2023-06-02
【ゲーム】Xenoblade3 新たなる未来 レビュー
ゼノブレ3のDLCですが、システムが大きく異なるので独立した形でレビューします。
Xenoblade3 新たなる未来
プラットフォーム | Nintendo Switch | |
ジャンル | コンピュータRPG | |
価格 |
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公式 | Xenoblade3(ゼノブレイド3) | Nintendo Switch | 任天堂 | |
プレイ時間 | 1周目:42時間(本編クリアまで) |
ストーリー/キャラクター
- アイオニオンと呼ばれるこの世界では、ケヴェスとアグヌスという二つの国の果てしない戦争が続いていた。とある戦場で出会ったケヴェスの兵士ニコルと、アグヌスの兵士カギロイは使命に従って殺し合うが、そこにマシューという名の青年が二人の戦いに割って入った。そして本当の敵はほかにいるといい、彼らを戦いの運命から解き放つのだった―
- ということで、ゼノブレ3の前日譚を描く物語です。この世界に来ているはずの1や2の関係者はどうなったのか、シティーに銅像が飾られている「始祖」とはどういう人たちだったのか、そしてメビウス・エヌがシティーを襲撃した目的は…3本編では語られなかった物語が短い尺ではありますが濃密に描かれます。
- 最終的にめでたしめでたしにならないことは分かっていたので、2のイーラ編みたいに暗い雰囲気の物語になるのかと心配していましたが、キャラクターたちはみんな前向きで明るく、ストーリーも悲劇的な終わり方をするわけではなかった(というより3本編のエンディングを大いに補完するものになっている)のがよかったですね。
- 新たに登場した主人公マシューも快活で気持ちいい青年でありながら、仲間の心に気を配ったり、焦りのあまり余裕が無くなったりと等身大の人間としても描かれていました。そんな彼を隣で支えるクール美女・エイや、コンプレックスを抱えながらも前向きに生きるニコル、最初はツンツンしているものの自分から心を開いていくカギロイなど仲間達もよかったです。
- そして1の主人公・シュルクと2の主人公・レックスの成長した姿を見られたのはやはり嬉しかったです。彼らも物語が始まるまでかなりつらく、厳しい人生を歩んできているはずですが、体に残る傷以外にそれをうかがわせる様子はなく、あくまで彼らが若かりし頃と同じ精神を保っているのが分かってよかったです。
- 欲を言えば、シュルクとニコル、レックスとカギロイが交流するイベントがもう少しあった方が、エンディングの4人の決意に説得力を持たせられたと思います。とはいえDLCとしては十分なボリュームなので、これは無い物ねだりというやつですかね。
- まあ一言で言うと、カギロイ最高!って事なんですけどね(え 最初はツンツンしてキャンプも脱走するほどだったのに、ニコルと仲良くなってからは自分から心開こうとしてるし、マシューとは仲良くなっても時折口の悪さが思わず出るのもかわいい。
システム
- システム的にはオーソドックなRPGですが、相変わらずフィールドは美しくそして広大で、歩き回るだけでも楽しめるようになっています。1や2で見た風景が原形を色濃く残した状態で目の前に現れると、過去作のプレイヤーならきっと感動できると思います。「キズナビュー」という、景色を眺めながらキャラクターたちが裏話をするというイベントも準備されており(ムービーなのでムービーシアターに記録してほしかった)、2倍楽しめますよ。
- メインストーリーもかなりボリュームがありますが、それにプラスしてクエストも多く用意されています。今回もヒトノワという、人間関係を記録していく機能があり、クエストの進行によって彼らとのキズナをつなげていくのは面白かったです。3本編はNPCも非常に多く、NPC同士の関係も変化していきましたが、今作ではプレイヤーとNPCの関係だけが変化し、NPCの数も控えめです。しかしその分、名前を聞けばどんなキャラかすぐ思い出せるくらいの大きさのコミュニティになっていて、ボリュームが足りないとは思いませんでした。
