2020-04-29
【ゲーム】ペルソナ5 ザ・ロイヤル レビュー
3年ぶりのP5はやっぱり最高でしたね。P5が出た時から楽しみにしていましたが、期待を裏切らない内容でした。
ペルソナ5 ザ・ロイヤル
プラットフォーム | PlayStation®4 | |
ジャンル | RPG | |
価格 | 通常版:8,800円(税別) 限定版:13,800円(税別) |
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公式 | P5R – ペルソナ5 ザ・ロイヤル | |
プレイ時間 | 1周目:111時間 |
ストーリー
- 冤罪の暴行事件で保護観察処分となり、東京の高校へ転入してきた主人公。彼は奇妙な夢の中で、間近に迫る破滅を回避するため、「更生」を遂げるようにと見知らぬ老人から促される。意味の分からないまま学校に向かう途中、迷い込んだ見覚えのない場所で「怪盗」として謎の力に目ざめた彼は、その力を使えば、歪んだ欲望を持つ大人達を改心させることが出来るという謎の猫・モルガナの言葉に従い、同じく世の中の理不尽に憤る仲間達と怪盗団を結成。世直しに身を投じていく―
というストーリー。 - P3やP4の場合、敵は明確な「悪」で(3の敵は人類を滅ぼそうとしているし、4は連続殺人犯)、主人公側はそれに対する正義に位置づけられていました。今作ではもちろん敵も「悪」なのですが、こちらのしているのも改心という名のある種の洗脳であり、果たしてそれが正義なのかということを常にプレイヤーに問いかける内容になっています。ただその問題については最終的に答えが出されるものの、そこに至るまではあまり深刻なテーマとして投げかけられることはなく、それより敵の理不尽さや残酷さとそれに立ち向かう主人公達の正義にスポットライトが当たっているので、カタルシスという面では問題ないと思います。
- また今回追加された新たなボスは、「悪」というよりは、もう一つの怪盗団のようなポジションになっており、人によっては敵の方に感情移入しやすいかも知れません(かくいうyukkun20もそうでした)。しかしこれも最後はきちんと納得のいく結論が出されています。3学期は蛇足だという感想も時折見かけましたが、P5のストーリーの完成度が高かったから蛇足的に見えるのは仕方ない。個人的には2学期までとはまた違う方向での敵を描いたことで、深みが増していると思います。
- ダークヒーローものなので、P4に比べると全体的に落ち着いたトーンになっています。個人的にはP4の方がストーリーラインは好みでしたが、P5も少し変わった立ち位置ながら少年活劇という基本は外さないものとなっており、非常に楽しめました。
- ストーリー全体も、今の世の中に対する風刺がちりばめられつつ、説教臭いものになっておらず、大人から子供まで十分楽しめる物になってました。P5を2周してアニメも見ましたけど、未だにこのストーリーは飽きが来ないですね。
システム
- 学園生活を送りながら、自由時間で能力を上げたり、仲間と絆を深めたり、ダンジョンに潜ったりといういつものペルソナらしさは健在。特に今回は東京という実在の場所がモデルで、自分も知っている場所が色々登場したので、町の中を走り回っているだけでも面白いです。今作で吉祥寺が追加されましたが、行ったことがほとんどない街だったので、いつか行ってみたくなりましたね。
- とにかくなにもかもスタイリッシュでかっこいい。たとえばダンジョンを潜る時、このゲームは4人パーティなので、プレイヤーが操作する主人公に、3人のキャラがついて移動することになります。でもその3人はただ主人公のあとを付いてくるだけではありません。時には先行して物陰から先を確認したり、宝箱や敵をプレイヤーより先に発見して教えてくれたりします。主人公も移動時にただ走るだけでなく、走りながら手袋を直したり(このアクションがかっこいい)、ドアを開ける時も背中を扉に付けて滑り込むように部屋に入ったりと、いちいち動きが素敵。景色も細かいところまで精緻に書き込まれており、リアリティを生んでいます。
- ポイントはやはりペルソナ図鑑でしょうか。今回も約230体のペルソナを仲間にすることが出来ますけど、それぞれについて詳しい元ネタ解説が付いていて、読み物としても面白い。おなじみペルソナ合体(なぜかギロチンがモチーフ)をうまく使ってどんどん図鑑を埋めましょう。合体後のペルソナは合体前の技を引き継げるため、戦力増強にも役立ちます。しかも今作はペルソナのステ上げが簡単になったので、好きなペルソナで最後まで行くのも現実的になりましたね。
- ダンジョンは基本的に9つ。どれも変わった仕掛けが施されており、謎解きとしての楽しみもあります。ペルソナのダンジョンはとかく単調になりがちだったのですが、今作に限っては全くそんなことはありませんでした。やや冗長だったメメントスも、瞬殺(敵とのレベル差があると、徘徊するシンボルに体当たりするだけで敵を倒せる(経験値やドロップアイテムも取得できる)のおかげで非常に快適に潜れるようになりました。
キャラクター
- PCキャラは全部で10人。今回も気のいい仲間達がそろっています(アイツはさておき)。春の出番が遅いのは相変わらず。イベントでの出番もほとんど増えなかったのですが、3学期が出来たことで出番は増えています。10人目の仲間は加入は3学期ですが、初期から結構主人公に絡んでいたので、出番が少ないとは感じませんでした。
