2019-06-17
帰ってきました。TOVのプレイ日記はおそらく明日で完結できると思います。KH3も明日にはトロコンできそう。これでようやく積みゲー崩しに入れます。これからは「閃の軌跡Ⅲ」と「うたわれ斬」をプレイ予定。
さて、こちらに戻る前に時間が空いたので、池袋の劇場で映画を見ることにしました。
やはりグレンラガンファンとしては今石×中島のこれは見逃せないですよね(キルラキルは見逃したくせに
プロメア
監督:今石洋之
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あらすじ
30年前、突然変異で誕生した炎を操る〈バーニッシュ〉により、世界の半分は消失した。自治共和国プロメポリスの司政官クレイ・フォーサイトが結成した消防隊〈バーニングレスキュー〉は、バーニッシュを率いて各地で火災を起こすテロ組織〈マッドバーニッシュ〉のリーダー、リオ・フォーティアの逮捕に成功する。それはバーニングレスキューの新人で熱い火消し魂を持つ男ガロ・ティモスとの出会いでもあった。
しかしリオは捕らえられていたバーニッシュを引き連れて脱走する。それを追ったガロが目撃したのは、人間と変わらず懸命に生きるバーニッシュの姿だった。そしてリオから、クレイがバーニッシュを捕獲し人体実験を行っていることを聞かされる。
幼い頃クレイに命を救われたガロは、真実を確かめるためクレイの元へ向かうのだが、そこでは―
感想
一言で言うと、「ドリルを炎に置き換えたグレンラガン第3部」というところでしょうか。ストーリー自体は非常に単純な構造になっていて、伏線を含め驚かされるような展開はありませんでしたが、とにかく熱い。炎の熱さと男の熱さが相まって、息をつくまもなくエンディングまで一直線です。敵もきちんと正義らしきものを持ってはいるんですが、正義と正義のぶつかり合いすら吹き飛ばすほどの熱量をスクリーンから感じます。
女の子もカワイイ(あやねると小清水姉さんだし)のですし、序盤でちょっとロマンス的な展開があったのですが、あとはひたすら男とロボが暴れ回るだけの映画。だがそれがいい。グレンラガンが好きだった人には是非見て欲しいし、この映画が肌に合った方には是非グレンラガンも見て欲しい。
映像は新海作品のような光を美しく描いた写実的な感じではなく、原色で陰影を際立たせた感じになっていますが、それも作風に合っていて良かったですね。
今回は主なキャラクターは俳優、サブキャラは声優が声を当てていたのですが、主演の松山ケンイチ氏はさすがだったと思います。クレイ役の堺雅人氏も落ち着いた演技で妙な説得力がありましたね。ただやはり俳優陣と声優陣の演技の差が気になった箇所はいくつかありました。
そのほか、主人公が見得を切って口上を述べる、突如始まる宇宙展開、熱い男たちの友情タッグロボ、敵ボスとの肉弾戦、そしてやっぱり出てきたドリルなど、中島節も全力全開です。是非劇場へどうぞ。
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2017-03-13
Amazonプライムで公開中の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が今月末で公開中止っぽいので、駆け込みで視聴してきました。
バック・トゥ・ザ・フューチャー
バック・トゥ・ザ・フューチャー PartⅡ
バック・トゥ・ザ・フューチャー PartⅢ
レビュー
不朽の名作ってこの映画のためにある言葉なんだなぁ…と思い知らされました。
僕がこの映画を見たのは公開直後の小学生の頃です。父親もこの映画が好きでビデオに録画していたので、何度も見ました。セリフ回しも結構細かいところまで覚えてたんですよね。今回見たのは20年ぶりくらいだと思いますけど、今見直しても最高の映画でした。子供ながらに、「なんでドクはⅠのラストシーンで、避雷針と次元転移装置を直接ケーブルで繋がず、あんな一発勝負の方法を採ったんだろう」と思ったことは覚えてます(未だにその理由はよく分かりませんが)。
Ⅰが名作で、ⅡⅢは駄作みたいな風潮がありますけど、ⅡⅢも十分すぎるくらい面白かったです。
マーティ達が行った2015年はもう過ぎてしまいましたけど、空飛ぶ車、ホバーボード、完璧に的中する天気予報以外の未来予想図は大体あってるのが怖いくらいです。
僕の中ではマーティは三ツ矢雄二さんだったんですけど、Amazonプライムの吹き替えは山寺宏一Ver.でした。でもそれもいいです(織田裕二版は昔聞いたことありますけどあれはフォロー不能)。でもドクは青野武さんの声で記憶してるんですよね…(三ツ矢Verのドク役は穂積隆信さん)なぜだ。
やはりBD-BOXを購入すべきか。この名作が3500円は安すぎる。あと週刊 バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアンもちょっと悩みましたが、全130巻とかいくら何でも高すぎる。総額23万円強なんですが…
※週刊~は1/8モデル、総重量約8キロの巨大な品物なので、それを考えると高すぎるわけではないです。あくまで趣味の品としては高いというだけで…
2016-10-16
今日も予定がなかったので、池袋の映画館で見て来ました。カップルばかりでいたたまれない…!
