 小説を少し読みます
- P5は1周目をクリア、うたわれは2周目クリア、TOBはプラチナ獲得
と書いたんですけど、
- ゲームレビュー→やりました
- V3体験版→やりました
- アニメ→50本の内40本は消化
- 小説→「突変世界」は読んだ
- ゲーム→P51周目クリア、うたわれ2周目クリアは達成。
と結構達成できていて自分でも驚き。
突変世界
著者:森岡浩之
レーベル:徳間文庫
価格:972円(税込)
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あらすじ
水都セキュリティ会社に勤める警備員・岡崎大希は、グループ会長直々の命令を受け、先代会長の友人の娘で、新興宗教アマツワタリの指導者である高校生・天川煌の護衛を引き受けることになる。彼女は教団内の派閥紛争に巻き込まれて負傷し、現在でも狙われている身だった。
大希は持ち前の判断力と運転技能を駆使し、彼女を安全なホテルまで送り届ける。ところがその矢先に、大阪府のほぼ全域が、「突然変移」―急にある地域が、パラレルワールドともいうべき別の地球と入れ替わってしまう現象―に巻き込まれてしまう。
異世界は見慣れない生物が跋扈する危険な世界。水都グループは政治家を抱き込み、自治政府を造って秩序の回復に当たろうとする。一方、自警団(という名のヤクザ)の代表・田頭誠司も、突変に巻き込まれるが、これをチャンスと考え、軍事力で覇権を握ろうと画策する。水都グループと協力関係にあるアマツワタリ教団は自治政府側に付くと思いきや、教団と自警団との意外な繋がりが明らかになり、教団は分裂、事態は混迷を極めていく―
感想
星界シリーズでおなじみの森岡先生の最新作です。前作「突変」の続編ですが、時系列的には前の物になっています。双方の関連性は緩いため、どちらから読んでも楽しめると思います。前作を先に読めば、今作でどちらが勝利するかはわかりますが、だからといっておもしろさが削がれるわけではありませんし、今作を先に読めば、登場人物のその後が前作で分かり、にやりとすることもあるでしょう。
今作は前作の700超ページに比べ、600ページ強と少し薄めですが、相変わらずの読み応えでした。前作で突変したのはごく狭い「町」という単位で、行政組織が存在しない集団が、どのように組織化されていくのかというところが面白かったのですが、今回は正統な行政組織、警察機構、自衛隊すら存在する「大阪府」という単位が突変したわけで、現実世界でも水面下で繰り広げられているであろう権力争いが途端に表面化し、それにどう収拾を付けていくのかが見どころでしたね。
登場人物も整理されていて、あまり視点があちこち行って話が混乱することもなく、それでいてこの大きな物語を分かりやすく説いてくれているのは、さすが森岡先生という感じでした。個人的には、グループ会長の秘書・神内究がいいキャラしてましたね。森岡先生らしい参謀ポジのキャラでした。そういえばちょっと変わった苦労人だと言うことが伝わると思いますが。
また、前回では「突変」という現象にの原因などについてはスルーされてましたが、今作ではある程度の科学的な説明が加えられているところも興味深かったです。まさかその理論をここで持ってくるとは。SF書きの森岡先生らしいというかなんというか。
昨年のトークショーで、森岡先生は「突変は3部作」とおっしゃっていましたので、次回作を楽しみに待とうと思います。
[関連記事]【イベント】池澤春菜&堺三保のSFなんでも箱#27(森岡浩之先生ゲスト回) レビュー | Y.A.S.