- PCはほぼ全員、大人達からの理不尽な攻撃にさらされ、それを主人公達に助けられて仲間に加わる、というパターンが多いんですけど、それだけで終わらず、コミュイベントではその後始末にどうやって向かい合っていくのかというところがしっかり描かれていて良かったです。内容も部活、進路、仕事など高校生なら考えなければいけないことばかり。それに悩みながら自分なりの答えを導き出していくというのはありがちなテーマではありますがやはりいいものです。
- PC以外のキャラともコミュがありますが、こちらはなかなかにダメな大人揃いで、そのピンチを毎回ペルソナ能力で解決してあげるという形になっています。でもそのダメさが感情移入しやすいんですよね…。悪徳商法、パワハラ、モンペ、ネット、汚職など、今風のテーマが上手く料理されて組み込まれていて内容も深いんですけど、ああそういうこともあるかも、しかたないなぁ助けてあげようと自然に思わせる内容になってました。
- その結果が過去最高の10股である(P5から1股増えました)。ちなみに過去作では何股しようが主人公が痛い目に遭うことはありませんでしたが、今回はキレた女性陣にフルボッコにされるイベントもあるのでフェミニンなあなたも安心です(ちなみに3学期が出来たことでそれをフォローするイベントも追加されました。…フォローできるのは一人だけですけど)。P5同様千早と川上先生が相変わらず好きですが、今回追加されたかすみはyukkun20の好きな礼儀正しい後輩キャラなので、結構愛を注げましたね。ペルソナもかっこいいし。
戦闘
- シンボルエンカウント制です。ただし敵の索敵範囲が結構広く、また一度見つかると索敵から逃れるのが困難ですし、場合によっては不意打ちを食らいます。アトラスゲーということで当然のごとく敵も味方も高火力なので、先手を譲るとパーティが壊滅しかねません。というわけで基本的に敵に見つからないようこそこそと不意打ちし、先手を取って一気に全滅させるということになります。今回は遠くから不意打ちできるシェネワイヤーというスキルが追加されたので、こそこそ度はちょっと下がったかも。シェネワイヤーはアクションがかっこいいので、ついつい使いたくなりますし。また前述の通り瞬殺があるので、レベル上げや金稼ぎもかなり楽になりましたね。
- 戦闘はこれまで同様オーソドックスなコマンドタイプです。今作は敵の弱点を突くとダウンが奪えますが、ダウンした敵も自分のターンになればダウンから回復してそのまま攻撃を仕掛けてくるため、足止めの意味はありません。従ってダウンさせるメリットは、全員ダウンさせた時に敵と交渉が出来る(もしくは大ダメージを与えられる)ということになります。とはいえ、交渉に成功すると新しいペルソナやレアアイテム、お金などが余分に手に入りますし、また相手のHPがどんなに残っていても戦闘に勝利できるので、むしろダウンの価値は上がっています。敵の弱点を突くには、主人公のペルソナに幅広い属性の術技を持たせるのと、仲間をこまめに入れ替えることがポイントになりますので、キャラもまんべんなく使用できて良かったです。今作から弱点を持たない敵が増えましたが、状態異常になった敵に特定の属性の技を当てることでテクニカルダウンを取れるようになったので、P5より状態異常の価値も上がったのは良かったと思います。
- ボスはむちゃくちゃ強いということはありませんでしたが(難易度NORMAL)、毎回変わったギミックが用意されているのでだれることなく楽しめました。とはいえペルソナ強化をきちんとしていないと苦戦することも(特に6つめのパレスのボスは詰んだ人も多いのでは)。
- P5ではSPがカツカツでしたが、そのあたりも少々改善されていて、長期戦もこなしやすくなりましたね。
総評
- ストーリー、キャラ、戦闘と全てが最高峰のすばらしいゲームです。P5RはP5の完全上位互換になっているので、これからプレイする人はこちらを強くおすすめ。プレイ時間さえ取れれば普通に2周目やってたと思います。
あと最後になりましたけど音楽も至高。僕はボーカル曲をBGMに使うのは嫌いなのですが、ペルソナだけは毎回認めざるを得ないです。そのシリーズの中でも今回の曲は最高すぎる。P5Rにあたって追加された曲も同じくらい素晴らしい。 - P5の時に気になる点をいくつか挙げましたが、それらもほぼ全て解消されていて、本当にJRPGの最高峰と言って差し支えないゲームです。PS4持ってるなら過去作をプレイしたことがなくてもお、このゲームは強くプレイをおすすめします。明智の扱いは賛否あるかも知れませんが、彼がした事を考えると仲間にするわけには行きませんし、かといってせっかく3学期を追加したのに明智を放置するわけにも行きませんから、いい落としどころだったと思います。
- ひとつだけ、かすみのエンディングでの扱いだけはちょっと残念でしたけど…
- おまけ要素の「マイパレス」も無限に遊べる出来になってましたね。P5のトロフィーに代わるコンプ要素「アワード」、本格的な遊びが楽しめる「大富豪」、ゲーム中のBGMやイベント、設定画などを見直せる「ギャラリー」、作中に登場したキャラや場所の3Dモデルをなめ回せる「模様替え」など何でもありでした。本編では全然絡みのないキャラが登場して会話したりと、より深くキャラを理解できるところもいいですね。