軽くネタバレしているところがあります(核心には触れてないはずですが)。
君の名は。
監督:新海誠
公式:映画『君の名は。』公式サイト
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あらすじ
山深い田舎町に住む少女・三葉は都会に憧れるごく普通の女子高校生。ある時、自分が東京に暮らす男子高校生になり、そこで自由に暮らす夢を見る。一方、東京に暮らす男子高校生・瀧も、自分が田舎町に住む女子高校生になっている夢を見ていた。繰り返される夢に、いつしか二人は気づくようになる。自分たちが見ているのは夢ではなく、お互いの心と体が入れ替わっているのだと。
二人はスマホを使ってお互いの経験を共有し、奇妙な共同生活にも次第に慣れていく。しかしある日を境に、入れ替わりは起こらなくなってしまった。夢のように急速に薄れていく記憶をもとに、瀧は三葉が住んでいる街を訪ねようと決心する。しかし、たどり着いた先に待ち構えていたのは、想像を絶する現実だった―
感想
「おれがあいつであいつがおれで」だと思ったら、まさか○○○○○○○ものだったとは。
これだけ世間で評判となっている映画だから、見ておいた方がいいだろう、という軽い気持ちで見に行った映画ですが(新海作品も初めてです)、とても面白く楽しめました。監督自身、「見たときに「ああ、楽しい映画だった!」って思っていただける事が何よりも大切です。」とインタビューでおっしゃっていましたが、その通り、ストーリーは分かりやすく、かといって単純というわけでもなく、伏線も目立たない程度にちりばめられていて、キャラも生き生きと動き、前半のコメディタッチな日常生活も、後半の怒濤の展開も、全てが綺麗に繋がっていて、人気が出るのもわかる気がしました。ビジュアルの美しさについては今さら僕が言うまでもないでしょう。
特に中盤で大きな謎が明かされるシーンはぞくぞくしましたね。ぼくはその少し前、瀧が三葉のメッセージに対し「何言ってるんだ?」と独りごちたシーンで冒頭のシーンが伏線だったことに気づき謎が解けたんですけど、それでもやはり現実がビジュアルで突きつけられるシーンは衝撃的でした。あと瀧・三葉それぞれの友情劇もよかったですねー。どっちも友達に恵まれすぎでしょー。ほんとリア充爆発しろ!