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2016-10-19
まさかの4日連続。本当は日記の中心はレビューであるべきなんですけどね…
君の名は。Another Side:Earthbound
著者:加納新太
レーベル:スニーカー文庫
価格:620円(税別)
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レビュー
先日紹介した映画「君の名は。」のスピンオフ小説です。作者の加納先生は映画のシナリオ協力として制作にも関与されている方なので、映画との親和性は高いですね。全四話のオムニバス構成になっています。
第一話は、序盤で三葉と入れ替わった瀧の視点で描かれる「ブラジャーに関する一考察」こんなタイトルなのでコメディだと思われるでしょうけど、その通りです。思春期の高校生が女の子の体に入ったらどれだけ困るのかということを面白く描いています。劇中で瀧が三葉の体でバスケをするシーンがあるのですが、その時に男子の注目を集めていた理由も分かりますよ。
第二話は勅使河原の視点で描かれる「スクラップ・アンド・ビルド」。作中で勅使河原たちがテーブルをDIYで作るシーンがありますが、なぜそういう発想に至ったのか、そしてラストシーンで勅使河原があそこまで三葉に協力しようと思ったのかが描かれています。てっしー(このあだ名は別の人を想起させるなぁ)は作中では気のいい男子みたいな描かれ方ですが、非常に深く物事を考えていると言うことがよく分かりました。
第三話は四葉の視点で描かれる「アースバウンド」。序盤は入れ替わりによって生じる姉・三葉のおかしな言動を描いていますが、後半は二人に流れる宮水の血についてのシリアスな話になっています。つーか四葉はお姉ちゃん好きすぎでしょ。
第四話は、三葉の父俊樹の過去話と、映画終盤のエピソードを俊樹視点で描いた「あなたが結んだもの」。三葉の母親はどういう人物なのか、なぜ彼女の死後に俊樹は家を捨てたのか、そして映画のレビューで述べた、「なぜ俊樹は三葉の計画に協力する気になったのか」が描かれています。非常に観念的な話が挟まれたりしてやや難しい話でしたが、一応謎は解けたって言っていいかな。映画本編で描くべきだったとも思えますが、入れたら入れたで蛇足だった感じもするなぁ。結局三葉の母が言うとおり、「あるべきところに自然に導かれ」たということでいいのかな。三葉と瀧の入れ替わりという奇跡も含めて。
すべての話が映画の裏話になっているので、映画を視聴後、記憶が薄れないうちに読んで欲しいです。特に第四話は映画のクライマックスを補完するものとして価値が高いと思います。映画も2倍楽しくなりますので、映画が楽しめたのであれば必読だと思いますよ。文章も読みやすかったですけど、挿絵がなぁ。特に第一話の挿絵はひどい。あの角度の鏡にあんな鏡像は絶対映りませんよ。
性別が違えば、やはり気持ちの壁というものはある。
向こうにもあるし、こちらにもある。
感覚が違いすぎる。
だから、正味のところで、本音の話はしたことはない。こちらもそうだし、向こうもそうだろう。
だが、このとき――土地の言葉でカタワレ時と呼ばれる《彼は誰刻》の光線と闇のあわいで、《言ってもどうせ通じない》《聞いてもどうせわからんだろう》という、勅使河原の中の断絶のようなものが埋まって消えた。
※第二話(110ページ)より引用
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2016-05-08
GWで登場人物図鑑の更新が終わりましたし、ぼちぼちレビューしようと思います。次でいよいよ最終刊です。つーかこのオールスターぶり、これをSN6にすれば良かったんじゃ…
前巻までの感想はこちら。
→【小説】サモンナイトU:X 界境の異邦人 レビュー | Y.A.S.
→【小説】サモンナイトU:X ―黄昏時の来訪者― レビュー | Y.A.S.
→【小説】サモンナイトU:X ―叛檄の救世主― | Y.A.S.
→【小説】サモンナイトU:X ―理想郷の殉難者たち― レビュー | Y.A.S.
サモンナイトU:X ―狂界戦争―
著者:都月景
レーベル:JUMP j BOOKS
価格:780円
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あらすじ
レイをどうにか退けたミコトは、その場にいたライと共に転移術で撤退する。ところが、転移した先は見覚えのないところだった。そこに現れたメイメイは、集められた当代の勇者たち―誓約者・ハヤト、超律者・マグナ、抜剣者・レックス、響融者・ライ―に対し、現在リィンバウムに迫る危機について話し始めた―
その頃、忘れられた島を襲撃した軍勢は、シルターンからの侵攻であることが判明。セイロンの策略により時間を稼ぐことは出来たものの、もはや世界全体に避けられない悲劇が迫っていることは明らかだった。
そんな状況下で、ついにレイは帝国軍を率いて聖王国と旧王国への同時侵攻を開始する。既に抵抗する力を失った旧王国に対し、聖王国は軍・派閥・冒険者の力を結集して抵抗を試みる。しかしレイの軍勢は圧倒的で、前線に出てきた聖王もついに膝を屈してしまう。レイがその命を奪おうとした瞬間、空が文字通り割れた―
メイメイが話したこの世界の真実、それは、度重なるリィンバウムでの戦乱や召喚術の乱用により、本来世界を見守るべき存在である界のエルゴたちが狂気に侵され、リィンバウムを破壊しようとしているという驚愕の知らせだった。リィンバウムの崩壊は始原のエルゴの崩壊を招き、そして始原のエルゴの死は他のすべてのエルゴと世界の死を招く。すなわち界のエルゴたちの行動は文字通り自殺行為に他ならないのだが、既にそれすらわからないほど界のエルゴたちは狂っていたのだった。メイメイは、このような時を予見してエルゴの王が残した「始原のエルゴの欠片」を使って界のエルゴたちと戦うのか、勇者たちに選択を迫る。
戦場に現れた界のエルゴたちは、直ちに虐殺を始める。レイはこのような時のために、世界を統一し、その力を束ねて抵抗する準備をしようとしていたのだった。こうして、後に狂界戦争と呼ばれる、リィンバウム最大の戦争が幕を開けたのだった。
感想
今回は濃いですねー。そしてついに、作中の5世界と、ハヤトが召喚された「名もなき世界」との関係が明らかになりました。どうしてハヤトが誓約者になったのか、なぜ名もなき世界の召喚獣は4属性の術を使うことが出来るのか、召喚術よりも強力な送還術が廃れてしまったのはなぜかなど、ずっと引っかかっていた謎がさっくりと解けたのはシリーズファンとしては嬉しかったですね。後書きによれば、後付け設定だそうですが、いいんだよ面白ければ!
