2019-06-19
【ゲーム】テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER レビュー
TOB以来の据え置きテイルズ楽しすぎる!
テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER
プラットフォーム | PlayStation®4, Nintendo Switch™, Xbox One, Steam® | |
ジャンル | 「正義」を貫き通すRPG | |
価格 | 【通常版】5,700円 【初回限定生産版】11,100円 |
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公式 | テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER|バンダイナムコエンターテインメント公式サイト | |
プレイ時間 | 1周目:98時間 2周目:125時間 プラチナ:165時間 |
ストーリー
- 魔導器と呼ばれる太古の遺物が支える世界テルカ・リュミレース。その中で最大の都市・帝都ザーフィアスの下町に愛犬ラピードと共に住む青年ユーリは、帝国が生み出す不公正に時にいらだち、時に抵抗しながら日々を送っていた。ある日、下町から盗み出された水道魔導器の魔核の行方を追って、また城で出会った少女エステルを、騎士の青年フレンに会わせるため、ユーリは帝都から旅立つ。自分なりの「正義」を模索する旅は、やがて世界を巻き込む大きなうねりに飲み込まれていく―
というストーリー。世界観はいわゆる中世ファンタジーで、オーソドックスなハイファンタジーが展開されます。 - ストーリーはテイルズオブの中でもわかりやすい部類に入ると思います。それでいて単調ということはなく、ライバル、裏切り、偉大な先人の死、信念の衝突、巨大災害、ヒロイン誘拐などストーリーのうねりも十分あり、そのあたりのバランスが優れていると思います。敵味方陣営双方の主張がわかりやすいのも○。最近は敵にも味方にも哲学的なことを言わせることで話に深みを出そうとしている作品が多いですからね。
- yukkun20はこういう世界設定が大好きなこともあってストーリー的には非常に評価高いです。
システム
- 10年以上前の作品ですが、比較的オーソドックスな作りになっていて、システム的な古さは感じさせません。古き良きテイルズをそのまま進化させたような感じになっています。
- 料理は食材を使ってレシピ通りに作るタイプです。特定の料理を特定のキャラが何度も作ることで新しいレシピをひらめけますが、これがノーヒントなのはつらい。
- 装備にはそれぞれ武能が設定されており、その武器を装備して戦闘を繰り返すことでその武能を習得することが出来ます。頻繁に武器を持ち替えなければなりませんし装備品集めに気が抜けないのでこれは好き好きだと思います。yukkun20はこういうちまちまキャラを強化するのが好きなので気になりませんでしたけど。
- 移動は徒歩、船、飛行船の3種類。飛行船はワープも使えますし、全体的な移動速度も速いのでストレスは少なめです。ただしフィールド上を徘徊しているモンスターは非常に動きが素早く、ホーリィボトルなしでエンカウントを避けるのは至難なのでそこはちょっと面倒かも。ホーリィボトルは持続時間が短いしなぁ。
キャラクター
- PCキャラは9人で、ほぼ入れ替わりはありません。
- ユーリ
シリーズ最年長主人公で、自身が成長していくというより周りを成長させていく兄貴分としてのポジションです。自分の信念のために手を汚す覚悟があるダークヒーロー的な側面もありますが、面倒見も良く性格も明るく、仲間たちからも慕われているいい主人公でした。人気投票で殿堂入りしたのも納得です。
戦闘では火力も高く動きも素早く、コンボも長く技も多彩と非常に扱いやすいキャラ。通常攻撃*6→特技→スキル変化技→特技→奥義→スキル変化技→奥義→バーストアーツ→秘奥義を鋼体付きでループさせながらぶち込めるのはシリーズ中でもユーリだけ!戦闘使用率86%(第1位)。 - エステル
お姫様ですが、高飛車なところも世間知らずのところもなく、為政者としても優秀さを感じるヒロイン。中盤では当面の目的を放置して目の前の問題に首を突っ込みたがるところは賛否両論ですが、個人的には人間くさくて好きです。テイルズでは珍しく、リタとの女性同士の友情も美しく描かれていました。衣装のデザイン大好き。
戦闘では回復役なのに、最前線で殴り合いも出来る高い防御力を備える異質なキャラ。ヒーラーとしての回復量は他のキャラの追随を許しませんが、AIの設定上回復タイミングが遅いこともあるので過信は禁物。使用率69%(第2位タイ)。 - ラピード
ユーリの愛犬。人語は明らかに分かっているっぽいですが、人語を話すことはなく、徹頭徹尾犬として描かれています。誰にでもなつくわけではないものの、仲間と見初めた相手は全力で守る男気あふれたワンちゃん。
戦闘では四足を生かしたトリッキーな動きができます。移動速度も速く、盗みも使えるので合成素材集めには欠かせない存在。疾風犬という5秒間無敵になれる技が相当ヤバい。使用率49%(第4位)。 - カロル
シリーズでも珍しいショタ枠。序盤はヘタレでええかっこしいでしたが、旅を通じて最も成長したキャラと言えるでしょう。余計な一言言ってリタにげんこつ喰らったり、変なコスを着せられたり、レイヴンのいたずらに巻き込まれたりとおいしい役どころ。
戦闘では鈍足重戦士。一応範囲回復が使えるものの、足が遅い上に近接技なので発動するまで一苦労という諸刃の剣。ただし二大回復役のエステルとレイヴンが同時に離脱した時にそのありがたみを知ることになるでしょう。近接、遠距離、回復とどれも本職に及ばないものの何でも器用にこなせる設定通りの性能。使用率20%(第7位)。 - リタ