ただ、個人的には、青春映画としては細田監督の「時をかける少女」の方が好きです。ただ、これは作品の優劣というよりは、僕が両方の作品に触れた年齢が強く影響しているような気がします。なんというか、おっさんになると、甘酸っぱい青春はもう感情移入しづらいというかなんというか、どこか冷めた目で見てしまうところがあるんですよね。もう10年前に出会っていれば、もっと高評価だったかもしれません。あと最後の二人の作戦がなんで成功したのか(つまり三葉の父親が…したのか)、その辺りがやや曖昧に描かれてしまったのはちょっと残念だった気がします(もっとも、説得的に描こうとすると尺が足らないとは思いますが)。
中の人も、主人公、ヒロインともに本職ではありませんでしたが、十分に楽しめるレベルに達していたと思います。特に今回は入れ替わりものということで高い演技が要求されたわけですが、主役の微妙な気持ち悪さ(男なのに心が女なので)含め、良い感じでしたよ。ただヒロインの友人の少女役の悠木碧さんが、演技うますぎて、主人公たちを若干食い気味になっていた感はありました。
とはいえ、全体としてみるとすばらしい映画だったことには変わりなく、アニメ映画だからと言って敬遠している方も一度は劇場に足を運んでいただきたい作品だったのは間違いないです。過去の新海作品もちょっと目を通してみようかな。
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2016-01-24
東京にいるにもかかわらず、どうしても見たくなったので錦糸町の映画館に行ってきました。朝から。
劇場版「ペルソナ3」 #4 Winter of Rebirth
監督:田口智久
公式:劇場版「ペルソナ3」 公式サイト
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あらすじ
12月2日。理、アイギス、そして望月は、10年前の記憶を取り戻した。美鶴の祖父が集めたシャドウ、それは滅びをもたらす究極のシャドウ「デス」を召喚するためのものだった。しかしゆかりの父親の抵抗により事件は失敗。不完全な形で産み落とされたデスは12の大型シャドウに分散し、本体はアイギスと交戦して倒され、彼女の手によって、偶然現場にいた理の中に封印されていたのだった。そして理がこの街に戻ったことで大型シャドウが目覚め、それをS.E.E.S.が倒すたびに、デスは力を取り戻していたのだ。望月は、自分こそが理の中に眠っていた「デス」そのものであることを明かす。そして自分は死をもたらす「ニュクス」の到来を告げる宣告者であり、ニュクスが降臨すればこの世界の全ての命は死に絶えることを告げた。そして、理に、死の運命はもはや避けられないが、自分を殺せば、影時間に関する全ての記憶を忘れ、死を迎えるその日まで穏やかに過ごせるだろう、と告げて去って行った。
ニュクスは「死」の概念そのものであり、決して倒せないことを知って、絶望にうちひしがれる一同。終わりが近づくにつれ、世間を騒がせていた無気力症はますます蔓延し、世の中全てが不穏な空気に包まれていた。S.E.E.S.の面々も例外ではなく、次第に諦念が支配していく。理も、望月を倒すべきかそうでないのか、答えは見いだせずにいた。
12月25日。突然現れたエリザベスは、街を案内してくれるよう理に頼む。天真爛漫なエリザベスは理を振り回すが、最後の意味深な言葉に理は気づかされる。自分は10年前から本当の意味で生きてはいなかった、しかしこの街に来てようやく、仲間達との出会いを経て、生きることを始められたのだ、と。そして仲間達も、これまでの大切な人との思い出から、それぞれ生きる意味を再確認し、立ち上がろうとしていた。
12月31日。最後の決断を迫りに来た望月に、理は望月を殺すことなく、最後まで運命に抗っていくことを宣言する。S.E.E.S.の面々も皆同じ気持ちだった。しかし万が一ニュクスを倒すことに成功しても、影時間は消え、これまでの記憶は全て無くなってしまう―一同は、必ず記憶を取り戻せると信じ、卒業式の日に学校の屋上で再会して、満開の桜を見ようと誓うのだった。