そしてここでゼルフィルドの登場は熱いなぁ。SN2ではラスボスを倒すため特攻自爆という漢らしい最後を見せてくれましたが、ストーリーの都合上ほぼ無駄死にだったんですよね(パートナーをレオルドにするとその辺り救われるんですが)。ぜひメルギトスとの決戦時にも活躍して欲しいですね。
しかし敵が界のエルゴだったとは。「狂界戦争」という名前の時点で気づいてもよかったと思うのですが、全く気がつきませんでした。SN5を見る限り、界のエルゴを倒して収束させたわけではないと思うので、この戦争をどう終結に導くのか楽しみです。そしてしぶとく生き残ったシャリマと、再び暗躍を始めたメルギトスの動向も気になりますね。あとホクトとケイナ・カイナの再会も。
あと1巻で終わってしまうのは悲しいですが、この話についてはむしろ完結を見たいというのが正直な気持ちになっています。半年後(9月)くらいに出てくれないかなー。
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2015-10-04
ようやく登場人物図鑑の更新が終わりましたので、レビューしようと思います。既に発売から8ヶ月経ってるし、前巻の感想から1年以上経っているのですが…
しかし最近U:X関係の検索でこちらにたどり着いておられる方が多く、うれしい限りです。都月先生、新刊マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
あと「僕も既に購入し斜め読みくらいはしているのですが、きちんと読むのは今週末になりそうです。」と2月にコメントで言いながら完全に放置してしまい、申し訳ありませんでした >snさん
前巻までの感想はこちら。
→【小説】サモンナイトU:X 界境の異邦人 レビュー | Y.A.S.
→【小説】サモンナイトU:X ―黄昏時の来訪者― レビュー | Y.A.S.
→【小説】サモンナイトU:X ―叛檄の救世主― | Y.A.S.
サモンナイトU:X ―理想郷の殉難者たち―
著者:都月景
レーベル:JUMP j BOOKS
価格:780円
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あらすじ
クーデターで帝国を把握したレイは、ついに各地へ向けて行動を開始する。レルムの村を襲撃するソルと紅き手袋の暗殺者たちはハヤトたちとレックスたちによって、忘れられた島を襲撃した軍勢は抜剣者として覚醒したイスラによって退けられたが、かつての強敵たちが再誕したという事実は、不安をかき立てるのに十分だった。
一方単身派閥を抜け、サイジェントで保護されたクラレットは、弟キールの解呪に取りかかっていた。呪いの強力さに負けそうになったその時、ミコトの力により舞い戻った母ツェリーヌが彼女を救い、キールも無事呪いから解放されたのだった。
他方、シャリマたちは、強力な兵器ともなり得るラウスブルグを確保するために動いていた。メルギトスはラウスブルグを動かす古妖精の血を引くエニシアをとらえるためトレイユを襲撃。一方シャリマはトリスと共に、召喚兵器を率いてラウスブルグを襲撃していた。ラウスブルグの危機を知った仲間達の加勢、またメイトルパから現れた至竜コーラルの力により戦局は有利に運んでいた。城も膨大な魔力を有する謎の少女・フェアにより異界への撤退に成功。残されたシャリマも追い詰め、勝負は決した―かに思われた。
しかし、レイの登場により空気は一変。一方、転移の術を習得したミコトもその場に現れ、二人の制錬者は15年ぶりの再会を果たすのだった―
感想
今回一気に登場人物が増えましたね…。いきなり勇者たちの拠点が一斉に襲われるというなかなかショッキングな展開でした。勇者たちはかなりの力を持っているので、そこら辺の敵に苦戦してもらっても困るんですが、かといって敵もラスボス級なのであっさりやられると興ざめだし…というジレンマを上手く解消しつつ、拮抗する戦いを面白く描いて下さっているように感じました。しかしシャリマは強すぎだろ(純粋な人間の中では最強のような気がする…)。