ボケが飽和しているパーティ唯一のツッコミ役。性格的にはマイルドなツンデレで、つまりはyukkun20の大好物で、シリーズの中ではアーチェさんの次に好きなキャラです。世界の危機も大体一人で解決できるほどの天才で、姫のエステルや騎士隊長のフレンよりもよほど世間にも認知されてます。世界滅亡の原因を戦闘ではなく発明でどうにかしたところは高く評価したい。
戦闘ではほぼ唯一の術士キャラ。全範囲攻撃のタイダルウェーブと耐性持ちがほぼいないメテオスウォームがヤバい性能で、OVLして連発すれば倒せない敵はいないでしょう。使用率69%(第2位タイ)。
- ユーリ
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- レイヴン
今作の裏切り枠。でもあっさり許された感があるのは本人の人徳なのか。裏の顔はシリアスで人望厚いキャラなのに、パーティにいる間は正体がばれる前も後もまっっっっったくその片鱗すら見せないのはある意味才能かも。余計なことしてリタの魔術でお仕置きされるのがお約束。
戦闘では近接と間接、術をバランスよく使えるキャラ。詠唱なしに複数キャラを回復できて優秀。しかしエステル不在という一番大切な時にいないという悲しみを背負ったキャラでもある。まあ自業自得なんですが。使用率23%(第6位)。 - ジュディス
大人のお姉様。パーティの中ではユーリやレイヴンの次くらいに秘密を抱えているキャラですが、全然裏切り臭がしないのは中の人の人徳なのか。ひょうひょうとして、リタを手玉に取るシーンは二人の関係性を知っているとにやにやできます。
戦闘では空中戦を得意とするテクニカルなキャラ。オートにすると敵をすぐダウンさせてコンボを破壊し、自分で操作するとテクニカルすぎてうまく使えないというなかなかに難しいキャラ。しかし習熟するとほとんどの敵を一方的に殴れる…らしいです。使用率14%(第8位)。 - フレン
Xbox版ではゲストでしたがPS3版から正式加入になったイケメン騎士団長(代理)。ユーリのライバルキャラでもあり、二人の信念のぶつかり合いは中盤までの見所です。その性質上パーティに加入しない方が生きるのではないかという考え方もあると思いますが、個人的には加入したことで新たな側面も見られるようになって良かったです。
戦闘では歴代主人公の術技を多く使いこなせる正当派。術も使えて回復も出来る万能キャラ。盾も装備していて固いので最前線で使いやすいです。一番の問題はユーリとポジションがかぶっているということだ。使用率11%(第9位)。 - パティ
PS3版から登場したのじゃ娘。ユーリにベタ惚れだが意外と恋愛関係のエピソードは少ないです。パティ最大級の闇を抱えていますがそれを感じさせない(というか忘れているのだが)明るさで、さらにTOVの世界を広げてくれました。
戦闘では4種類のフォームで術技が変化する面白いキャラ。技もギャンブル性の高いものが多く、しかもハイリスクハイリターンなので、油断すると全滅の危機に陥ることも。ただドロップ率を高める武能があるのでアイテム集めには欠かせません。使用率41%(第5位)。
- レイヴン
- 敵もキャラ立ては十分ですし、行動原理もわかりやすいです。作中に大きな壁として立ちはだかる「アレクセイ」と「デューク」も、それぞれ確たる信念を持ち、それでいて全く違う思想を描けていました。戦いの決着も全く違うものでしたが、それぞれカタルシスが得られる展開でよく練ってあったと思いますね。
ただザギはあまりに狂戦士すぎてドン引きです(笑)
戦闘
- シンボルエンカウント制。敵シンボルは動きが速いので戦闘を避けたい時はホーリィボトルを使うべきなんですが、通路が狭くてよけられないことも多々あるのがちょっと面倒。
- 戦闘はいつものLMBSで、9人から4人を選んで戦います。戦闘は基本的にサイドビューですが、フリーランもスムーズに出来るようになっており、S→Aと進化してきた3D戦闘をさらにフラッシュアップした形。
- 術技体系もPに端を発する上位技で下位技をキャンセルしていくシステムで、初期テイルズが好きな人にはわかりやすいと思います。また技は使い込めば使い込むほど性能やキャンセルポイントが変化して使いやすくなるので、戦闘が単調にならなくてよかったです。ただ最近のテクニカルなバトルが好きな人には物足りないかも。敵もあまり強いキャラがいないですし。
- 秘奥義が充実しているのもうれしいところ。カットイン画像も各キャラ複数あり、簡単なアニメーションをしたりするなど凝っています。ただ第二秘奥義の発動条件がわかりにくすぎて、攻略本見るまで気づかなかった人も多そう。
総評
- ストーリー、キャラクター、戦闘と非常に高いクオリティでまとめられていて、傑作と言って差し支えない作品だと思います。REMASTERになったことで映像も非常に美しくなり、10年前の作品という時代も全く感じさせない出来になっていました。追加要素がなかったのはちょっと残念でしたけど、このクオリティでリメイクしてもらえれば不満はないです。もうXbox版からだと160時間+160時間+165時間で500時間近くプレイしていることになりますけど、未だに飽きが来ていない希有なゲームです。
- 一応褒めちぎるだけだとなんなので、①カロルのケロロ軍曹コスが入手できない、②採取ポイントやギガントモンスターのリポップ確率が低すぎる、③望鏡の墓所がだるすぎる、という点を批判しておきます。まあ小さな問題ですけど。
- さらに歴代シリーズネタが多いのもファンにはうれしいところ。特に闘技場に歴代キャラが登場する演出は最近減っているので、今後も大事にしてほしいですね。TOARISEに期待してます。
- というわけで、テイルズが好きな人もよく知らない人も、是非この作品はプレイしてみてください。
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