1月31日、望月に教えられたニュクスの降臨場所―タルタロスの屋上へと一同は向かっていた。強力なシャドウやストレガの襲撃に苦しみ、足止めを買って出た仲間と別れながら、理は屋上にたどりつく。そこに待っていたのはニュクスに取り込まれた望月―ニュクス・アバターだった。圧倒的なその力の前に、ペルソナを覚醒して応戦する理。しかし仲間達の力を結集しても、ニュクスを倒すことはできなかった。ニュクスの本体である月が地上に迫り、次々と倒れる仲間達を見ながら、理は自分の全てと引き替えにしても、この世界を救いたいと強く願う。その願いが彼の中に眠る最後のペルソナ―ザ・ユニバースを呼び起こし、理はニュクスを封印するのだった。
3月5日。一同は卒業式に出席していた。記憶を失っていた彼らだったが、空に舞う桜の花びらをみた途端に、全てを取り戻す。そして屋上に向かうと、そこに待っていたのはアイギスと、自らの役割の終わりを知って眠る、結城理の姿だった。
感想
すばらしい映画でした。これまでの3作どれも全て良かったですけど、最後は本当良かった。1本の映画で、2回泣いて2回泣きそうになったのは初めてです。これまでの3作をBDで見ている人でも、最後だけは劇場に足を運んでみて下さい。
今作は、エンディング以外はすごく王道のストーリーなんですよね。友の裏切り、主人公に委ねられる重大な選択、死者の言葉や思い出が救いとなる展開、ここは俺に任せて先に行け、ピンチに真の力が覚醒、ロボの涙、記憶の喪失と復活などなど。悪く言えばどこかで見た展開が目白押しです。でもそれが圧倒的な説得力をもって描かれているため、「陳腐」ではなく、堂々たる「王道」として楽しむことが出来ました。
特に仲間達が絶望から復活するシーンは本当に良かったです。ああいうシーンは、あまり描きすぎると主人公がかすむし、かといってあっさりすませると盛り上がらないしでさじ加減が難しいところだと思うんですが、その辺りのバランスもすばらしかったです。前3作で、彼らと大切な人達との思い出を描くのに十分な尺をとっていたからこそ、このシーンが胸に迫るんですよね…美鶴のシーンは泣いたよ…
また理復活のシーンでエリザベスを持ってくるのも憎いところです。あそこで理が自力で立ち直っちゃうと興ざめですが、かといって助けに来られる仲間もおらず(全員絶望に沈んでいるので)、どうするかなーとおもっていたのですが、超然としていて、それでいて理のことを本当は想っている彼女はまさに適任だったと思います。
そしてラストのアルカナバトルを省略なく描いたところもすごい。あれはゲーム的な演出で、実際に映像化すると地味な絵面になるのは分かっていたのに、きっちりやってくれましたね。それに仲間のペルソナの覚醒を被せてきたりするのもわかっているとしか。エンディングもゲームのテイストを生かしたよい終わり方だったと思います。あのシーンの解釈については、是非劇場でパンフレットを購入してみて下さい。まぁ最後にエリザベスがワンカットだけ登場するので、わかる人には分かると思います。
そんなわけで、1年半待ったかいのある、すばらしい映像化でした。P3はP4に比べてストーリーが暗いし、人間関係もぎすぎすしているのでどうなることかと思っていたのですが、P4に並ぶ名作になったと思います。今作のBDが出たら、全4作を通して視聴してみるつもりです。その前に第3作のBD買わなきゃ。
オーディオコメンタリー感想(2017-07-17追記)
今回の参加者は、理役の石田彰氏、アイギス役の坂本真綾氏、第4章監督の田口智久氏、アニプレックスの足立Pという、「最終回だから真面目なコメントを期待されている」メンバーでした。(ところで坂本真綾さんの名前を今まで「↓ま↑あ→や」というアクセントで読んでいたんですけど、「↑ま↓あ→や」が正しいみたいですね)