- それにモンスターやマップ埋め、アイテム回収などがキズナビリティというコンプリート要素になっていて、要素を集めてキズナポイントをため、ポイントを消費してキャラを強化できるというのも、収集癖持ちのyukkun20にはちょうどいい感じでした。コンプもそんなに難易度が高くなく、本編を進める合間にちょこちょこ進めていけば、クリア後1~2時間程度でコンプできる程度でした。
- UIもかなり改善されていました。今回はエリアが5つに分かれていますが、マップは1つに統合されてセーブロードの時間も減りましたし、マップもかなり簡素化されて、高低差で迷うことも少なくなりましたし、位置特効があるアーツは発動前に条件を満たしているか確認できるようになったし、まだまだ快適とまでは言えませんが(アクセサリのソート機能が死んでるのはいい加減にしろよ)、不快さはかなり減っていると思いました。
戦闘
- 戦闘は、フィールド画面との完全シームレスを実現しています。
- 基本的な戦闘システムは3と同じです。敵の近くにキャラを立たせるだけで、オートで攻撃をしてくれます。プレイヤーは、必殺技(アーツ)の発動時にコマンドを入力するのが仕事です。
- うまく戦闘を運ぶのに必要なのがヘイトです。このゲームは敵に攻撃を当てたり味方を回復したりするとヘイトが溜まり、敵はヘイトが高いキャラを狙って攻撃してきます。敵の火力は高く、普通のキャラが攻撃を受けると雑魚相手でもすぐ死ぬため、まずはタンク役のキャラにヘイトを稼がせ、敵の攻撃をそちらに向けます。その隙にアタッカーが攻撃をするわけです。ヘイトを調節したり、コンボで敵を転倒させたり、パーティアタックを繰り出したりと、やることがかなり多いので、通常攻撃はオートでちょうどいいですね。
- 3と違ってクラスやロール、スキルは固定で、アーツも3*2つで組み合わせを変えられるだけと大分簡素になりましたが、これで良かったです。というかyukkun20みたいな人間に3本編のバトルシステムは複雑すぎて、継続的にプレイしている間はなんとかついて行けるのですが、久々にプレイしようとするともうどうにもこうにも…みたいになるのです。今作のシステムはとっつきやすく、むしろこっちを先にした方が3本編がプレイしやすくなるまであるかもしれません(ただ3本編をプレイしていること前提で説明が省かれたりもしているので、やはり3本編からのプレイをおすすめします)。
- 3本編同様チェインアタックが主要なダメージソースになるのですが、今作は専用のアクセサリーで、ヒーローチェインやコンプリートボーナスを変更することができ、ダメージ倍率も3本編より簡単に上げていけるので爽快感がありました。
- 敵はレベルが決まっていて、レベルが離れるとほとんど攻撃が当たらなくなるので、プレイヤーのテクニックだけでごり押しすることは出来ません。レベル上げは必須になりますが、戦闘勝利時はもちろん、ランドマーク発見、サブクエストクリアなどでもどんどん経験値が入るので、まったく苦になりません。サブイベント優先で進めるとクリア直前でレベル60くらいにはなります(最高レベルは99)。またモンスターは必ずアイテムを落とすので、それも戦闘を作業にしない要因になっています。難易度も自由に変更できます。今作もクリアするまでレベルを下げることが出来ませんが、サブイベントを優先してもそこそこの難易度が維持されていたのもよかったと思います。
- あっさりゲームオーバーになることも多いのですが、直前のランドマークに戻されるだけで、アイテムもお金もなくなりません。だからと言って緊張感が削がれることはありません。フィールドをうろつく強力な雑魚・ボスモンスターに挑んでなんどぶっ飛ばされたり、ひょいっと柵を跳び越えたら奈落が広がっていて墜落死とか普通にありますから。でもそれがいい。オートセーブもあるし、ゲームオーバーになってもわざわざロードしなくていいので、こまめなセーブは不要です。これで世界にどっぷりつかっている思考を中断しなくていいって訳なんですよ。
総評
- 3本編の評価はDLC次第だな…と本編でのレビューで述べましたが、3本編の残した謎や伏線も多くが回収され、本編の価値も引き上げてくれるよいDLCでした。
- とはいえエンディングで新たな謎も生まれましたね。まだこの物語はどこかへ続いていくのでしょうか。期待して待ちたいと思います。