メルギトスにしろシャリマにしろオルドレイクにしろ、どうしようもないほどの外道なのでカタルシスの得られる展開に期待していますが、レイの立ち位置はまだはっきりしませんね。おそらく次巻の冒頭辺りではっきりすると思いますが、それにより他のボスキャラたちの命運も決まるような気がするなぁ(レイの踏み台にされるか、因縁の敵と戦い華々しく散るか)。いずれにせよ次巻に期待です。
今回の見どころはやはりツェリーヌさんでしょうか。SN3ではオルドレイク全肯定という珍しいキャラ(部下でも全肯定している者はいないというのに)で、しかも無実の兵士達をあっさり虐殺したりしてまさに「死霊の女王」っぷりを遺憾なく発揮してくれました。しかし今回は普通の母親らしい感じでしたね…
こんなキャラだったっけ…とお思いのあなた、それではここでツェリーヌさん語録を振り返ってみましょう(以下、SN3や4のリメイク版で傀儡ユニットとして使った場合に聞ける会話です)。
ヤード
よろしいのですか?
我々に味方したりして・・・
ツェリーヌ
よいのですっ!
あの人には反省が
必要なのですっ!!
ヤード
ああ、夫婦喧嘩は
余所でやってほしい・・・
ミスミ
良人の過ちを正すのもまた
妻としての務めでは
ないのか!?
ツェリーヌ
あの人は間違っていません
余計なお世話です!
オウキーニ
勝ったらなんでも
ご馳走するさかい
気張ってやーっ!
ツェリーヌ
太っちゃったら・・・
どうしましょう・・・
ポムニット
で、本当のところはどうなん
ですか? 旦那様とは今でも
愛し合って・・・
ツェリーヌ
ですから、どうして貴女に
我が家の事情を赤裸々に語る
必要があるんですの!?
ポムニット
それが家政婦・・・
じゃなくって、メイドの習性
ですもので おほほほ!
ツェリーヌ
クビですっ、クビっ!
今すぐ出てってぇ~っ!!
…普通の妙齢の女性じゃん!
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2015-04-29
ブレセカ、1章が終わりました。どのジョブが有用なのか探り探りですが、とりあえず
- ユウ…主に魔法攻撃役。すっぴん→ウィザード→赤魔道士
- イデア…主に物理攻撃役。チャリオット
- マグノリア…主に回復役。ビショップ→ねこ使い
- ティズ…主に物理攻撃役。チャリオット→フェンサー
という感じで。
それはさておき、最近小説がたまりすぎているので、このGWに多少なりとも消化したいです。そんなわけでリハビリがてら短編小説を。
Steins;Gate 承認共鳴のパードン/承認共鳴のスーヴェニア
筆者:林直孝
レーベル:-
価格:-円(劇場版STEINS;GATEの付属ブックレット収録)
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あらすじ
《承認共鳴のパードン》
今日も今日とて岡部と天王寺は大げんか。ブラウン管工房でバイト中の萌郁は、かつて自分にラボメンバッジをくれて居場所を与えてくれた岡部のことを密かに心配していた。
萌郁は岡部の心がここから離れてしまわないよう、謝罪を勧めるメールを送るのだが―
《承認共鳴のスーヴェニア》
ラボメンの中で、最初に自分の友達になってくれた少女―椎名まゆり。何も含むところは無いはずなのに、萌郁はいつも彼女に後ろめたさを感じていた。しかしラボメンが8人そろう日を夢見るまゆりの前向きな態度に、次第に感化された萌郁は―
感想
劇場公開時に入場者プレゼントとして配布された、萌郁視点の短編です。↑のあらすじではずいぶんな引きにしてしまいましたが、このあと何か大きな事件が起こるわけでもなく締めに入るので、本当に短編というのにふさわしいでしょう。とはいえ、シュタインズゲート世界線の萌郁がどういう人物なのかをうかがい知る資料はほとんどないので、そういう意味では貴重です。萌郁がブラウン管工房でバイトすることになった経緯や、オカリンがラボメンバッジを渡した時のエピソードもちらっと書いてあります。
小説とは関係ないのですが、この付属ブックレットは小説の他にも、映画のあらすじ、TVアニメのあらすじ、ラボメンの中の人達のインタビュー、スタッフ3名のインタビュー、前売り券特典だったコラボ画集、40点以上の公式イラストなどが収録されていて見応えがあります。Amazonで半額なので、シュタゲ・ゼロまでにチェックしてみてはいかが?