面白かった話としては、「オーディオコメンタリーのメンバーはその時々でホットなメンバーを選んでいる」「上映後にやった舞台挨拶は(観客が泣いていたりして)正直でづらかった」「(石田)脚本家の人はこういうシーン(理と綾時の一人二役シーン)を避けて書こうとか思ってくれないんですかね」「(坂本)ひさしぶりにシリアスで人間のアイギスを演じたけどやはり難しい」「声優の演技を聞いて絵の表情を変えたりすることはよくあった」「(田口)ゲームと映画を同じ印象にしたいと思って作った」「(田口)スタッフから(作画が大変なので)この雪はいつ止むんだと言われた」「(石田)P3をプレイしていると中の人の顔が脳裏に入ってくるので、メインの人たちは外してコミュを進めていた」「(坂本)それ声優あるあるですよね」「(石田)コロマルの人気が高すぎて嫉妬」「コロマルの声優が秘密なのは大人の事情。きちんと中の人はいる」「(石田)一番好きな台詞は、エリザベスのデートの最後に言う『そう 満足?』」「屋上で再会を誓うシーン、空の色が常にグラデーションで変化していっているところに注目してほしい」「ラストシーンはキャラクターの主線の色を変えているので明るい雰囲気になっている。監督ではなく色彩設定さんのこだわり」「(田口)業界入るまでP3のことは知らなかった。今年31歳。」「ラストシーンの解釈はそれぞれしてほしい」「ラストシーンのエリザベスのその後をアトラスさんに描いてほしい」などでした。
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2015-04-22
つーわけで早速劇場に乗り込んできました!しかし最近のパンフレット、1000円もするのね…確かに内容は充実してるけど。
劇場版「ペルソナ3」 #3 Falling Down
監督:元永慶太郎
公式:劇場版「ペルソナ3」 公式サイト
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あらすじ
11月3日。ストレガの妨害はあったものの、S.E.E.S.の面々は最後の大型シャドウを倒し、ストレガの一員であるチドリを人質として拘束する。これで影時間もタルタロスも消える―浮かれる一同だったが、その日も変わらず影時間はやってきた。響き渡る鐘の音に導かれて一同がタルタロスへ駆けつけると、そこに待っていたのは幾月理事長、そして彼の操り人形と化したアイギスだった。幾月は美鶴の父を人質に一同を拘束し、S.E.E.S.を騙して世界を滅びにもたらすために利用していたことを明かす。アイギスの自意識と、美鶴の父の命を犠牲にした反撃により幾月は倒されたが、またも大切な人を失ってしまったこと、そして戦う理由が分からなくなってしまったことで一同は深く落ち込む。中でも荒垣の死に責任を感じていた理は深くふさぎ込み、人との繋がりを拒絶してしまう。
その翌週。理のクラスに転校生・望月がやってきた。どこか浮き世離れした感じと、ファルロスに通じる風貌を持つ彼は、瞬く間にクラスの人気者となったが、アイギスは理由もよく分からないまま彼を拒絶する。しかしそんなことにはめげず、時に強引なまでに理に近づいていく望月に、誠の心も次第に開かれていく。ゆかりと美鶴、順平とチドリ、真田と荒垣、風花と夏紀―不器用にぶつかり、時に別れを経験しながらも、人との繋がりが「絆」を残してくれることに気づいた理は、再び笑顔を見せるようになった。
しかし修学旅行の最終日。チドリは入院先の病院から姿をくらましてしまう。チドリと交友を深めていた順平はそれにショックを受ける。タカヤとジンにそそのかされ、S.E.E.S.の面々と対峙するチドリ。順平の決死の説得に、チドリも戦いの手を止めた。しかし安心したのもつかの間、タカヤの凶弾が順平の胸を貫いた。チドリは自分の能力を使ってその生命力を分け与えることで彼を蘇生させ、自分は静かに息を引き取った。「ありがとう…」という言葉を残して。
12月2日、満月の晩の影時間。理、アイギス、そして望月は、時を同じくして唐突に10年前の記憶を取り戻す。10年前、対シャドウ特別制圧兵装であるアイギスは、最強のシャドウであるデスと戦い、これを封印した。そして、アイギスは望月こそが封印されたデスであることを見抜き、自らの使命に従って単身望月に戦いを挑む。その場に駆けつけた理が見たのは、地面に倒れ伏すアイギスと、それを見下ろす望月の姿だった。
一方、美鶴たちも幾月の残した資料から、真相にたどり着こうとしていた。幾月の目指す「滅び」とは何だったのか―
感想
今回はさらに駆け足でしたけど、その分密度も濃くて面白かったです。ただ「順平とチドリの接近」「チドリに拘束される順平」「真田の妹の死」などのエピソードがカット1枚やセリフ1つで説明されているところもあって、さすがに原作を知らないとわかりにくくは感じました。この辺りは多分DC版で補填されるでしょう。しかしそれを差し引いても文句なく面白かったです。今回も特にアイギスが大活躍でしたね。っていうか単純な物理的火力はアイギスが敵味方の中でも突出してるんだし、マトモにペルソナバトルに付き合わなくても、ペルソナ使いにガドリングをたたき込めばジ・エンドのような気も…それは言わぬが花か。なお右上のようなギャグではない入浴シーンもありますよ!(※一応知らない人が僕の品格を疑わないように注釈付けておきますが、アイギスはロボです)
そしてもちろん修学旅行のあのシーンもあります(美鶴の「処刑」といえばお分かりでしょう)。理が元気を取り戻したことを象徴するシーンであることもあって、かなり濃密なギャグに仕上がっていますので是非笑ってください。
そして泣けるシーンも満載です。特に真田が荒垣の棺の前で泣くシーン、そして順平がチドリの遺品であるスケッチブックをめくるシーンでは不覚にも泣きそうになりました。最後にあのイラストはずるいよ…
言うまでもなく、声優さんの熱演もすばらしかったです。石田氏の一人三役、緑川氏の泣きの演技、田中さんの心を奮い立たせるような檄、沢城さんの精神的に不安定な女性の演技など聞きどころ満載でした。
いよいよ次回が完結編。Coming Soonの表示もありましたし、パンフレットで足立Pが「それほどお待たせせずにお届けできるよう、ラストスパートをかけていく」とのことでしたので、今年中くらいに完結するといいなぁ。もちろんBDも買います!
追記:オーディオコメンタリー感想(2016-02-29)
今回の参加者は、理役の石田彰氏、美鶴役の田中理恵氏、ゆかり役の豊口めぐみ氏、風花役の能登麻美子氏、チドリ役の沢城みゆき氏、というSNS一切やってない自称アナログ集団です。
面白かった話としては、「(沢城)でも順平の声を聞くとすぐスイッチが入る。石田さんがしゃべっててもふーんとしか思わない」「第3章はゆかりは別録り」「(沢城)チドリは自分の中ではヒロイン中のヒロイン。恋についてしか考えなくていいから」「石田さんはすごく頭皮に気を使っている」「石田さんは髪の毛を背中くらいまで延ばしていた時期があったが、暑さに耐えかねて切った」「(能登)血液型O型だと思ってたら最近A型だと判明した」「ゆかりは左手で美鶴をビンタしているが、これは川の方向から叩きたいという演出の都合(ゆかりは右利き)」「石田氏はカレーとピラフとハンバーグが好き」とかですかね。
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2015-04-20
既に第3弾が劇場公開中です。ようやくこれで劇場へ行けそうです!
劇場版「ペルソナ3」 #2 Midsummer Knight’s Dream
監督:田口智久
公式:劇場版「ペルソナ3」 公式サイト
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あらすじ
シャドウとの戦いが激しくなる中、S.E.E.S.の面々は美鶴の招待で南の島のバカンスへ来ていた。その晩、美鶴の父は過去の桐条の罪について語り始める。美鶴の祖父はシャドウの力を利用しようと大量のシャドウを集めていたが、事故により集めたシャドウが拡散。それ以来、12体の強力なシャドウが影時間に出現するようになった。そしてその実験にはゆかりの父も参加していたらしい。落ち込むゆかりは一人で飛び出し、追った結城と共にシャドウの襲撃を受ける。絶体絶命のピンチを救ったのは、結城が昼間に出会った少女だった。
少女の名はアイギス、対シャドウ兵器として開発された機械少女だった。「私の一番は理さん、あなたのそばにいることだ」と言い、アイギスも共に戦うことになった。大型シャドウを全滅させれば影時間もタルタロスも消えるらしい…理事長の言葉に色めき立つ一同。