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2014-06-14
状況を整理するために年表作ったりしてたら感想遅くなりました。「サモンナイトU:X」の最新刊です。
前巻までの感想はこちら。
→【小説】サモンナイトU:X 界境の異邦人 レビュー | Y.A.S.
→【小説】サモンナイトU:X ―黄昏時の来訪者― レビュー | Y.A.S.
サモンナイトU:X ―叛檄の救世主―
著者:都月景
レーベル:JUMP j BOOKS
価格:760円
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あらすじ
ケンタロウはその身に宿す不死身の加護によって、襲ってきた「再誕の制錬者」相手に善戦していたが、敵の力は圧倒的だった。
時を同じくしてマグナたちを襲った暗殺者の少女トリスは、父親の元へマグナたちを誘導する。そこに現れたのは、かつて傀儡戦争を起こし、マグナたちが多大の犠牲を払って打ち倒した大悪魔メルギトスだった。メルギトスは、トリスがクレスメントの末裔の肉体を利用して自ら作り出した人造生命体であること、そしてマグナも、失敗作から偶然から生まれた人造人間であることをマグナたちに明かす。激しく打ちのめされるマグナ。しかし去って行ったメルギトスに対する善後策を協議するため、ハヤトは単身レルム村へ、マグナとミコトたちは派閥への報告へ向かうことになった。
ミコトと別れてすぐに、再びトリスがその護衛獣であるレオルドとレシィと共にマグナたちを襲撃してきた。トリスは自分と同じ出自を持ちながら、幸せに生きていることが許せないとマグナに激しい憎悪をたたきつける。一方再誕の制錬者に接触し仲間となったシャリマは、デュウと復活した召喚兵器を戦線に投入。戦いは激しかったが、マグナとミコトの切り札が上回った。召喚兵器も倒し、戦いは幕を閉じたかに見えたのだが、シャリマはさらなる切り札である憑依武装で抵抗。毒殺されそうになったミコトを救ったのは、一時はシャリマの操り人形になっていたものの、非情には徹しきれなかったデュウだった。デュウはその身をミコトの盾にし、自らの魔眼をミコトに継承して息を引き取った。一方マグナもトリスを退けたものの、トリスはシャリマと、なぜかトリスに味方したネスティと共に姿を消した。
その後。オルドレイク、メルギトス、シャリマと戦力を充実させた再誕の制錬者―レイは、現皇帝マリアスから皇位を奪い、エルゴの王の血を引く者として、新たな皇帝として即位。そして大陸を力で統一することを宣言する。後に6つの世界を破滅に陥れる狂界戦争は、こうして幕を開けたのだった―
感想
ようやくメインキャラがそろい、大事件が転がり出しましたので、これで第1部・完というところでしょうか。今回もとてもおもしろかった。戦闘シーンがメインでしたけど、ゲームで使われたシステムを上手に演出に反映させていてわくわくする展開になっていました。しかしネスティに再び裏切り者の役目を負わせるところはちょっとかわいそうでしたけど。しかし本編であれだけのことをしておきながら、今回も(おそらくレシィに説得されたんでしょうが)マグナを裏切ったような姿を見せたのはなんでなんでしょうか。これはちょっと納得出来る理由付けが必要ですよ。
その他、細かい伏線が回収されていましたね。やはりパッフェルさんの過去が明らかになったのは大きい。ていうかやめてー!これ以上パッフェルさんをかわいそうな目に遭わさないでー!という僕の心の叫びもむなしく不幸てんこ盛りでした。(ただパッフェルさんの○○はまだどこかで生きているんだよね?)。その他、スカーレルとパッフェル、スカーレルとローカス、シャリマとバルレルとデュウなどの意外なつながりもへーほーなるほどと感心しきりでした。
たしかにSN1のバルレル夜会話で、
前の主人ってのは、テメエの百倍はひでェヤツだったぜェ…
研究だかなんだかしらねェが、呼ぶたびオレの身体を切り刻みやがって…
悪魔だって、痛ェもんは痛ェんだぞッ!?
っていうやりとりありましたね。
それにSN1の最終決戦で、オルドレイクがサモナイトソードより強い「覇王の剣」を落としたりしたのも…
まぁとにかく、シリーズのファンでこの小説を読まないという選択肢は無いと思います。それくらいおすすめです。
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