一方、影時間に起きたことが他人に認識されないことを利用し、殺人を行う3人組がいた。タカヤ、ジン、チドリと名乗る3人はストレガと名乗り、かつてS.E.E.S.にいた荒垣に接触し、S.E.E.S.の目的を探っていた。
その頃、2年前に母親をシャドウに殺された小学生・天田乾は、ペルソナ能力に覚醒し影時間に彷徨っていたところを、荒垣に保護される。天田、そして同じく影時間にも対応する犬・コロマルを加えた一同は、残り6体のシャドウ殲滅を誓うのだった。
8月6日の満月の日、巨大シャドウを倒すために出撃したS.E.E.S.を、タカヤとジンが襲撃する。2人は影時間を消されては困ると言い放ち、戦いをしかけてくる。シャドウとストレガ、双方を同時に相手にしたS.E.E.S.は苦戦するが、そのピンチを救ったのは荒垣だった。
彼も仲間に加え、夏休みを満喫する一同。天田は荒垣に懐き、順平は街でチドリと出会う。そして結城は、影時間が無くなったあとの自分の存在意義について悩む。その疑問は仲間達の心にも波紋を投げかけていた。そして9月の戦いでは、荒垣のシャドウが暴走し、天田は自分の母親の命を奪ったのはシャドウではなく、暴走した荒垣のペルソナだったことを思い出す。
そして10月4日、満月の晩。天田は母の命日であるその日に、単身荒垣を呼び出す。母の敵を討とうとする天田の前に、タカヤが現れ2人を射殺しようとする。しかし、荒垣は天田をかばって銃弾を受け、「憎しみを力に変え、これからのために生きろ」と言い残してこの世を去った。初めて目にした仲間の死―それは、結城の心に深い影を落とすのだった。
感想
サブタイトルは「A Midsummer Night’s Dream」(夏の夜の夢)のオマージュですね。Knightはアイギスのことかな?
冒頭からゆかりのシャワーシーンです。実は敵の精神攻撃だったのですが、結構生々しくてびっくりしました。ゲームではタオルを巻いているバストアップイラストがあるくらいでしたからねぇ。
今回の見どころはやはりアイギスのアクションでしょう。オルギアモードも再現されていて、その無双ぶりを楽しめます。どう考えても弾丸として射出している鉄量と、彼女のボディの容積が釣り合っていない気がするのですが、そこら辺はスルーで。かっこよければいいんだよ!でもアイギスがオルギアモードを発動したチャリオット戦で、ストレガが毒ガス排出装置を作動させていたのはどういうことなんだ(影時間中は、機械は動かせない)。
天田には、当初母親の死の真相を知らないという設定が加えられ、本来のキャラクター設定である礼儀正しい少年としての場面が多めに描かれてました。年相応の姿も見せたりして、余計後半の悲劇が引き立ちます。緒方さんの名演も聞き所です。
夏休みはイベント絵がいくつか登場しますけど、学外コミュが多数網羅されていたのも原作ファンにはうれしいところ。学内コミュも結構残っていますが、これは#3で回収されるのかな。
今回は比較的シリアスな場面が多かったですが、家政婦アイギスは見たなどのネタも差し込まれていて、終始暗いという感じではなかったです。もちろん最後の荒垣の死は重い場面ですが、これもそれまでの人間関係をきちんと描いていたこともあり、単なる悲劇では終わらない、印象的なシーンに仕上がっていました。P3Pでは生存ルートもありますが、これはこのままでよかったのではないかと。非常に続きが気になる終わり方でもあるので、早く#3を見に劇場に足を運びたい!
そして主人公の葛藤が描かれ始めました。当初は超然としてた彼が、#1で人間性を持つようになり、#2でまた元に戻ってしまう。しかし完全に元に戻ったわけではないでしょう。「失うのが辛いから」ということで引きこもっていること自体、彼が変わったことの証拠だと思います。次回作で華麗に立ち直ってくれることを期待しています。
オーディオコメンタリーは石田彰氏(結城役)、緒方恵美さん(天田乾)、田口監督、足立Pの4名です。今回もしゃべり慣れてる人が多くて面白かったですねー。面白かったネタとしては、
- 田口監督は冒頭のシーンのため、ラブホテルに一人で入った。領収証は会社持ち。なお屋久島ロケは予算が出なかった。
緒方さんはもう諦めてるけど、石田ボイスでラブホラブホ言うのはやめて!
- 冒頭に登場するラブホは、P4の修学旅行で登場したシティホテルと同じ。
- 美鶴が父親のところへ挨拶に行くシーンや、夏休みのイベントスチル絵、暴走した荒垣を真田が探すシーンは、DC版で追加された。
- 緒方さんがテレビアニメでキャラにきちんと声を合わせていけるのは3クール目くらいから。
- コロマルの声は、ゲームではSEだが、劇場版は役者の肉声。
- 主人公がアイギスと初めて会うシーンで、主人公の右目が一瞬見える。
- 荒垣は薬の副作用で体温調節がうまくできないため、厚着をしている(公式設定)。
などがありました。
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2014-06-21
既に第2弾が劇場公開中です。第1弾は劇場に行けなかったので(当時まだP3Pをプレイしていなかったため)、BDを買いました。
劇場版「ペルソナ3」 #1 Spring of Birth
監督:秋田谷典昭
公式:劇場版「ペルソナ3」 公式サイト
あらすじ
私立月光館学園に転校してきた少年・結城理は、引っ越し早々謎の怪物・シャドウに襲われる。何かに引き寄せられるようにペルソナの力を覚醒した結城は、シャドウを撃退するも、そのまま気絶してしまう。
一週間後、目覚めた結城は、同じ寮に住む同級生の岳羽、上級生の桐条と真田から、事情の説明を受ける。彼らS.E.E.S.―特別課外活動部は、毎晩深夜12時に訪れる一般人には知覚出来ない「影時間」に対する適性と、そこで跋扈するシャドウに対抗する力を持ち、人を襲うシャドウと日夜戦っているのだという。同じ力を持つ結城も、誘われて戦いに身を投じることになった。
戦闘では圧倒的な力を持ちながらも超然とした態度を崩さず、自らの生死にも無頓着な結城は、岳羽や新たに仲間になった同級生の伊織からも好意的には見られず、当初は衝突を繰り返す。しかし結城も次第に心を開くようになり、戦いを経てお互いを認め合っていった。そんな中、影時間に取り込まれてしまった少女・山岸を助けに行った時に現れたシャドウは非常に手強く、全員の力を合わせても苦戦は免れない敵だった。しかし、友情の力が結城のペルソナを後押しし、山岸の覚醒もあって辛くも勝利を収めることが出来た。
後日、無事に救出された山岸を見た結城は、初めて笑顔を浮かべるのだった。
感想
P3Pのプロローグ~風花加入までを映像化した劇場版です。なので荒垣はちょい役で、コロマルとアイギスはほとんど登場しません。
P3Pの主人公は無口キャラだったのでどう描かれるか気になっていたんですけど、そのまま無口主人公でした。でも戦闘では独壇場で、主人公らしくおいしいところを持って行ってくれましたので、存在感は十分だったと思います。
まだ第一作なので仲間たちはお互いに心を開ききっていないものの、それもPQとのギャップがあっていいです。P4Gみたいにパーティみんながすごく仲良しっていうのもいいけど、こうやってぶつかりながらお互いの絆を強めていくっていうストーリーもいいですよね。特に初めてみんなが力を合わせて敵と戦う最後のシャドウ戦はめっちゃ熱かったです。
OPで他のPCキャラの紹介の日常(やおそらく本編では出番がないであろうコミュキャラ)が描かれたり、ゲーム本編と同じ曲が使われたりと、原作ゲームファンにもうれしい仕掛けもたくさんあります。
劇場版だけあって作画のレベルも高く、画面もペルソナらしい独特な雰囲気がよく出ています。音楽のことも含め、ペルソナ3を楽しめた人なら十分おすすめの作品です。
なお、BDにはオーディオコメンタリーが収録されていますが、キャストではなくスタッフコメンタリーなので、声優ファンの方は要注意。個人的には製作裏話が充実していておもしろかったですけど。